Androidタブレットでもキーボードが欲しい人へ――「Eee Pad Slider SL101」徹底検証普通のタブレットはいりません(3/5 ページ)

» 2011年10月24日 16時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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基本スペックはEee Pad Transformer TF101を継承

 基本スペックはTF101を継承している。CPUはデュアルコアのNVIDIA Tegra 2(1.0GHz)、メモリ容量は1Gバイト(LPDDR2)、ストレージはeMMC(embedded Multi Media Card)準拠のNANDフラッシュメモリを32Gバイト搭載する。

 OSはAndroid 3.1をプリインストールしているが、2011年10月19日からAndroid 3.2.1アップデートの提供が開始され、アプリケーションの拡大表示機能や画面タップ長押し時間の設定といった拡張が行われている。

 TF101に比べて少し見劣るのはサウンドまわりで、サウンドチップは同じWolfson Microelectronics製の「WM8903」を実装するものの、スピーカーはモノラルだ。これは薄型軽量化のために割り切った部分だろう。

IPSパネル+ゴリラガラスによる高品位な液晶ディスプレイを搭載

 液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイドで、表示解像度は1280×800ドット(アスペクト比16:10)に対応している。広視野角のIPS方式を採用したパネルで、10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチスクリーンだ。TF101が装備していた剛性の高いゴリラガラスはSL101にも採り入れられている。

 IPSパネルだけに視野角は広く、ディスプレイの視認性は非常に良好だ。TF101よりも若干だが輝度が高く、色味も正常に近い印象だ(それでも色温度が少し高い傾向はある)。Webブラウズ、YouTubeでの動画再生、電子書籍閲覧など、一通りの操作はストレスなく行なえ、拡大/縮小、回転などといったマルチタッチのレスポンスも軽快といえる。

 パフォーマンスをチェックするため、OSをAndroid 3.2.1にアップデートした状態で、ベンチマークテストの「Quadrant Professional Edition 1.1.7」を実行したところ、スコアは「1807」だった。スコアのバラツキが大きいテストではあるが、Tegra 2(1.0GHz)搭載機として水準の性能は持っている。また、「AnTuTu Benchmark 2.3.1」も実行したが、トータルスコアは「4805」だった。

 発熱は裏面のドッキングコネクタ付近が中心で、ベンチマークテストの後、YouTube動画の再生などを行いながらしばらく利用していると、じんわりと発熱してきた。室温28度に対して表面温度は40度前後とそれなりに熱くなったが、熱くなるのはその部分のみなので、別の場所を持てば問題ない。幸い、その周囲には電源ボタンなどもあるため、通常はあまり手が触れない位置だ。

Quadrant Professional 1.1.7のテスト結果。左が総合スコア、右が各テスト個別のスコアだ。いずれもOSはAndroid 3.2.1

AnTuTu Benchmark 2.3.1のテスト結果。左が総合スコア、右が各テスト個別のスコアだ。いずれもOSはAndroid 3.2.1

 バッテリーの公称駆動時間は約8時間だ。多くのタブレット端末と同様、SL101もバッテリーの着脱には対応していない。バッテリー駆動時間は、ディスプレイの輝度50%、Wi-Fi/Bluetooth/GPSオン、音量50%(ヘッドフォン出力)の状態で、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)形式の1080p動画ファイルをリピート再生させてバッテリー駆動時間を計測したところ、9時間48分経過しても5%の残量があり、公称値を上回るバッテリー駆動が可能だった。1泊2日くらいならば、充電なしで利用できそうだ。

小型軽量のACアダプタはUSBケーブルを分離できる。USBでPCに接続してデータ転送に使うことも可能だ

 付属のACアダプタはTF101と似ており、実測での重量はケーブル込みで約93グラム(本体のみで約63グラム)とコンパクトだ。ただ、アダプタ本体のみの実測サイズは40(幅)×53(奥行き)×28(高さ)ミリだが、TF101と違ってプラグ部分が折りたためず、プラグの突起部で奥行きはさらに約16ミリ張り出す。それでも大きくはないが、少々ツメの甘さを感じる部分ではある。

 本体とACアダプタを接続するケーブルは、本体側が独自仕様コネクタ、ACアダプタ側はUSB上位互換コネクタとなっており、PCと接続する際にも利用可能だ。USBのデータ/給電(+5V)ラインに加えて、充電用に+12Vのラインを拡張したものとなっており、本体がスリープもしくは電源オフの場合は、PCのUSBバスパワーでの充電も可能だが、ASUSはPCのUSB給電が十分でない場合はACアダプタ経由での充電を推奨している。

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