慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の研究成果を一般公開する「Open Research Forum 2011」が11月22日、東京・六本木の「東京ミッドタウン ホール&カンファレンス」で開幕した。約140のブースでさまざまな研究発表が行われるなか、増井俊之研究室のブースでは、タブレットをリモコンにして、PCの操作を行うインタフェース「ContextDial」が展示されている。
ContextDialは、ダイヤル型のインタフェースを採用し、画面をタッチしたり、タッチしながら回すことで、PCのさまざまな操作が行えるというもの。ブースでは、ContextDialを使ったWebブラウジングやYouTubeでの動画閲覧を行うデモが行われていた。
Webブラウジングでは、ダイヤルの上に2種類のボタンが表示される。ボタンを押しながら回転させると、それぞれスクロール、ページ内のリンク項目をフォーカスという操作となる。ダイヤルのボタン以外の部分を押せば、リンク先のページに移動できる。
動画閲覧のページを開くと、ダイヤル上のボタンが自動で変化して3種類となる。タッチをしながら回転するとそれぞれ、動画のシーク、音量の調節、関連動画のザッピングが行える。
「Google TVなど、テレビとWebの融合が進んでいく中で、これからはテレビのチャンネルが一気に増えるはず。今のようなリモコンでは、対応できなくなるのではないか」とContextDialを開発した同大学4年の松本明浩さんは話す。現在のリモコンのユーザーインタフェース(UI)では、テレビのザッピングがしづらいことに気付いたのが、開発のきっかけだという。
「最近のリモコンはただでさえボタンが増えて操作が分かりにくいのに、Google TV以後はキーボード付きのリモコンも出てきて、操作が面倒になる一方。もっとシンプルなUIはないのかと考えていた」(松本さん)
松本さん曰く、このContextDialは“だらだらするためのUI”だという。なるほど、楽な姿勢でPCを操作したい人にはうってつけのリモコンになりそうだ。今後の研究について、松本さんは「ContextDialはテレビやWebページに限らず、ザッピングをする、気楽に見る、というシーンに向いたUIだと思う。例えば、本を読んだり、雑誌の立ち読みのようなシチュエーションでも通用するでしょう。それを確かめていきたい」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.