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» 2011年12月05日 17時00分 UPDATE

野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review:真空管のイメージを一新させる力強いサウンド──トライオード「TRX-HD82」 (1/2)

オトナなPC音楽を「真空管アンプ」とともに楽しむ人が増えている。今回はクオリティとコストパフォーマンスの高さで定評のあるUSB DAC内蔵真空管ヘッドフォンアンプ「TRX-HD82」を試聴した。

[ITmedia]

USB DAC内蔵の真空管ヘッドフォンアンプ

photo トライオード「TRX-HD82」 価格は9万5000円前後だ

 最近、真空管を使ったPCオーディオ機器が静かなブームを迎えている。その中でも本命の1つと言われているのがトライオードの製品だ。

 「三極管」そのままの名称を名前にした同社は真空管アンプなどの製品を中心に展開し、クオリティの高さとコストパフォーマンスのよさに定評のあるブランドとなっている。今回紹介する「TRX-HD82」もその新ラインアップの1つで、USB DAC機能を搭載する高品位志向の真空管ヘッドフォンアンプである。

 TRX-HD82はボディサイズを小型化する目的もあり、先代の「TRV-84HD」から外部スピーカーのターミナルを省いた純粋なヘッドフォンアンプとなったが、代わりに96kHz/24ビット対応のUSB DAC機能やUSBメモリ再生機能(こちらは48kHz/16ビット対応)、2系統のアナログ入力、トーンコントロールなど、機能的に充実した仕様に一新したといえる。

 特に特徴的なのが真空管とトランジスタ、2系統の出力段を用意することだ。天面に用意する切り替えスイッチにより、好みのサウンドを選択できる。出力管にはコストパフォーマンスの高さで知られる「6BM8」(ECL82互換)を2本使用する仕様だが、増幅回路をA級動作にするなど、随所でクオリティアップが図られていることが伺える。

 DACはバーブラウン「PCM1798」、USBコントローラはテノール「TE7022」と、どちらも音質に定評あるチップを採用する。このあたりは、2011年春に発売されたプリメインアンプ「TRX-PM84」とほぼ同じ内容となっている。

photophoto 真空管は「6BM8」(ECL82互換)を2本使用、出力を真空管/トランジスタいずれかに切り替えられる

金属ボディの高い質感、出力をトランジスタ/真空管で切り替え可能

 190(幅)×250(奥行き)×150(高さ)ミリとするコンパクトな縦長ボディは、相応にデスクトップ向きだ。机上では決して小さいとはいえないのだが、レイアウトを工夫すれば設置場所は適当に確保できるだろう。また、4.7キロというややズッシリな重量もオーディオ機器は振動を抑制=音質的な向上を果たしてくれていそうと、ポジティブな見方もできる。

photophoto 本体前面と背面。上面にUSBストレージを差して活用できるUSB Standard-A端子と操作パネル(MP3/AAC/WMAの再生が可能)。背面のUSB Standard-B端子はUSB DAC用だ

 さらに、シルバーカラーの金属製フロントパネルや濃いワインレッドで統一されたボディは、角の処理などに丁寧な仕上げが施されており、質感はかなり高い。取り外せる真空管ガードなども細かい作り込みがなされている。

 入力切り替えは上面右側のセレクターで行う。入力ソースはUSB(USB機器接続用)、PC−USB(USB DAC)、アナログ入力×2の4系統に対応する。セレクターのカッチリした動きは、メカ好きの心をときめかせてくれるであろう感触だ。その横に、TRANSISTOR(トランジスタ)−MUTE−TUBE(真空管)と書かれた出力切り替えのトグルスイッチ、上面左側にUSB Standard-A端子と再生、曲戻し/曲送りボタンを配置する。

 フロントパネルには、ボリュームのほか、バス・トレブルのトーンコントロールダイアル(ともに±6dB)、そしてヘッドフォン出力を2系統用意する。2つのヘッドフォンをつなぐ以外に、システムによっては出力の1つをアンプと接続した、拡張型USB DAC的な使い方とするのもありだろう。

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