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» 2011年12月05日 16時00分 UPDATE

知って得する「ビジネスプリンタ」ワード:「高耐久&長期無償保証」――その保証はどこまで“タダ”になる?

高耐久で長期間の無償保証をうたうプリンタが増えている。ユーザーにとってはうれしい限りだが、必ずしも「無償の保証期間が短い=耐久性が低い」というわけでない。

[小川夏樹,ITmedia]

→特集:2011年秋冬のビジネスプリンタ

→前回記事:「低価格A4カラーページプリンタ」――1万円台から高品位な普通紙カラー印刷を実現

長期運用を考えたら、耐久性は見逃せない

 電子機器を購入するうえで欠かせないポイントとなるのが「耐久性」だ。

 ビジネスプリンタの場合、耐久性が低いとすぐにトラブルが発生し、用紙が頻繁に詰まったり、トナーやインクを無駄に消費したり、部品が破損して修理に余計な出費がかさんだりと、利便性や作業効率アップのために導入したはずが、かえって足を引っ張ることになりかねない。特にビジネスユースでは、「安かろう、悪かろう」の製品選びは危険だ。

 主にビジネス向けページプリンタの耐久性は「装置寿命」という言葉で示される。装置寿命は、印刷枚数または使用期間のいずれか一方を取ることが多い。例えば、「30万ページ、または5年間のいずれか早いほう」といったように表される。これは使用開始から30万ページ以上の印刷を行うか、使用開始から5年間が経過すると、その段階で装置寿命と判断されるという意味だ。

 もっとも、30万枚や20万枚という印刷枚数は具体的に想像しにくいだろう。5年間でA4用紙を30万ページ印刷すると仮定した場合、年間220日使うとして1日あたり約272枚という計算になる(20万枚なら約181枚)。1日に272ページ超を印刷し続ければ、5年より短い期間で装置寿命に達するが、そこまでハードに使い込まれる環境は多くないと思われる。一般には、5年間という期間のほうが分かりやすいだろう。

 SOHOやSMB向けのプリンタにおいて、5年間という使用期間は装置寿命の一般的な目安であり、プリンタの買い替えサイクルにも一致している。

 2008年にその5年間を無償保証期間に定めることで、一気にブレイクしたのがOKIデータの「COREFIDO(コアフィード)」シリーズだ。後に続けとブラザーも最大5年間無償保証の「JUSTIO PRO(ジャスティオ プロ)」シリーズを投入、エプソンの「Offirio(オフィリオ)」シリーズなども高耐久のA4カラーページプリンタを用意するなど、昨今のビジネスプリンタ市場では長期無償保証がトレンドになっている。

 自社製品で長期無償保証や高耐久をうたうのは、「それだけ壊れない、トラブルも起きない、技術力が高い」など、メーカーの自信の表れといえるだろう。

tm_1111_str_01.jpgtm_1111_str_02.jpgtm_1111_str_03.jpg 5年間無償保証(後述するメンテナンス品まで含む)に対応したOKIデータのA3カラーLEDプリンタ「COREFIDO C841dn」(写真=左)。5年間無償保証に対応したブラザーのA4カラーレーザープリンタ「JUSTIO PRO HL-4570CDWT」(写真=中央)。40万ページの高耐久をうたうA4カラーレーザープリンタ「Offirio LP-S820」(写真=右)

メンテナンス品まで無償保証に含まれる製品も

 もっとも、長期間の無償保証とはいっても「何でもかんでも無償で提供」してくれるわけではない。使っていくうちにどんどん減っていくトナーやインクはもちろん、長期運用で交換が必要なドラム(トナー/ドラム一体型の製品も多いが)、熱転写ベルト、ローラー、定着器ユニットなどのメンテナンス品、そしてユーザーが交換できない特殊部品の交換は有償になるのが一般的だ。

 例えば、トナーやインクだけでなく、定期的に交換が必要な部品の交換頻度や価格が高いと、その都度お金がかかり、ランニングコストが上がってしまう。初期費用が安いと思っても、ランニングコストを含めた運用まで考えておかないと、気が付いたらトータルで予想外の金額を支出していたということにもなりかねない。部品の交換時には部品代金に加えて、保守員の訪問料や技術料が別途かかることもある。

 ちなみに、OKIデータはこの問題を改善するため、2011年11月に発表した新機種「COREFIDO C841dn/C811dn」から、ユーザーが交換可能なメンテナンス品(定着器ユニット、ベルトユニット、給紙ローラセット)まで含めた5年間無償保証サービスを始めている。内部構造をシンプルにし、ボディの耐久性を高めつつ、ユーザーでもメンテナンス品を交換しやすくすることで、サポート範囲の拡充を実現しているのは見逃せない。

tm_1111_str_04.jpg OKIデータの「COREFIDO C841dn/C811dn」では、ユーザーが交換可能なメンテナンス品(定着器ユニット、ベルトユニット、給紙ローラセット)まで含めた5年間無償保証を提供している

「保証期間が短い=トータルコストが高い」とは限らない

 一方、長期間の無償保証や高耐久をアピールしていなくても、充実した保守・サポート体制を提供しているメーカーもある。

 例えばキヤノンの「Satera」シリーズの場合、標準の無償保証期間は1年間だが、だからといって製品の耐久性が低いわけではない。同社は充実した保守サービスを用意しており、印刷ボリュームや予算に応じて最適なサービスを選択することで、前述した高耐久をうたうモデルのような運用が可能だ。

 具体的には、修理時の訪問料/技術料/修理に必要な部品代などが1パッケージになっており、保証期間を3年/4年/5年から選択できる「キヤノン・サービス・パック」(CSP)という保守サービスがある。また、1年ごとの契約になるが、CSPでは含まれない特殊部品の料金までが含まれていたり、遠隔監視システムの「ネットアイ」が無料で利用できたりと、さらにサポート内容が充実した「キヤノン・ケア・ギャランティ」(CCG)というサービスも提供されている。

 これらは有償でのサービスになるが、部品代に加えて訪問料や技術料も含めたパッケージなので、予期せぬ部品交換などで出費がかさむようなことはなく、利用環境に適したメニューを選ぶことで、トータルでのコストを管理しやすいだろう。

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