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» 2011年12月13日 18時45分 UPDATE

孤高のAndoridタブレット:“2画面”タッチパネルの使い勝手は?――「Sony Tablet P」徹底検証(中編) (1/2)

「Sony Tablet P」は2画面という挑戦をしたため、開発に並々ならぬ苦労があったと聞く。その苦労が製品でどうカタチになったのか、液晶の品質とタッチパネルの使い勝手をチェックする。

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

←・イロモノかホンモノか:“2画面”Androidタブレットの基礎体力は?――「Sony Tablet P」徹底検証(前編)

・→汎用性と独自性のはざまで:“2画面”アプリは実用に足るか?――「Sony Tablet P」徹底検証(後編)

2画面の液晶とタッチパネルに迫る

 ソニーの「Sony Tablet P」は、2画面折りたたみボディがユニークなAndroidタブレット。9.4型ワイド液晶を搭載した偏重心デザインの「Sony Tablet S」が主に屋内での利用を想定しているのに対して、積極的にモバイルで活用することを前提に細部まで作り込まれているのが特徴だ。

折りたたみボディに5.5型ワイド液晶を2枚搭載した「Sony Tablet P」

 先に掲載したレビューの前編では、ボディデザイン、携帯性、バッテリー駆動時間、基本スペックとパフォーマンス、インタフェース類をまとめてチェックした。中編となる今回は液晶ディスプレイの表示品質や、ソフトウェアキーボードも含めたタッチパネルの使い勝手を調べていこう。

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5.5型ワイド液晶ディスプレイ2画面の表示品質は?

1024×480ドット表示の5.5型ワイド液晶を2枚搭載し、合計では1024×960ドット表示となる

 「Sony Tablet P」は、1024×480ドット表示(アスペクト比16:7.5)の5.5型ワイド液晶ディスプレイを2枚搭載しており、解像度の合計は1024×960ドット(16:15)だ。液晶は2枚だが、OS側からは解像度1024×960ドットの1枚の液晶ディスプレイとして認識されている。縦位置表示に対応するアプリでは、時計回りに90度回転すると、自動的に表示方向が縦位置に切り替わり、960×1024ドット表示となる。

 Androidタブレットでは10型クラスで1280×800ドット(16:10)程度、7型クラスで1024×600ドット(16:9.375)程度の解像度が多い中、この解像度とアスペクト比は珍しい。解像度は前者に比べて90%、後者に比べて150%を確保しており、コンパクトボディでこの高解像度はありがたい。

 液晶のドットピッチはやや狭いが、本体を両手で持って見るような距離では表示が細かすぎることはなく、むしろさまざまなコンテンツで精細感を得られるのが好印象だ。縦解像度が高いのは、特にWebブラウズで重宝する。筆者の視力はコンタクトレンズを装着して1.0程度だが、PC USERのトップページを表示した場合に拡大せずに読み進められた。

 5.5型ワイド液晶ディスプレイ1枚の表示領域は横126×縦59ミリ、対角139ミリだ。液晶ディスプレイ周辺のデザインはSony Tablet Sと同様、画面とフレーム部分の継ぎ目がないフルフラットな光沢仕上げとなっている。

 ソニーはこの2画面・高解像度の液晶に最適化したアプリを複数用意しているが、一般的なAndroidアプリではこの解像度向けに作られていないため、アプリに応じて1画面表示か2画面表示かを切り替えながら使うことになる。

 2画面の間は約9ミリ空いており、Webブラウズなどで画面間のすき間はほとんど気にならないが、画面と画面の間に押したいボタンやダイアログが表示されてしまうようなシーンでは少々操作しづらい。アプリによっては2画面表示にすると、メインのコンテンツが分断されて見にくくなるため、1画面で使うことになるだろう(アプリについてはレビュー後編で紹介する予定)。

横方向の解像度が1024ドットあるため、多くのWebページは横スクロールなしで全体を表示できる(写真=左)。表示は細かいが、よほど小さな文字でなければ、この状態で拡大せずにWebページを閲覧できるサイズといえる。縦解像度が高いため、情報の一覧性も高い。2画面に最適化されたソニー独自アプリの例。「ミュージックプレーヤー」(写真=中央)と「ビデオプレーヤー」(写真=右)

 独自の高画質化技術を用いた「TruBlack」(トゥルーブラック)液晶ディスプレイを採用しているのも見逃せない。これはSony Tabletや同社のデジタルフォトフレーム、デジタルカメラに搭載されているもので、液晶ディスプレイのフロントパネルと液晶モジュールの間に空いているすき間(エアギャップ)を屈折率の高い樹脂などで満たし、外光の映り込みや輝度のロスを抑え、コントラストや視認性の向上を図っている。

 実際の見た目は、高輝度でコントラストも高い。Sony Tablet Sは色温度がやや低めに見えたが、こちらは色温度が少し高く、白がスッキリした表示で、発色も不満がない。この手の携帯端末としては、映像コンテンツの見栄えもなかなかのものだ。

Sony Tablet Pは180度開いた状態でないと、2画面を違った角度から見ることになるため、視野角や映り込みがほかのタブレットより少し気になるかもしれない

 Sony Tablet Sに見劣りするのは視野角で、上下にチルト角度がつくと、表示がほんの少し黄色っぽくなってコントラストがやや低下する。左右の視野角は上下より広く、正面近くから画面を見たり、2人で並んで画面を少し斜めから見るくらいならば気にならないだろう。

 液晶パネルの駆動方式はSony Tablet SがIPSなのに対して、Sony Tablet PはVAとのこと。最近のテレビや液晶ディスプレイではマルチドメイン構造で広視野角なVAパネルも多いが、Sony Tablet Pの液晶は最近のVAにしては視野角が少し狭い印象を受けた。

 画面の映り込みについては、光沢パネルにしてはまずまず抑えられているが、アンチグレアやハーフグレアの液晶ディスプレイほどではない。暗い表示で鏡のように照明やユーザーの顔が映り込んでしまうことはないが、少し輪郭がぼやけて映り込む程度の違いだ。また、2面の光沢パネルには指紋が付着しやすい。

 もっとも、映り込みや指紋の付着についてはほかのタブレット全般にもいえる課題なので、Sony Tablet Pが劣る部分ではない。2画面の液晶ディスプレイはSony Tablet Pでかなりコストをかけている部分だけあって、総じて表示環境は良好といえる。

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