「Metroスタイル」と呼ばれるアプリや「タイルがいっぱい並んだスタート画面」が印象的なWindows 8 DPだが、これ以外にも、特徴的なUIとして「Charm」(チャーム)と呼ばれるメニューシステムを挙げておきたい。Charmとは、Windows 8 DPのどの状態からでも呼び出せる「共用メニュー」とでもいえる機能だ。ある意味で、従来の「スタートボタン」に相当するといってもいい。
Charmは「タッチスクリーン操作」と「キーボード+マウス操作」で呼び出す操作とでUIデザインが異なる。タッチスクリーンの場合は「画面右端から中央に向かってフリックする」とCharmメニューが「右端」から出現する。一方、マウス操作の場合、マウスカーソルを左端に持っていくと、Charmメニューが「左下」に出現する。これはデスクトップ画面でも同様で、左下にあるWindowsアイコンを押さずにマウスカーソルをしばらく放置していると、その場所にCharmメニューが出現する。キーボードから呼び出す方法もあるが、これは「Windows 8 DPで利用できるキーボードショートカット」として次回紹介しよう。
Charmには、「Settings」「Devices」「Share」「Search」という4種類のメニューと「Windows」マークが記載されたボタンがある。それぞれのメニューを選ぶと、画面右側に選んだメニューに該当したCharmメニューが出現する。
Windowsマークはスタート画面へ戻ることができる。例えば、Metroスタイルアプリを実行中にWindowsマークを選ぶと、スタート画面に戻る。「Settings」はWindowsの各種設定やシャットダウンと再起動を行うメニューを用意する。「Search」は、デフォルトでアプリの検索メニューになっており、ここで一覧に表示されたアプリを選んで実行できる。ファイル検索も可能なほか、スタート画面でキーボードから文字入力を行うとCharmの「Search」メニューが呼び出せる。
その一方で「Share」メニューは、デフォルト状態で何も設定していないため、スタート画面で開いても何も表示されず、何をするメニューなのか分からない。しかし、アプリから「Share」を開いてみれば、その用途がすぐに理解できるだろう。
例えば、Internet Explorer上でCharmから「Share」を開くと、「Socialite」(Facebookアプリの一種)と「Tweet@rama」(Twitterアプリの一種)という2つのアプリが選択できるようになっている。Internet Explorerで現在表示しているWebページをこれらSNSツールで「共有」(Share)するためのメニューというわけだ。Windows Phone 7でSNS統合を進めているMicrosoftが、Windows 8でも同様の仕組みを導入しようとしている。
このように、どのアプリでCharmを開くかによって、そこから呼び出すShareの動作も異なってくる。Charmとは、MetroスタイルのアプリとOSで、システムメニューを呼び出すための共通の仕組みといえるかもしれない。
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