以上、NT1のスペックや使い勝手を紹介してきた。基本的にはPCなのでここはおなじみのベンチマークソフトを回してパフォーマンスをチェックした。いつもと違う点としては、PCプラットフォームとは言えども低価格ノート向けのプラットフォームであること、解像度が1280×800ドット表示で各ベンチマークを走らせていること、それ以上の解像度が必要なベンチマークソフトやベンチマークのモードは計測不可としていることだ。
計測したのはPCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageである。なお、内蔵グラフィックスのRadeon HD6250はDirectX 11世代のはずだが、3D Mark11はエラーが出て計測できなかった。
まずはWindows7のエクスペリエンスインデックスから見てみよう。最近ではめずらしい低いスコアが並んでいる。各スコアだがCPUのスコアが2.8、メモリーが4.9、いちばん高いスコアがSSDであるハードディスクの5.9、Windows Aeroのデスクトップパフォーマンスが4.1、3Dグラフィックスが5.5となった。ただ、グラフィックスとSSDが通常のPC並みのスコアなので、デスクトップの動きはもっさりとはしておらず不満は感じなかった。
ただ、WebブラウザでFlashやSilverlightを含んだ複数ページをタブで開いた状態にすると途端に動きが重くなる。この辺の処理はさすがにこのクラスのCPUでは厳しいようだ。1〜2個のアプリを同時起動している程度なら動作的に不満はないだろうと思われる。
次に各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。HDD関連のスコア以外は、やはり総じて低い。このレベルのCPUとプラットフォームに高性能を期待するのはやはり難しいといわざるを得ないだろう。なお、試しに走らせてみたFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3は、内蔵グラフィックスであるRadeon HD6250のおかげでLow設定なら何とか動く程度だった。
また、持ち運ぶことを前提としているのでバッテリーの持続時間を計測するためにBBench(海人氏作)を用いてバッテリーが5%以下になって休止状態になるまでの時間を計測した。Windowsの電源オプションで「高パフォーマンス」「バランス」「省電力」の設定にした状態でキー入力とWeb巡回を有効にして計測している。
その結果、高パフォーマンスでは約2.6時間、バランスでは3.16時間、省電力では3.31時間になった。計測の設定は画面を消したり本体をサスペンドさせない連続利用時間だが、最長で約3時間と少しというのはやや短い気がする。サスペンドやディスプレイの設定でもっと伸ばすことが可能かもしれないが、ACアダプタは一緒に持ち歩いたほうがよさそうだ。
NT1はWindowsPCとしてのパフォーマンスは低いものの、Webを見たり、メールのチェック、各種Webサービス(Evernoteやビジネス向けクラウド)を使うといった程度なら余裕で対応できる。また、Windows 7が動くPCなので、AndroidやiPad2よりはるかに強力にメインPCとの連携が行える。データのやり取りもネットワーク経由や各種メディア、USBストレージを使って楽にできる。
いまからタブレットをいじろうと思っているPC好きのユーザーであれば、本製品から入って行くことをオススメしたい。特にPCから離れられないという筆者のような“オールドタイプ”にはうってつけの製品だと思う。
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