1月に“イマイタ”レビューで取り上げた「GeForce GTX 560 Ti」は、NVIDIAが「GeForce 8800 GTの再来をねらう」と訴求したGPUで、従来モデルのGeForce GTX 460からSM数が1つ増えたことに合わせて、CUDAコア数が384基、テクスチャユニット数が64基と増加している。動作クロックも、コアクロックが823MHz、メモリクロックは1GHzに引き上げられたが、多くのパーツベンダーはオーバークロックモデルを最初から投入した。
性能評価でも、MSIの「N560GTX-Ti Twin Frozr II OC」(コアクロックが880MHz、グラフィックスメモリが1050MHz)とZOTACの「ZOTAC GeForce GTX 560 TI OC 1GB DDR5」(コアクロックが850MHz)を取り上げ、GeForce GTX 470とGeForce GTX 460(コアのみ710MHzにクロックアップ)、そしてRadeon HD 6850(コアが860MHz、グラフィックスメモリが1100MHzにそれぞれクロックアップ)と比較した。
3DMark系のベンチマークテストでは、上位モデルとなる定格設定のGeForce GTX 470を上回るスコアを見せ、ゲームタイトルによるベンチマークテストでも、GeForce GTX 560 TiはGeForce GTX 470をやや上まわった。また、消費電力を見ていくと、アイドル状態に関してはGeForce GTX 460やRadeon HD 6850に対してほぼ同じ、ピーク時では、GeForce GTX 460に対して大幅にアップしており、GeForce GTX 470よりやや低いというレベルだった。
3月8日掲載のレビューでは、Radeon HD 6000シリーズのデュアルGPUモデル「Radeon HD 6990」の性能をチェックした。1枚のグラフィックスカードにRadeon HD 6900シリーズで採用した“Cayman”GPUを2基実装するRadeon HD 6990は、動作クロックがコアで830MHz、グラフィックスメモリのDDR転送レートで5Gbps相当と、Radeon HD 6950より高くRadeon HD 6970より低く設定したものの、GPU2基でトータルのSIMDエンジン数は48基、ROPユニットも合計192基となる。
同じデュアルGPU構成のRadeon HD 5970と、シングルGPU構成カードで当時の最上位モデルになるRadeon HD 6970、そして、Radeon HD 6950のCrossFireXと比較したベンチマークテストの結果では、Radeon HD 6990のパフォーマンスは「Radeon HD 6950の2枚構成によるCrossFireXよりわずかに上を行くあたり」となった。ただ、ゲームタイトルを使ったベンチマークテストでは、Radeon HD 6950のCrossFireXとRadeon HD 6990の差が比較的大きくなる傾向がみられ、バイオハザード5では、マルチGPUの効果が確認できなかった。
気になる消費電力において、Radeon HD 6990のピーク時消費電力は、比較した中で最も高い478ワットとなったが、アイドル時消費電力は、測定した中で2番目に低く、Radeon HD 6970からは20ワットほど高い値で、Radeon HD 6950のCrossFireX構成と変わらないなど、改善された面もみられた。
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