スマートフォン市場で大きく出遅れているIntelだが、こうした状況の打開を目指して、現在市場投入を目指しているのが「Medfield」という、Atomシリーズとしては初の32ナノメートルプロセスルールを採用したSoC(System on Chip)だ。基調講演には、Lenovo モバイルインターネット&デジタルホーム部門担当プレジデント 兼 シニアバイスプレジデントのリュウ・シュン氏が登場し、Medfieldを採用した初のスマートフォン「K800」を公開した。K800を出荷するのは中国市場で、通信キャリアはChina Unicom向けになるという。
さらに、オッテリーニ氏は、IntelがデザインしたMedfield搭載スマートフォンのリファレンスデバイスを発表し、そのパフォーマンスと電力消費効率を訴求した。示されたベンチマークテストの結果を見る限り、Medfieldの性能は悪くない。だが、実際に搭載製品が登場したとき、どれだけのパフォーマンスを発揮し、バッテリーはどのぐらい持つのかを、改めて検証する必要があるだろう。
Intelが基調講演で用意していたサプライズはこれだけでなかった。会場に米Motorola Mobility会長 兼 CEOのサンジェイ・ジャ氏が登場し、IntelとMotorolaの提携を発表した。今回の提携は複数年契約で、IntelのCPUを搭載したスマートフォンやタブレットデバイスを市場投入していく計画だという。
その計画では、Medfield(Atom Z2460)を搭載したスマートフォンを2012年後半に市場へ投入し、その後も継続的にIntelのCPUを採用した製品の開発を進めていくという。Intelは、2011年9月にGoogleとの提携でAndroid OSのx86プラットフォームに対する迅速なポーティングを発表しているが、こうした成果がMotorolaの開発するAndroidスマートフォンとタブレットデバイスに生かされることになるとみられる。
なお、Motorola MobilityはGoogleによって買収されており、現在、その合併実現に向けた各国調整機関と交渉を進めている段階だ。今回のMotorolaとの提携もまた、Googleとの提携交渉の一環とみられる。
オッテリーニ氏は、タブレットデバイスでも新型Atomを搭載したリファレンスデザインを公開した。こちらではWindows 8 が動作しており、Windows 8時代においてもAtomが引き続き現役であり、必要十分なパフォーマンスを提供できることを示した。
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