“萌え絵の達人”にエンタメ液晶「FORIS FS2332」はどう映ったか?あなたのイラストにもEIZO品質を(2/2 ページ)

» 2012年01月19日 10時00分 公開
[ITmedia]
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refeia氏が評価するFORIS FS2332の実力は?

 実際にFORIS FS2332をしばらくrefeia氏に使い込んでもらい、感想を聞いたところ、第一声は「おすすめしやすいですね」とのことだった。前述した液晶ディスプレイ選びのポイントに当てはめてみると、なるほどFORIS FS2332はなかなか健闘している。

 まずは視野角だが、FORIS FS2332は広視野角なIPS方式の23型フルHD液晶パネルを採用している。refeia氏の作業環境では、手元のスペースが液晶ペンタブレットに占有されるため、アームを使って少し高い位置に液晶ディスプレイを設置しており、作業中は上下の視点移動が発生するが、FORIS FS2332は視野角が広く表示も安定していることから、視点移動で色味が変わって見えるようなことはなく、手元で描いた絵を正しくチェックできたという。安価なTN方式の液晶ディスプレイとは一線を画する部分だ。

 次に色の再現性だが、FORIS FS2332は用途別の画質モードとして「FineContrast」機能を備えており、その中にしっかり「sRGB」モードを用意している。これを選ぶだけでガンマが2.2、色温度が6500Kに固定され、表示が汎用性の高いsRGB基準にグッと近づく。表示色域や階調の連なり(ガンマカーブ)に癖がないため、カラーキャリブレーションや特別な設定をしなくても、手軽にコンテンツ制作に適した色味にセットすることが可能だ。カラーマネジメントについて詳しい知識がなくても、これを選ぶだけでOKという簡便さは見逃せない。また、カードリモコンが付属しているので、ディスプレイ本体のボタンをプチプチ押す必要はなく、手元で快適にモードを切り替えられる。

refeia氏のディスプレイ配置では、作業中に上下の視点変更が頻繁に発生するため、FORIS FS2332の広視野角が生かされる(写真=左)。液晶ペンタブレットは表面がグレア仕様で外光が反射しやすく、色もあっさりと表示されるので、sRGB色域を再現できる液晶ディスプレイでのチェックは欠かせない(写真=右)。ちなみに、これらのイラストは「疾走れ、撃て! 2」(MF文庫J)に使われたものだ

 さらに、EIZOダイレクトにて低価格でセット購入できるカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」を使えば、プリント用紙との色合わせも容易だ。この低価格帯で輝度、色温度、色再現域(広色域モデル限定の機能)、ガンマを指定し、表示階調の劣化を伴わないハードウェアキャリブレーションが行えるのは、クリエイティブ用途でのアドバンテージといえる。そもそも、FORIS FS2332は約10億6433万色中/10ビットLUTから最適な約1677万色/8ビットのフルカラーを選び出して表示する仕様なので、グラデーションの表示も滑らかだ。

 refeia氏によると、EIZO EasyPIXはi1シリーズでのカラーキャリブレーションに比べて操作画面が簡単で分かりやすく、調整にかかるスピードも速かったうえ、ハードウェアキャリブレーションでトーンジャンプの心配をしなくていいのが好印象とのこと。また、低価格のキットながら室内光を計測でき、室内光に照らされた印刷物の見え方と画面表示を合わせられる点も有用という。

 もっとも、refeia氏は自分の仕事場でカラーイラストを印刷することがほとんどなく、画面上での作業で完結できるため、プリントとのカラーマッチングを行う機会は少ないそうだ。「EIZO EasyPIXなしでもFORIS FS2332自体はよく調整されていて、sRGBモードではsRGB規格に近い色域になるため、sRGBモードを使うだけでも十分使えます」との感想だった。

EIZO EasyPIXは、測色器(キャリブレーター)とキャリブレーションソフトをセットにしたパッケージ製品。写真鑑賞やWeb閲覧などの用途に合わせて、発色を最適化できる(写真=左)。refeia氏が制作した同人誌と画面表示を見比べると、かなり近い色味が再現できていることが分かる(写真=右)

 液晶ディスプレイの表面処理についてだが、FORIS FS2332は非光沢のアンチグレア仕上げを採用している。その表面をrefeia氏が確認したところ、普段使っている27型ワイド液晶ディスプレイは制作のメインにするには少々つらいぎらつきがあるのに対し、FORIS FS2332はアンチグレアの処理がよくできていて、アンチグレア処理の影響によるぎらつきはほとんどないため、「これならば使っていて問題ないレベル」との評価だ。



左上から右下へ、前述のイラストがラフから完成に至るまでの流れ。ラフや線画の状態から色塗りまで、作業はフルデジタルで行われる。一番右下は表紙イラストの表情違いだ

イラストの構図は当初3パターン考えたが、最もスタンダードな2番を採用した(写真=左)。イラストを描いているときは、全体のバランスがおかしくないか判断するため、しばしば表示を左右反転させてチェックする(写真=中央)。Photoshop CS4上でアナログっぽい質感が出るようにカスタマイズしたブラシツールを使い、下絵から同一ソフトで作業を進める(写真=右)

 以上はrefeia氏がイラストを描くうえで重視している部分だが、もう1つFORIS FS2332に大きな魅力を感じるのは“汎用性の高さ”という。具体的には、23型フルHDという使いやすい画面サイズと解像度、EIZOらしいしっかりしたボディながら省スペースで軽いこと、各種設定がスピーディに行えるリモコンが付属すること、2系統のHDMI入力(計4系統入力)、ゲームや動画鑑賞に最適化したモード(Smart Resolution)、電子書籍向けのPaperモードなど、イラスト用途を中心として、多目的に活用できることだ。

ゲームや動画鑑賞に最適化した超解像技術「Smart Resolution」は、映像コンテンツ面での大きなウリとなっている(写真=左)。映像入力は2系統のHDMIを含め、計4系統と豊富だ(写真=中央)。付属のカードリモコンは薄型軽量で、未使用時にはフットスタンドの上に置いておける(写真=右)

 最後にrefeia氏は、FORIS FS2332のインプレッションを「普段はアグレッシブにエンターテインメント用途の表示を向上させていますが、sRGBモードにするだけで一気に表示が(PCディスプレイとして)中立的になり、鑑賞用ディスプレイが制作用ディスプレイに一変するのが便利ですね。学生や新社会人の方など、できるだけミニマルに制作環境を整えつつ、コンテンツを映すディスプレイは欲張りたい、といったケースでおすすめしたい1台です。単に23型フルHDの液晶ディスプレイと考えると結構高く思えるかもしれませんが、この性能と機能で全部の用途を済ませられるならば、高くないはずです」とまとめてくれた。

refeia氏は普段からPC用の液晶ディスプレイにテレビチューナーやゲーム機を接続して活用しているとのこと。「自分もそうですが、液晶ディスプレイをテレビ代わりに使う人にとってもFORIS FS2332は便利ですね」


 プロのイラストレーターにして“萌え絵の達人”も納得したFORIS FS2332の出来栄え。イラストなどのコンテンツ制作で基本性能がしっかりした液晶ディスプレイを低予算で入手したい方はもちろん、お気に入りのマンガやアニメをきれいに楽しみたい方も検討してみてはどうだろうか。

 なお、refeia氏も触れたFORIS FS2332の動画向け機能については、以下の記事で詳しく紹介しているので、併せてチェックしてほしい。

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