Let'snoteシリーズでは、軽量で長時間のバッテリー駆動が可能なモバイル重視のノートPCながら、ビジネス利用でユーザーにストレスを与えない高い性能が求められる。そのため、CPUに、TDP 35ワットクラスの高クロック動作のモデルを搭載するのは先に述べた通りだ。評価するマイレッツ倶楽部モデルプレミアムエディションで、Core i7-2640M vProを搭載するのもすでに紹介しているが、それ以外でも、システムメモリに、DDR3 1066MHzを8Gバイト実装し、データストレージでは、容量256GバイトのSSDを内蔵する。評価用機材のSSDは東芝のTHNSNC256GNSJを採用していた。
その性能を確認するために、評価機材でWindows エクスペリエンスインデックスをはじめとして、各種ベンチマークテストを測定した(電源プランは高パフォーマンスに設定)。量産前の試作機ということで、ここで、競合する製品との比較は行わないが、それでも、Ultrabookのコンセプトに準拠したノートPCのベンチマークテストの結果と比べると、多くのテスト項目で高い結果を示している。
ベンチマークテスト項目 | Let'snote SX1 | ||
---|---|---|---|
PCMark7 | PCMarks | 3390 | |
lightweight | 3591 | ||
productivity | 3086 | ||
creativity | 6006 | ||
entertainment | 2354 | ||
computation | 7930 | ||
system_storage | 4301 | ||
PCMarkVantage | PCMarks | 10304 | |
memories | 5475 | ||
TV and Movies | 4459 | ||
Gaming | 7418 | ||
Music | 13834 | ||
Communications | 11416 | ||
Productivity | 14342 | ||
HDD | 29180 | ||
CrystalDiskMark3.0 | 1000M | Seq | 224.2 |
512K | 204.4 | ||
4K | 18.63 | ||
4K QD32 | 19.2 | ||
Seq | 158.9 | ||
512K | 147 | ||
4K | 37.23 | ||
4K QD32 | 33.46 | ||
CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 6.65 | |
CPU | Multi | 2.13 | |
CPU | Single | 1.94 | |
CINEBENCH R10 | CPU | Single | 5052 |
CPU | Multi | 8132 | |
3DMarkVantage | Entry | E6840 | |
Professional | P1288 | ||
3DMark06 | 3DMarks | 2951 | |
CPU | 2833 | ||
Ultrabookというインテルが提唱するコンセプトを挙げるまでもなく、MacBook Airをきっかけとして、薄いボディを持つノートPCは、ユーザーにノートPCにおけるデザインの重要性を喚起した。モバイル利用を重視するノートPCの選択で、デザインの優先順位は今後も高くなるだろう。
しかし、実際にノートPCを使っているうちに、デザインとともに重要なのは、バッテリー駆動時間であったり、処理能力であったり、そして、不安なく持ち歩ける堅牢性であったりすることに気が付く。Let'snote SX1の薄さは、2012年のユーザーが想定するところの薄型ノートPCと比べると、依然として厚かったりするが、パナソニックの考える薄くてフラットなボディは、見た目の必要性だけでなく、カバンへの収納に適しているという実用的な必要性であり、その意味でLet'snoteSX1の本体サイズは十分にその目的を果たしている。そして、その“厚さ”は、破損の不安にさいなまされることなく携帯利用ができる堅牢性をユーザーに保証する。
高い処理性能は従来のままで、その姿が携帯利用により適したノートPCとなったLet'snote SX1は、“Ultrabook”や“スタイリッシュなボディ”という単語に惑わされることなく、本当に使えるモバイル重視のノートPCを探しているユーザーに、まずは検討してもらいたいモデルだ。
なお、Let'snote SX1、そして、同時期に登場するLet'snote NX1では、スマートフォンと連動したユーティリティを提供する予定になっている。このユーティリティは、2月以降にユーザーがダウンロードで導入することになるが、評価作業の段階ではまだ提供されていない。
そのため、ここではスマートフォン連動機能については言及せず、後日、ユーティリティを実際に利用してから、その機能や、どのようなユーザーがどのように使うと最も効果的なのかについて、改めて紹介する機会を設けたい。
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