インテル クラウドコンピューティング事業本部 エンベデッド・マーケティングの津乗学氏は、組み込み関連製品でもインテルアーキテクチャが必要とされる理由を“インテリジェント・システム”というキーワードから説明する。
津乗氏は、スマートフォンやタブレットデバイスの普及によって、クラウドに接続する端末の数が急激に増えており、2015年には150億台がクラウドに接続し、2020年には、35兆Gバイトのデータがクラウドを流れるいう、インテルがこれまでも繰り返し紹介してきた予想を挙げて、膨大なデータに埋もれてしまうのではなく、その中からいかにして有用なデータを抽出し、知識化してビジネスにつなげていくのかが重要で、データの抽出と利用に必要なのが、インテリジェント・システムだと説明する。「データに埋もれるのではなく、データから知識を抽出するためのインテリジェント・システムだ」(津乗氏)
クラウドから必要なデータを抽出して知識化する過程は進化するという。ローカルだけに存在していたデータが、デバイスがネットワークに接続することでデータが流動するようになり、流動するデータを利用してシステムが状況の分析と提案し、さらに、デバイスが搭載するセンサーや分析した結果から周囲の状況認識が可能になり、さらに、蓄積した分析結果と周囲状況の認識から、将来の予測とその予測に合わせた対策ができるようになる。
インテリジェント・システムの進化には、インテルアーキテクチャの採用によるデバイスの進化も欠かせない。インテリジェンスな処理に必要な高機能化とネットワークへの接続を維持することによるクラウドノード化によって、「デバイスがデータを生み出してデータをクラウドで処理すること」(津乗氏)が可能になる。
インテルアーキテクチャは、PC、サーバ向けとして進化する一方で、組み込み機器向けにも省電力、低コスト、省スペースの方向で進化している。その最新プラットフォームとして2011年の末から“Cedar Trail”プラットフォームに対応したAtom N2000番台とAtom D2000番台が登場した。従来モデルからCPUとグラフィックスコアの処理性能が向上し、フルHD画質のデコードが可能になり、DDR3-1066のサポート、HDMI、DisplayPort アナログRGB、LVDSの対応、そして、OSでは、Windows Linux、VxWorksをサポートするようになった。
また、組み込みデバイスに特化した2010年登場のAtom E600番台では、CPU、グラフィックスコア、メモリコントローラなどを統合したAtom本体に、入出力インタフェースやメモリインタフェースの構成などが自由にカスタマイズできるFPGAを統合し、汎用のPCI Expressで接続することで、クライアントの要望に合わせて最適なシステムが柔軟に構成できるようになったことが紹介された。
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