EA800とPCをUSBケーブルで接続すると、EA800の画面にPCとの連携メニューが表示される。初回は「Eee Note Sync and Wacom Pen Tablet ドライバー」をタップし、同期ソフト「Eee Note Sync」と「Wacom Pen Tablet ドライバー」をインストールすればよい。
それ以降は、PCとEA800でデータのやりとりをする「Eee Note Syncモード」、EA800のmicroSD/SDHCカードスロットをPCから読み書きする「SDカードリーダーモード」、EA800をPC(Windows環境)のペンタブレットとして利用する「Windows PC Digitizerモード」、EA800をPCのUSBバスパワーで充電する「Eee Noteモード」のいずれかを選択する。
EA800とPCでデータ連携する「Eee Note Syncモード」は、PC上の同期ソフト「Eee Note Sync」で操作する。EA800上のデータを選択してPCにコピー(エクスポート)したり、PC上の任意のデータをEA800にコピー(インポート)することが可能だ。EA800の手書きメモをPNG形式で、内蔵カメラで撮影した写真をJPEG形式で、録音した音声をMP3形式でPCにコピーできる。加えて、EA800の設定などをまとめてバックアップ/復元する機能や、EA800のシステム情報(内蔵ストレージの空き容量など)を確認する機能がある。
もう1つ、EA800ならではの機能が「Windows PC Digitizerモード」だろう。EA800の液晶画面をペンタブレットとして使うモードで、EA800と専用スタイラスでWindows上のマウス操作が行える。アプリケーションにもよるが、文書ファイルに手書きのコメントを加えるようなことが手軽にできるわけだ。
操作性などはWindowsのコントロールパネルでカスタマイズが可能だ。Windows 7における基本操作は、スタイラスを液晶画面から少し浮かせて動かすことでマウスカーソルの移動、液晶画面のタップで左クリック、液晶画面に触れたまま動かすことで左ドラッグとなる。液晶画面の1点を触れたままにしていると右クリックになり、そのまま動かすと右ドラッグの操作だ。最初は少し戸惑うが、慣れてしまえば普通のマウスと同じように操作できるようになる。
さらに筆圧検知に対応したグラフィックスソフトなどを使えば、筆圧の強弱で描画ラインの太さをコントロールできる。ただし、実際に使ってみた感覚では、筆圧の強弱と描画ラインの太さをリニアに対応させるのが難しかった。その辺りの微妙な精度は、ペンタブレット専用機におよばないのは仕方ない。
液晶ディスプレイがグレースケールの反射型ということもあって、Wi-Fi接続などの使い方に左右されるものの、バッテリー駆動時間が長いのはありがたい。使用時間が短ければ、1回の満充電で数日間、場合によっては1週間くらい使えるだろう。
EA800は汎用性の高いタブレットデバイスではなく、タブレット型の手書き/音声/画像メモ用デバイスだ。内蔵のWebブラウザや音楽プレーヤーなどは中途半端になってしまっているが、そこを割り切ってメモデバイスと考えれば、かなり使える。特に、直感的に手書きメモを作成でき、それを次々とストックしてEvernoteやPCと連携できるのが便利だ。
普段から多くのメモを取っている人をはじめ、プライベートライティングやマインドマップといった手書きの思考法を実践している人には、触れてみる価値のあるデバイスといえる。気になる価格だが、この性能と機能と1万9800円。これなら、手書き文書の電子化に興味があるユーザーにとって納得できる範囲ではないだろうか。
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