先週、Sandy Bridge-Eで初の4コアCPUとなる「Core i7-3820」が複数のショップに入荷した。動作クロックは3.6GHzで、TDPは130ワット。価格は2万5000円弱から2万9000円弱となる。また、通常のリテール版のほかに、1000円から2500円程度安くセット販売限定でバルク品を扱うショップもみられた。
入荷したショップの評価はまずまずの様子で、週末までにリテール版を売り切るショップが多かった。ツートップ秋葉原本店は「X79マザー向けのCPUとしては、これまで最安だったCore i7-3930Kから半額近くダウンしていますからね。4コアならSandy Bridgeで組むという手もありますが、安く上位プラットフォームで自作するという人には狙い目のCPUだと思います」と話していた。
一方、バルク品は比較的潤沢に出回っており、アキバ全体で新CPUが枯渇するといった状況にはなっていない。PC DIY SHOP FreeTは「C2ステッピングのCore i7-3930Kが登場したときもそうでしたが、最近はリテール版の供給不足をバルク品でカバーするという動きがあります。本当は単品パーツとしてはリテール版だけ出回るのがいいんですけど、それじゃ生産ペースが追いつかないということで、バルク品が求められている感じですね」と語る。
バルク品は、リテール品とハードウェアこそ同じだが、本来組み込み向けに出荷されるものなので、CPUクーラーなどの付属品はなく、メーカー保証がつかない場合が多い。そのぶん、販売価格が安くなったり、ほかのパーツとのセット販売が前提になったりする。インテル製CPUの場合、以前からリテール版にない低消費電力版やノートPC向けなどのラインアップがバルク品で出回ることがあったが、リテール品と同じ型番のモデルが頻繁に併売されるようになったのは、ここ最近のことだ。なぜ、こうした動きが増えてきたのか?
その事情について、あるベテラン店員氏は「普通だったらインテルの目が光っているので、同型番のバルク品なんてそうは出回らないんですよ。それがいまはモノが不足しているから、売り手から『ならリテール品を注文どおりに作ってくれよ』と言われると、メーカー側も強く言えなくなる。でも、完全に黙認というわけにはいかず、売り手と作り手のせめぎ合いから、バルク品は『スポット的な限定入荷』『セット販売限定』みたいなパターンがよく見られるというわけです」と解説してくれた。ほー。
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