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法人向けPC事業を大きな柱に――さらなる成長を目指す「MousePro」社長インタビュー(2/2 ページ)

» 2012年02月24日 17時30分 公開
[後藤治,ITmedia]
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サーバ製品を投入、タブレット製品「LuvPad」も法人を中心に展開

2011年1月末にリリースされたばかりの「MousePro SV100SB」シリーズ

 着実に歩を進めるMouseProだが、法人ビジネスのさらなる拡大に向けて新たな取り組みもスタートした。その1つが、200(幅)×337(奥行き)×273(高さ)ミリのコンパクトなケースに、Microsoft Windows Small Business Server 2011 Essentialsを標準搭載したサーバモデル「MousePro SV100SB」シリーズの投入だ。

 小松氏は「SOHO/中小企業においてサーバを使ってるところはまだ少ないのが現状です。NASを導入してサーバに近い機能は使われていますが、よりセキュアで使いやすい環境を提案していきたい」と狙いを語る。「ただ、この企画が上がってきたとき、個人的には『ほんとに売れるの?』『無反応だったらどうしよう』と思っていたのですが(笑)。フタを開けてみれば、おかげさまで毎日お問い合わせを頂いていますね。震災の影響かどうかは分かりませんが、小さな企業でもデータ保全という意識がめばえてきたのかもしれません」と評判は上々のようだ。

 ちなみに、同社がラインアップしているタブレット製品「LuvPad」シリーズも、AndroidとWindowsの両方で法人を中心に展開していくという。同社はこれまでタブレット製品のプロトタイプを積極的に展示会へ出展しており、顧客ニーズに沿ったモデルを模索している段階だ。小松氏によれば、近い将来、現在の10.1型モデル以外にも8型クラスなどの投入を検討しているとのことで、今後のラインアップ拡充に期待したい。

修理時間を「24時間以内」に、返金キャンペーンも展開

 以上、“波乱の2011年”に船出した「MousePro」ブランドだったが、その成否は小松社長の顔に浮かぶ自信のある笑みに現れていた。ただし、すべての取り組みに満足しているわけでもないようだ。小松氏は「この1年、MouseProで法人需要に応えられる非常に高い品質で製品を出荷できたことを誇りに思っていますが、コンシューマーも含め、サービス体勢にかんしてはまだまだ改善していく余地があるとも思っています」とつけくわえる。

 MouseProは標準で5年保証を付加するほか、リースや延長保証のメニューも用意しているが、小松氏が挙げた課題の1つは修理期間の短縮化だ。「法人用途ということでダウンタイムは可能な限り短くしていく。もし万が一トラブルが発生しても、24時間以内にお手元に修理した製品をお返しできるよう努力していきたいですね。オンサイトという方法もありますが、私たちが向き合っているのはSOHOなどのお客さまです。もう1台PCを購入できる金額でオンサイトの保証メニューを選ぶのはなかなか難しいところもありますので、基本的には修理作業にかかるスピードの短縮化をめざします」。

 また、「MousePro」1周年記念キャンペーンの1つとして、ユニークな取り組みも展開中だ。これはキャンペーン期間内(2012年3月20日まで)にMouseProブランドの対象製品を購入した法人に対し、30日間以内の返品/返金を保証するというもの。小松氏は「多くの企業ではWindows XPがまだまだ使われていますが、そこでは『Windows 7にしてこれまで使っていた環境は大丈夫なのか知りたい』という声も多いのです。そこでソフトウェアの検証も含めて、新しいMouseProを試してほしいという思いがあります」と狙いを説明する。「もともと製品に対する自負もありますし、是非、安心して使って頂きたいですね」。


 2012年はMouseProが目指す「3年構想」の2年目に入る。2011年が顧客との信頼を築く“導入”の年とするなら、2012年はいわば“展開”の年。法人ビジネスをPC事業全体の30〜40%を占める大きな柱に育てていく――MouseProが掲げた野心的な目標に向かって、今後どんな展開を見せてくれるのか楽しみだ。

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