プロカメラマンが「CP+2012」で見て聞いて触った、EIZOディスプレイの写真対応力永山昌克がカラーマッチングを実践(3/3 ページ)

» 2012年02月27日 10時00分 公開
[ITmedia]
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こだわる人のために「キャリブレーション」モードも用意

 EIZO EaxyPIXは簡単操作が大きな特徴だが、ビジネスユースや、外部のプリントサービスを使用する場合に、輝度や色温度の数値まできちんと設定して表示を調整したいと考えるユーザーも少なくないだろう。こうした一歩踏み込んだニーズにもEIZO EaxyPIXは応えてくれる。上級者向けのメニューとして、「キャリブレーション」モードも用意しているのだ。

 それでは、以下に「キャリブレーション」モードの手順を見ていこう。

使い方のメニュー画面で「キャリブレーション(上級者向け)」を選択する

輝度と色温度、色再現域、ガンマの4項目をそれぞれ設定する。ここではプリセットの「写真を見る/調整する」を選択し、「輝度:80カンデラ/平方メートル、色温度:5500K、色再現域:Adobe RGB、ガンマ:2.2」の設定で試してみる。用途に応じたプリセットの調整目標が選べるようになっているため、カラーマッチングの詳しい知識がなくても標準的な値をベースに微調整が可能というわけだ

以後の手順は「マッチング」モードとまったく同じだ。測色の画面が表示されたら、センサーを設置して調整をスタートする。もちろん、調整は数分で終り、その間にユーザーはただ待っていればいい

調整結果は目標に対して輝度が1.3カンデラ/平方メートルの誤差、色温度が20Kの誤差と、かなり正確な値が得られた。これならば、調整された値をしっかり確認して使いたいという上級者も納得できるはず。測色が済んだら「調整名」を入力し、「適用して終了」を選ぶ

完了するとメインウィンドウに戻る。なお、調整結果は3パターンまで保存でき、用途に応じて素早く切り替えられる。好みの設定や写真用紙を登録しておくと便利だ

キャリブレーションモードの場合も、後から目分量で微調整が可能。数値で合わせた後、ほんの少し赤みが欲しいなど、細かなニーズにも対応できる

こうして、目標値を指定したうえで、ディスプレイとプリントの色をきっちりと合わせることができた

 このように「キャリブレーション」モードも、上級者向けとはいいながら、特に難しいことなどなく、サクサクと作業を進められる。シンプルな画面と操作性で、素早く調整が行えるのは非常に快適だ。しかも調整前の目標値と調整結果の数値を見て納得できるので、目視だけで白色をそろえるより安心感がある。

 なお、液晶ディスプレイの色や明るさは、使用するにしたがって徐々に変化するため、定期的に再調整する必要があるが、EIZO EasyPIXならばこの作業も大きな負担にはならない。タイマー機能を利用すれば、調整してから一定時間(推奨は100時間)が経過した後に、通知メッセージを表示することもできる。定期的なメンテナンスまで考慮した親切な設計だ。

進化したデジカメにうってつけのEIZOディスプレイ+カラーマッチングツール

 今回使ったFlexScan SX2462W-HXは、写真の色にこだわってプリントを楽しみたい人にとって最高クラスの表示環境を提供してくれるだろう。Adobe RGBカバー率98%の広色域や、24.1型WUXGAのIPSパネルといったハイスペックに加え、縦位置表示ができ、利便性が高く細かなカスタマイズにも対応したカラーマッチング環境まで整っている。まさに至れり尽くせりの内容だ。

 これがプロ向けのColorEdgeシリーズではなく、一般向けの製品で実現できているのだから、デジカメの進化とともに、撮影データを扱うディスプレイ+カラーマッチングツールも着実に進化しているといえる。

 写真好きならば、カラーマッチングの作業に時間をかけるより、撮影や作品作りにより多くの時間を割いたほうが有意義なことは間違いない。FlexScan SX2462W-HXとEIZO EasyPIXの組み合わせは、低予算ながら面倒なカラーマッチングにかける手間が大きく削減でき、作業効率の向上が図れる。つまりそれは、写真の腕に磨きをかけたり、納得できるまで作品を作り込むのに、より多くの時間が使えるということだ。

 例えば、レンズをはじめ、カメラの周辺機器を買い足すか迷う前に、ディスプレイとカラーマッチング環境に投資したほうが、写真という趣味をより充実させられるかもしれない。EIZOディスプレイとEIZO EasyPIXの組み合わせには、それだけの確かな実力があることを今回使ってみて実感できた。

永山昌克 フリーランスのフォトグラファー。撮影のほか、カメラ雑誌、PC雑誌、Webニュースサイトなどの幅広いジャンルの媒体で、デジタルカメラやフォトレタッチ関連の記事を精力的に執筆している

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年3月31日