新しいiPadが“ポストPC”時代のライフスタイルを広げる林信行の発売直前レビュー(2/3 ページ)

» 2012年03月15日 10時00分 公開
[林信行,ITmedia]

高画素のカメラと高画素ディスプレイの一体化という新体験

下が新しいiPad。5枚構成のレンズを採用した

 新しいiPadで向上したのは画面表示の質だけではない。カメラの解像度も大幅に向上している。iPad 2ではカメラの画素数は公表されなかったが、動画撮影機能は720p画質(1280×720ドット)程度。おまけにレンズの性能も低く、とりあえず撮影できるという程度のカメラだった。

 これに対して、新しいiPadのカメラは500万画素、動画撮影時は1080p対応(1920×1080ドット)なのに加えて、iPhone 4Sで高い評価を得ているF2.4の開口部を持つ5枚構成の明るいレンズを採用した。ディティールの描き込みも、暗い所での撮像も格段にきれいになった。

新型iPad(写真=左)とiPad 2(写真=右)の比較。iPad 2では顔などの細部が潰れているのが分かる(モデルさんは1000本以上のスマートフォンアプリを試しているアプリソムリエの3人で、左から長谷川麻衣さん、tomoさん、石井寛子さん)

新型iPad(写真=左)とiPad 2(写真=右)の比較(撮影協力:平河町ライブラリー

新型iPad(写真=左)とiPad 2(写真=右)の比較。

新型iPad(写真=左)とiPad 2(写真=右)の比較。暗所での撮影はさらに差が広がる

 しかし、それ以上に画期的なのはフルハイビジョンでの動画撮影かもしれない。これまでにもデジタルカメラなどでフルハイビジョン撮影できるものはあったが、そのままフルハイビジョン画質で映像を確認できるものはなかったはずだ。

 そもそも、民生用の液晶でフルハイビジョン画質に対応しているのは画面サイズの大きいテレビくらいで、それより小さなスクリーンでは、もう少し解像度が落ちるのは当たり前だ。業務用ディスプレイでは小さくてフルハイビジョンのものもあるが、新iPadほど薄いものはない。ハイビジョンに対応したビデオカメラで、あれだけ薄いディスプレイがついた製品はこれまでなかったろう。

 なお、iPadでフルハイビジョン撮影をしている時、画面上では実際に何ドット×何ドットで表示されているのかをスクリーンショットを撮って計測してみたところ、画面一杯に映像を表示できるように2047×1152ドットほどで表示していることが分かった(このためドット単位での正確な画像の確認はできないが、これが4万円強で買える家電製品のカメラと考えると、それでもぜいたく過ぎるスペックだ)。

新しいiPadで撮影した動画サンプル。動画の画質でも圧倒的な差がある。なお、新iPadでは手ブレ補正機能がついたためか、動画の画角はiPad 2に比べてやや狭くなっている
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比較用にiPad 2で撮影した動画サンプル
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 新しいiPadでは、単にこのフルハイビジョンカメラで撮影するだけでなく、撮影した映像を、そのまま同じスクリーン上で、見るも楽しいハリウッド風(あるいはインド映画風)予告編映像に編集したり、それっぽいニュースクリップの映像に仕立てることもでき、さらにそのままYouTubeやVimeoなどの動画サイトを使って共有することもできる。これは、非常に画期的なことだ。

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