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» 2012年04月08日 00時00分 UPDATE

イマドキのイタモノ:「Intel Z77 Express」でSandy Bridgeを動かすと速くなる?

ようやく正式発表のIntel Z77 Expressチップセット。搭載マザーの出荷も始まる。ベンダーは「Sandy Bridgeでも速く動きますよ」というが、果たして?

[石川ひさよし,ITmedia]

チップセットネイティブになったUSB 3.0の性能は?

 “イマイタ”レビューでは、Intel Z77 Expressチップセット搭載マザーボードとして、すでにGIGABYTEの「GA-Z77X-UD5H」「GA-Z77M-D3H」を取り上げて、マザーボードに用意した機能やオンボードのコントローラを紹介している。ここでは、インテルの正式発表をうけて、現在入手できる“Sandy Bridge”世代のCPUを搭載した場合のパフォーマンスと、チップセットに統合したUSB 3.0コントローラの性能を確認したい。

kn_z77sb_01.jpgkn_z77sb_02.jpg 「GA-Z77X-UD5H」(写真=左)と「GA-Z77M-D3H」(写真=右)は、すでに2012 International CESやCeBIT 2012、そして、日本で行われた説明会で、繰り返し紹介されてた、Intel Z77 Expressチップセットを搭載した次世代メインストリーム向けマザーボードだ。正式発表といわれても、「え、まだだったの!」という反応が多いのも当然といえば当然

kn_z77sb_18.jpgkn_z77sb_19.jpg デバイスマネージャーから見たGA-Z77M-D3Hのハードウェア構成。チップセットがIntel 7 Series/C216、USBコントローラにはインテルUSB 3.0ホストコントローラと確認できる

 デバイスマネージャーでも確認できる“インテルUSB 3.0コントローラ”はどの程度の性能なのだろうか。USB 3.0にIntel SSD 510を組み合わせてその転送速度を測定してみた。標準的と言えるRenesas USB 3.0チップとの比較になるが、その速度は、全体的にインテルUSB 3.0コントローラが高速だ。特に書き込み性能は30Mバイト/秒近く速いという結果が出た。そのほかにも、ベンチマークテストの3DMark VantageとPCMark 7で性能を比較してみた。

kn_z77sb_20.jpgkn_z77sb_21.jpg 左がGA-Z77M-D3Hで測定したCrystalDiskMarkのスコアで、右がMSI Z68A-GD80(G3)のRenesasチップのスコアだ

kn_z77sb_23.jpgkn_z77sb_22.jpg 3DMark Vantageで測定したGA-Z77M-D3H(写真=左)とMSI Z68A-GD80(G3)(写真=右)のスコアは、「P2299 対 P2294」となった

kn_z77sb_24.jpgkn_z77sb_25.jpg PCMArk 7で測定したGA-Z77M-D3H(写真=左)とMSI Z68A-GD80(G3)(写真=右)のスコアは、「4621 対 4470」となった

 3DMark Vantageは、Intel Z77 ExpressがP2299、Intel Z68 ExpressがP2294でほぼ互角だ。一方、PCMark 7では、Intel Z77 Expressが4621、Intel Z68 Expressが4470となった。こちらはIntel Z77 Expressのスコアが勝っているが、その主な要因となっているのがSystem storage scoreだ。全体的にほかのスコアもIntel Z77 Expressが上回っているが、ことストレージ関連テストでは2000ポイントの差が開いている。

 なお、ストレージ性能をより細かく調べるため、Sandraを用いて検証してみたが、こちらは差が出なかった。開発段階ゆえに若干の不安定さが残っているいう可能性も大きい。チューニングで多少の差が出るものの、チップセットというものが、PCの性能で重要度を低下させている現状、本来、性能差はほとんどないと見ていいだろう。

結果の差は出たけれど、それは安定していないから?

 ベンチマークテストの結果で、わずかながら、そして条件つきながら差が出た。PCMark 7ではIntel Z77 Expressが良好というものだった。この差が生じる理由としてマザーボードベンダーは、チップセットの影響より、基板設計(回路やスイッチチップの最適化)を挙げているが、それも、どの程度影響しているのかというと、不明というしかない。

 Intel 7シリーズチップセットでは、USB 3.0のコントローラがチップセットに統合されたことが大きな機能の進化として訴求されているが、マザーボードの機能紹介で述べたように、すでに多くのマザーボードが、USB 3.0の専用コントローラを実装している現状で、チップセットにUSB 3.0コントローラを統合してもユーザーとしてはその変化に気が付かないぐらいだろう。

 そして、やはり繰り返しになってしまうが、このチップセットで一番重要なのは、インテルの“次世代”CPUを正式にサポートする点だ。特に、統合するグラフィックスコアの性能向上については、インテルもことあるごとに訴えるほどで、ユーザーにも期待する声が多い。CeBIT 2012でインテルは、Intel 6シリーズチップセット搭載マザーボードでもIvy Bridge世代のCPUが動作することを明らかにしているが、追加された機能がその環境で使えるかについては未知数のままだ。

 CPUをSandy Bridge世代から当分(2013年にインテルが投入を予定している、さらに次のアーキテクチャを採用するCPUが登場するまで)変えないユーザーなら、マザーボードの代替えは必要ないかもしれない。しかし、Ivy Bridge世代のCPUを導入することを考えているなら、今すぐに入手してもいいだろう。購入予算がCPUの購入と分散できるので、家族の風当たりを少しでもかわせるという、本筋から外れたメリットも期待できる、かもしれない。

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