dynabook R731で「ベン・ハー」と「サーモグラフィ」を眺めた勝手に連載「R731」(3)(1/2 ページ)

» 2012年04月13日 20時30分 公開
[後藤治,ITmedia]
dynabook R731(全部入りモデル)。重量約1.44キロの薄型ボディにBlu-ray Discドライブまで搭載する高機能モバイルノートPCだ。取材用のマシンに活躍している

 極私的な欲求により、ハイエンドモバイルノートPC「dynabook R731」(Web直販の最上位モデル)を東芝から借り、連載と称して自分のために評価している本連載だが、第2回を掲載してから少し時間が空いてしまった。

 あれからほとんど毎日、R731を持ち歩いてはいるものの、実は前の仕事用マシンであるThinkPad X60も同時に携帯していたりする。インタビューやイベント取材はバッテリー駆動時間の長いR731、原稿の執筆編集はX60と使い分けて、R731だけを本腰入れて使うには至っていない。

 理由は2つ。1つは「いずれ返却しなければならんしなぁ」という思いが心理的なブレーキになって、本格的なデータ移行やソフトウェアのインストールを控えていること。2つ目は、会社が「X60に代わる新しいマシンを用意する」と編集部に宣言したことによる(もしかしたら連載第1回で触れた“IT企業を標ぼうする某会社の貧困なPC環境に対する告発”が経営層の目にとまったのかもしれない)。とにかく、dynabook R731の最上位モデルとはいかないまでも、もっとパワフルな新しいマシンが手に入ることは確定したわけだ。

 そういう事情もあって、R731と付き合ってからもう2カ月になるというのに、いまだに2人の間にはどこかよそよそしい空気が流れている。とはいえ、借りた初日に「コレは気に入らないですねぇ」などと口走ってしまったキーボードにもようやく慣れ、少しずつ2人の距離が縮まっているのも確かだ。

 そこで今回は、R731を使い始めて特に気に入っている部分を改めて振り返り、少しだけ掘り下げて紹介していく。関係を一歩進めたいときは、相手の良い面を数え上げるのが効果的だったりするものだ。

高速スタートモード……いや、スリープで

 さて、第2回で「バッテリー駆動時間」の予告をしたが、実際にR731を携帯するようになって、公称約13時間をうたう本機のロングライフバッテリーは、筆者のPCの使い方を一変させた要因の1つになっている。ちょっとした取材はもちろん、終日行われるイベントでも混み合ったプレスルームで電源を求めてさまよう必要がないし、屋外で使うときはディスプレイの輝度を目一杯明るくしている(非光沢液晶なので、外でもある程度の視認性を確保できる)。

 実際のバッテリー駆動時間は、BBench 1.01を使用したベンチマークテストで7時間と少し(無線LANでインターネットに常時接続し、60秒間隔でのWeb巡回/10秒間隔でのキーストローク/Windows 7の電源プランを標準の「バランス」、ディスプレイ輝度は40%という設定)。公称値の約13時間は言い過ぎだが、日常的に使っていてバッテリー残量を気にすることはほぼ皆無だった。

消費電力をリアルタイムでモニターできる「TOSHIBA eco ユーティリティ」。1回くらいなら眺めて楽しめる

 ちなみに筆者は最初のころ、東芝独自の「高速スタートモード」と「パネルオープンパワーオン」を組み合わせて、擬似的なスリープとして使っていた。高速スタートモードは通常のシャットダウンに比べてやや時間がかかるが、次回起動時は平均して14秒ほどでOSが立ち上がり、通常起動よりも8秒前後速い。液晶ディスプレイを閉じたときの動作に高速スタートモードを割り当ててしまえば、シャットダウンにかかる時間は考慮せずにすむし、スリープに比べて消費電力も少ないだろう……と思っていた。

 だが、待機電源の消費電力だけでなく、起動/復帰時の積算電力量もあわせて考えると、PC未使用時の時間がかなり長くないと、ほとんど意味はないかもしれない(参考:Microsoft TechNetの「Windows PC消費電力検証結果リポート」シャットダウン vs. スリープ)。というわけで、現在ではパネルオープンパワーオンと、ディスプレイの閉じる動作をスリープに割り当てて使用している。バッテリーの心配がないのなら、やはりこちらのほうが快適だ。

カバーを閉じたときの動作設定とパネルオープンパワーオンの有効化設定。液晶ディスプレイを開いたらすぐにPCが使えるのはSSDならでは(画面=左/中央)。高速スタートモードはスタートメニュー内に用意されているが、多用するのであれば、カバーを閉じたときの動作に割り当ててしまうのもいい(画面=右)

 ちなみに、高速スタートモードだと、電源オプションの「スリープ解除時のパスワード保護」を無効にしても、必ずログイン画面が表示されてしまう(スリープや休止状態からの復帰では直接デスクトップ画面になる)。モバイルノートPCなのでログイン認証を設定しておくほうが望ましいが、ディスプレイを開いたらすぐ使いたい、という人は要注意。

「ベン・ハー」に挑戦

 dynabook R731は、約1.44キロの薄型モバイルノートPCながら、Blu-ray Discドライブも搭載している。普段使いなら十分すぎるバッテリー動作が可能だが、光学ドライブを回転させる映画視聴ではどの程度持つだろうか。実際に試してみた。

 取り上げたのは、チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」(1959年)。上映時は途中で休憩を挟む長時間映画で、連載第2回で触れた「スパルタカス」や「地獄の黙示録」よりも長い。ベンチマークテストとしては申し分ないだろう。今回は収録3時間42分の2枚組DVDを使用し、「TOSHIBA VIDEO PLAYER」の独自機能であるアップコンバートをオンにして全画面再生した。電源プランは「バランス」で輝度は最大にしている(消費電力は17ワット前後)。なお、アップコンバートのオン/オフは消費電力にほとんど影響はなく、表示の精細さもあまり変わらなかったが、色温度が明らかに低くなった。

 結果は、1枚目の2時間22分を再生し終え、ENTR’ACTE(間奏曲)の時点でバッテリー残量は50%。つまりバッテリーが半分残っていればほとんどの映画は視聴できることになる。続き、有名な戦車レースのシーンでメッサラが落馬し、後続の戦車に挽きつぶされる瞬間で残り39%、そしてすべて再生し終えてもまだ22%ほど余力を残していた。長時間の移動時にいつでも「ベン・ハー」が観られるのは心強い。

東芝ダイレクト
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