大解説! Ivy Bridgeの新技術と対応インタフェースの謎第3世代Core iのアレコレをギリギリまで(3/3 ページ)

» 2012年04月27日 11時30分 公開
[本間文,ITmedia]
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Intel 6シリーズチップセットでも使えるが制限あり

 Ivy Bridgeと組み合わせるIntel 7シリーズチップセットは、USB 3.0に対応するとともに、CPU統合グラフィックスコアからの3画面同時出力をサポートするなどの強化を図っているが、従来のIntel 6シリーズチップセットとの仕様にさほどの違いはない。しかしながら、「Ivy Bridgeでサポートするプラットフォームの機能を有効にするためには、Intel 7シリーズチップセット搭載マザーボードが不可欠」と、マザーボードベンダー関係者は指摘する。例えば、ワンタイムパスワードを自動生成し、より安全なオンライン決済やインターネットアクセスを可能にするIntel Identity Protection Technologyも、Intel 7シリーズチップセットマザーボードとIvy Bridgeの組み合わせでしか動作しない。これらのプラットフォーム機能の対応とIntel 7シリーズの基本仕様は別表で示している。

Intel 7シリーズチップセットのフラグシップモデルとなるIntel Z77 Expressチップセットのブロックダイヤグラム(写真=左)と、Intel H77 ExpressとIntel Z75 Expressチップセットのブロックダイヤグラム(写真=中央)。より安全なオンライン決済やインターネットアクセスを可能にするIntel Identity Protection Technology。同機能は、Intel 7シリーズチップセットマザーボードとIvy Bridgeの組み合わせでしか動作しない(写真=右)

Intel 6シリーズチップセット搭載マザーボードでもBIOSをアップデートすればIvy Bridgeを利用できるが、CPUグラフィックスからの3画面出力などの新しいプラットフォーム機能は有効にならない

Kシリーズは「見つけたら買っておけ」のレベル

 いよいよ、4月29日の発売が間近に迫ったIvy Bridgeだが、CPU性能だけであればSandy Bridge世代のCPUと大きな差はない。しかし、強化されたグラフィックス機能や省電力性、そして、優れたオーバークロック特性を重視するユーザーも多いだろう。Ivy Bridgeは、Intel 6シリーズチップセット搭載マザーボードでも利用可能で、新しいプラットフォーム機能を必要としないのであれば、CPU単体のアップグレードも有効だ。

 気になるのは、マザーボードベンダー関係者が「最初の数週間は、Ivy Bridgeの流通量はそれほど多くなく、特に倍率ロックフリーの“K”シリーズは十分な数といえない」と口をそろえていることだ。それでも、「日本市場はKシリーズが優先的に割り当てられる地域の1つ」(同関係者)と、ほかの国よりも優遇されているのも確かだ。

 いずれにしても、初回出荷以降もIvy Bridgeの安定した供給継続が、自作PC市場にとって重要なことであるのは間違いないだろう。

Intel 7シリーズチップセット主要スペック
チップセット Intel Z68 Intel Z77 Intel Z75 Intel H77 Intel B75 Intel Q77 Intel Q75
PCI Express 3.0グラフィックス(Ivy Bridgeとの組み合わせ) x16 or x8×2※1 x16 or x8×2 or x8+x4×2 x16 or x8×2 x16 x16 x16 x16
CPU内蔵グラフィックス出力 2 3 3 3 3 3 3
PCI Express 2.0 8 8 8 8 8 8 8
Serial ATA 6.0Gbps 2 2 2 2 1 2 1
Serial ATA 3.0Gbps 4 4 4 4 5 4 5
USB 3.0 - 4 4 4 4 4 4
USB 2.0 14 10 10 10 8 10 10
PCI × × × ×
CPUパフォーマンスチューニング × × × ×
グラフィックスオーバークロック
Switchable Graphics
Intel Smart Response Technology × × ×
Intel Smart Connect ×
Intel Wireless Display/Music ×
Intel Identity Protection Technology △※2
Intel Rapid Start Technology ×

※1 一部マザーボードのみ、※2 Sandy Bridge世代との組み合わせのみ有効、Ivy Bridgeとの組み合わせでは機能しない
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