「N680GTX Twin Frozr III OC」で“GPU Boost”の挙動を知るイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2012年05月02日 16時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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意外と早かったオリジナルクーラー搭載OCモデル

 GeForce GTX 680が登場した当初、PCパーツベンダーが投入したグラフィックスカードは、NVIDIAが示すリファレンスデザインに準拠したモデルばかりだった。当時、関係者に確認すると、オリジナルクーラーユニットを搭載したオーバークロックモデルの投入は、時間がかかるという意見が多かったが、その予想に反して、MSIからオリジナルクーラーユニット“Twin Frozr III”と搭載するオーバークロックモデル「N680GTX Twin Frozr III OC」が登場した。

 N680GTX Twin Frozr III OCの動作クロックは1058MHz。Boost Clockは1124MHzとされている。リファレンスの1006MHzからは52MHzほどOCされた使用だ。メモリクロックに関しては定格通り。メモリ容量は2GBとなる。N680GTX Twin Frozr III OCは市場に初めて登場したGeForce GTX 680のオリジナルクーラーユニット搭載のオーバークロックモデルということもあるので、まずは写真でじっくりとチェックしておこう。

2基の大型ファンで冷却するMSIオリジナルの“Twin Frozr III”を搭載した「N680GTX Twin Frozr III OC」。基板のレイアウトはリファレンスデザインと同じだが、色は茶色で、コンポーネントに関しては若干異なる。補助電源コネクタはリファレンスカード同様の6ピン×2基

映像出力インタフェースはリファレンスデザインと同じDisplayPort、HDMI、DVI×2となる。MSIのグラフィックスカードでよくあるブラケットのMSIロゴもない。ヒートパイプは上に2本、下に3本の計5本。カードのたわみを防ぐフレームガードも搭載する

より冷えるオリジナルクーラーでGPU Boostの効果は?

 GeForce GTX 680では、自動オーバークロックきのうともいえる「GPU Boost」を導入した。CPUのTurbo Boost TechnologyやCore TURBO Technologyに相当する機能で、GPUで動作しているコアの数がアプリケーションによって少なくなっていて、設定したTDPに対してグラフィックスカードの発熱が抑えられている場合に、TDPの上限まで動作クロックを上げる動作を自動で行う。

 この機能はユーザーが関与することはできず、GPUのドライバとファームウェアで制御するため、その挙動については実際に動かしてみるまで分からない。GPUがオーバークロックを自動で行ってしまうのに加えて、GPU Boostを無効にできないため、ユーザーによるオーバークロックチューニングが明確に行えないという側面もある。

 このような、GPU Boostという機能を持ったGeForce GTX 680において、オーバークロック版がどのような動きをするのか、注目するユーザーも多い。

 今回、GeForce GTX 680のSLI環境における性能評価で、GeForce GTX 680を搭載するオーバークロックが手用意できたので、この機会に、GPU Boostの挙動とオーバークロックモデルのアドバンテージを確認しておこう。

 なお、性能評価で用意したシステムは、GeForce GTX 680のSLI環境における性能評価でも用いた構成と同じだ。マザーボードはASUSの「SABERTOOTH X79」で、Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)を組み合わせている。

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