GeForce GTX 690は、GeForce GTX 590などと同様、1枚の基板に2基のGPUを搭載した構成だ。搭載するのは、Kepler世代のアーキテクチャを導入したGeForce GTX 680(GK104)だが、動作クロックをわずかに引き下げている。GeForce GTX 590は、GeForce GTX 580の発表からしばらく経過した後に登場したが、GeForce GTX 690は、Keplerアーキテクチャの低消費電力設計で開発が容易だったこともあってか、GeForce GTX 680の登場から1カ月少々という短期間での発表となった。
型番 | GeForce GTX 690 | GeForce GTX 680 | GeForce GTX 590 | GeForce GTX 580 |
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GPC | 8 | 4 | 8 | 4 |
SM | 16 | 8 | 32 | 16 |
CUDA Core | 3072 | 1536 | 1024 | 512 |
テクスチャユニット | 256 | 128 | 128 | 64 |
ROPユニット | 64 | 32 | 96 | 48 |
GPUクロック(MHz) | 915 | 1006 | 607 | 772 |
Boost Clock(MHz) | 1019 | 1058 | - | - |
CUDAコアクロック | - | - | 1215 | 1544 |
テクスチャフィルレート(GTexels/sec) | 234.2 | 128.8 | 77.7 | 49.4 |
メモリクロック(MHz) | 1502 | 1502 | 853.5 | 1002 |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ接続バス幅(ビット) | 512 | 256 | 768 | 384 |
メモリ帯域幅(GB/sec) | 384.4 | 192.26 | 327.7 | 192.4 |
メモリ容量(MB) | 4096 | 2048 | 3072 | 1536 |
2次キャッシュメモリ(KB) | 1024 | 512 | 1536 | 768 |
最大消費電力(TDP) | 300 | 195 | 365 | 244 |
補助電源レイアウト | 8+8 | 6+6 | 8+8 | 8+6 |
DirectXサポート | 11 | 11 | 11 | 11 |
OpenGLサポート | N/A | N/A | 4.1 | 4.1 |
PCI Express Gen. | 3 | 3 | 2 | 2 |
構成トランジスタ数(億) | 70.8 | 35.4 | 60 | 30 |
プロセスルール(ナノメートル) | 28 | 28 | 40 | 40 |
Thermal Threashold(摂氏) | 98 | 98 | 97 | 97 |
仕様表はグラフィックスカード1枚あたりの値を記載しているが、GPU×1基あたりに直すと、CUDAコア数は1536基、GPCが4基でSMXが8基、テクスチャユニットが128基でROPsが32基となる。これは、GeForce GTX 680と同じだ。動作クロックは、コアが915MHzで、1006MHzだったGeForce GTX 680からは90MHzほど引き下げられている。ただし、GeForce GTX 590では、GeForce GTX 580のコア動作クロックが772MHzだったのに対し、GeForce GTX 590では607MHzと、165MHzほど引き下げられていたことと比較すると、引き下げ幅は少なくなった。
また、GPU Boostもサポートしており、この機能で実現する最大クロックの“Boost Clock”は、1019MHzと1GHzを超えてくる。なお、定格の動作クロックに対するBoost Clockの比率は、GeForce GTX 680が5パーセント程度であるのに対し、GeForce GTX 690は約11パーセントとなっている。動作クロックの絶対値も100MHzを超えるように、GPU Boostで上昇する幅が広く設定されているようだ。グラフィックスメモリはGDDR5で、各GPUあたりで256ビット幅の接続で容量は2Gバイトになる。グラフィックスメモリの転送レートは6008Mbps相当となっている。こちらの仕様はGeForce GTX 680と変わらない。
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