グラフィックスカードではGeForce GTX 680の勢いが止まらない。3月後半のデビューから1カ月経ち、各社からオリジナル基板のモデルを投入するようになったことで、初回とは違った盛り上がりをみせるようになっている。
ドスパラ パーツ館は「GeForce GTX 680はチップ温度や負荷の度合いで余裕があれば自動でクロックアップする『GPU Boost』機能を備えているので、よく冷えるカードほど実質的に高性能になるんですよね。このため、初登場の時点でオリジナルクーラーモデルを待っている人もいたみたいです」と語る。
4月後半に登場したオリジナルモデルには、MSIの「N680GTX Twin Frozr 2GD5/OC」や、ギガバイトの「GV-N680OC-2GD」、GAINWARDの「GeForce GTX 680 2GB」「GW GTX680 2GBD5 PHANTOM」、Palitの「GeForce GTX 680 JETSTREAM」、GALAXYの「GF PGTX680-OC/2GD5 DUAL FAN」などがある。価格は6万円前後から6万5000円前後のものまでさまざま。リファレンスデザインのモデルは6万円弱でそろっていたが、「オリジナルの要素が加わったことで、NVIDIAの縛りから開放されたのはあるんじゃないですかね」(PC DIY SHOP FreeT)という。
それぞれ好調ながら、特に人気があったのは「N680GTX Twin Frozr 2GD5/OC」だった。TSUKUMO eX.は「冷却性の高さで定評のあるメーカーですからね。オリジナル基板の本命がいきなり登場したようなものですよ」と話していた。
また、連休中にも4Gバイトメモリを搭載したモデルも複数のメーカーから登場するなど、絶えず話題を振りまいている。パソコンショップ・アークは「Radeon HD 7900シリーズもかなり優秀ですが、GeForce GTX 680が登場してからはハイエンド系の人気はごっそり移動した感じがあります。それだけ人気の高いカードなので、Ivy Bridgeとともに大型連休から夏場にかけての主役になってくれれば。前世代から大きく進化したパーツが複数あると、相乗効果でパーツ街も盛り上がりますからね」と期待を寄せる。
5月1日、エフ商会が自己破産申請し、運営するファーストメディアショップ1/2号店のシャッターが開かない状況になっている。その一方で、昨年末から閉店や移転による立ち退きが相次いでいたパーツ通りの中央通り側ブロックは、4月以降複数のショップが入店するようになっている。
なかでも目立っていたのは、PC DIY SHOP FreeTだ。2011年4月末に末広ビル1階で営業を始めた同店は、1周年直前の4月20日に、以前クレバリー2号店が入店していたパーツ通りのビルに移転した。そこから、周辺のショップの便乗キャンペーンも呼んだリニュースオープンセールやIvy Bridge深夜販売イベント、大型連休セールと並行する1周年セールと、休む間もなくキャンペーンを連発している。
同店の猪狩氏は「フロアの面積は以前より狭くなりましたが、(T-ZONE.PC DIY SHOPのころから)ようやくパーツ通りに戻ってこれたという喜びのほうが断然大きいです。何しろ、人通りは10倍くらい違いますから」と、多忙な中の移転を意欲的に語る。
パーツ通りの近くにある某ショップは「一時期はブロックまとめて再開発されるというウワサがありましたが、何事もなく活気が戻ってうれしい限りです。ファーストメディアショップが閉店したのは残念ですが、それを穴埋めするような勢いを保ってもらえたらと思います。やっぱりアキバが自作の街である以上、パーツ通りの濃さは外せませんからね」とエールを送っていた。
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