本製品のスペックを改めて紹介すると、Core i7-3612QM、メモリ8Gバイト、SSD 240Gバイト、NVIDIA GeForce GT650M(2Gバイト)、Windows 7 HomePremium 64bit(SP1)といった内容だ。これだけのハイスペックを小柄なボディに詰め込んでおり、パフォーマンスや発熱の処理などが実に気になるところだ。そのあたりをベンチマークテストで確認してみよう。
まずWindows 7エクスペリエンスインデックスはご覧のとおり。プライマリハードディスクは上限値の7.9に達しているほか、すべてが7.1以上と死角のないパフォーマンスを備えていることが分かる。
SSDについてはCrystalDiskMark 3.0.1のテスト結果も掲載しておく。圧縮可能データ(データパターン:0fill)のスコアは現行Serial ATA 6Gbps対応SSDの中でも高速な部類で、512Kリード/ライトなどはSF-2281搭載SSDならでは高い結果を出した。圧縮できないデータ(データパターン:ランダム)でもSF-2281搭載SSDとしては高速なスコアが出ている。いずれにしても、これだけの高速SSDを搭載したノートPCはそうそう見当たらない。
PCにおけるひととおりの作業をシミュレートする内容のPCMark7やPCMarkVantageのスコアも非常に優秀だ。デスクトップPCでもここまでのスコアを出せるPCは少ないだろう。GeForce GT 650Mという高性能GPUを搭載しているだけあって3D描画性能も高い。外部ディスプレイに出力しない限りは、表示解像度が最大1366×768ドットに制限されるものの、DirectX 9.0cベースのタイトルなら最高に近い画質で、最新タイトルでも多くのタイトルは十分実用的な画質でプレイできるはずだ。
ただ、CINEBENCHのテスト結果からは課題も見える。4.27ptというスコアは、第3世代Core i7を搭載した据え置き型のノートPCと比べていかにも物足りない。実行中のTurbo Boostの挙動を見てみると、長く2.1〜2.2GHzで動作していた。Core i7-3612QMは、4コアアクティブ時にも最高2.8GHzで動作するだけにこれでは性能が出なくて当然である。試しにノートPCクーラーなどを使ってできる範囲で冷却を強化してみたが変わりがなかった。おそらく発熱や消費電力が上がりすぎないようあらかじめTurbo Boostの上限クロックが、Core i7-3612QM本来の上限よりも下に制限されているのだろう。シングルスレッドのSuper Pi実行時で確認できた最高クロックも2.83GHzと、本来の上限スペックからすると見劣るものだった。
それでも11.6型のノートPCとしてはかなり優秀なスコアではあるが、Core i7-3612QMのフルポテンシャルを全開にできないこともあるということは頭に入れておいたほうがよさそうだ。
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