今回の性能検証で、テスト用に用意できたのが最大容量の512Gバイトモデルであるため、新しいファームウェアの恩恵は少ないが、専用ユーティリティでバージョンアップしたのち、下記のベンチマークテストで測定した。また、ファームウェアをバージョンアップする前のVersion 1.3で計測したデータも並べている。なお、容量が異なるため直接の比較対象とはならないが、参考データとしてPLEXTORの「PX-128M3」を用意し、同条件で測定をしている。すでに掲載したSSDのレビュー記事とほぼ同じシステム構成でテストしているので、これらの製品との性能比較も可能だ。評価で用いたベンチマークテストは「CrystalDiskMark v3.0.1C」と「HD Tune Pro 5.00」、「PCMark 7 1.04」、「AS SSD Benchmark」だ。接続設定はすべてAHCIモードで、Serial ATA 6Gbps用インタフェースを使用した。
テスト環境 | |
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CPU | Core i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.8GHz) |
マザーボード | ASUS P8Z68M-PRO(Intel Z68 Express) |
メモリ | Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800(DDR3 1600MHz DDR3 SDRAM 2Gバイト×2枚) |
システムSSD | RealSSD C300(64Gバイト) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate |
「CrystalDiskMark 3.0.1c」では、テストファイルのサイズを1000Mバイトと4000Mバイトそれぞれで、テスト項目では、デフォルトの「ランダムデータ」と「0」連続して書き込む「0Fill」を計測した。Vertex 4でランダムアクセスと0fillで比較すると、極端に大きな差はなく、データの圧縮などを行っていないのが分かる。テストサイズ1000Mバイトのランダムのスコアでは、シーケンシャルリードで498.6Mバイト/秒と公称値より落ちる。ファームウェアのv1.3とv1.4の違いでは、ライトについて極端な差はないが、メーカーの説明にあるようにシーケンシャルリードが大きく向上している。参考までに、書き込みについては、容量が大きいこともあり、PX-128M3はもちろんのこと、M3 ProやIntel SSD 520なども上回る。
基本性能を測定する「Benchmark」テストでは、データファイルのサイズを8Mバイトと64Kバイトの2通りでリードとライトを計測している。Vertex 4は、リード時でファイルサイズ8Mバイトの条件で、最大値が497.4Mバイト/秒、64Kバイトの条件で300.2Mバイト/秒、ライト時は最大値が457.4Mバイト/秒、64Kバイト時は387.1Mバイト/秒になった。8MバイトについてはCrystalDiskMarkと大差のないが、64Kバイトでは大きく性能を落としている。とはいえ、これはSSDとしては一般的な傾向といえる。
「File Benchmark」では、0Fillやランダムデータ、その2種類を混ぜて計測するMixedといったファイルを読み書きしてIOPSの計測を行う。NCQ使用時のランダム4KBの性能を調べる「4K random multi」の数字はリードライトともに以前評価したM3 ProやIntel SSD 520と比較しても高い。小さなファイルの連続転送などが効率的に行えることを示しており、アプリケーションやWebブラウザを利用するときの体感速度にも表れる。
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