「DZ77RE-75K」で、Visual BIOSとThunderboltを使ってみたイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2012年06月02日 18時42分 公開
[林.佑樹,ITmedia]

Thinderboltを実装していち早く登場したインテル純正マザーボード

 新世代のCPUが登場する時期は、新しいマザーボードが登場する時期でもある。とはいうものの、“Ivy Bridge”世代のCPUでは、実際に発売する前から、Ivy Bridgeに対応するIntel 7 シリーズチップセット搭載マザーボードが多数登場していた。すでに発売している“Ivy Bridge”世代のCPUに対応するマザーボードだが、その多くが重要な機能を実装していなかった。それが新しい規格「Thunderbolt」だ。

 Thunderboltは、インテルとアップルが共同で開発したバス規格で、PCI Express 2.0とDisplayPort 1.1aのプロトコルに対応する。端子の形状はMini DisplayPortを使用しており、送受信ともに理論値で10Gbpsと高速であるのに加えて、デイジーチェーン方式に対応している点や、USB 3.0よりも高い給電能力に対応し、最大で10ワットの電力供給を可能にしている。そのため、USB 3.0との競合規格として捉えているユーザーも少なくない。

 5月の末になって、ようやくThunderboltインタフェースを搭載したマザーボードがリリースされ、PCパーツショップで入手できるようになってきた。インテル純正の「DZ77RE-75K」は、最も早く登場したThunderbolt対応マザーボードの1つだ。ただ、それだけに、「Thunderboltに対応しました」というほかには、すでに登場しているマザーボード「DZ77GA-70K」と劇的な変化はない。

 DZ77RE-75Kは、インテルのマザーボードラインアップで、エクストリーム・シリーズに属し、ワークステーションやハードコアゲーム、メディア編集に対応する性能を提供する。また、型番末尾の「K」が示すように、オーバークロック設定を前提とするユーザーもIntel Z77 Expressチップセットを搭載するこのマザーボードは有力な候補となるはずだ。映像編集目的では、「Intensity Shuttle for Thunderbolt」を使いたいユーザーも注目したいだろう。やはり、周辺機器はまだ少ないものの、Thunderboltを試したいユーザーにとってDZ77RE-75Kは気になるマザーボードとなる。

DZ77RE-75KはATXフォームファクタに準拠したマザーボードだ。基板の色はブラックで、チップセットのヒートシンクに施されたドクロのモチーフはインテルのハイエンドマザーボードではおなじみのデザインだ(写真=左)。拡張スロットは、PCI Express 3.0 x16対応スロットが2基、PCI Express 2.0 x4対応スロットが1基、PCI Express 2.0 x1対応スロットが2基、PCI対応スロットが2基の構成だ(写真=右)

バックパネルに搭載するインタフェースで、一番右にあるのがThunderboltだ。ほかには、USB 2.0が4基、USB 3.0が4基、eSATA(6Gbps)が1基、IEEE 1394が1基、1000BASE-T対応有線LANが2基、HDMI出力、オーディオ関連が並ぶ。白い四角ボタンは「Back to BIOS」ボタンになる。有線LANのコントローラはIntelの82579Vを利用する(写真=左)。CPUソケット周辺はスペースを空けているので、大型のCPUクーラーユニットを利用しても干渉が起きにくい(写真=中央)。コンデンサはCapXon製を実装する(写真=右)

Serial ATA 6Gbps対応を4基、Serial ATA 3Gbps対応が4基の構成になる。マザーボードの横にコネクタが向いているため、28センチクラスのグラフィックスカードを組み込んでも干渉しない(写真=左)。メモリはDDR3 2400(PC3-19200)に対応し、最大32Gバイトまで搭載可能だ。近くには電源ボタンとリセットボタンをオンボードで備える(写真=中央)。DZ77RE-75Kには、Thunderboltのコントローラとして「Intel L3310L CIO」を実装する。Thunderboltコントローラは、PCI Express 3.0 x16対応スロットの1本目脇にある(写真=右)

マザーボード最下段にUSB 3.0やUSB 2.0が並ぶ。POSTインジケータも備えて、異常が発生したときにその原因を知る手がかりを与えてくれる(写真=左)。PCI Express 2.0 x4対応スロットの下には、CPUやGPU、メモリなどの状況を示すLEDを用意する(写真=中央)。付属品として、USB 3.0を2基備える2.5インチベイ対応フロントパネルがある。表面にヘアライン加工を施している(写真=右)

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