店頭モデルのUH75/Hからスペックを見ていこう。5月9日の発表時点で非公開だったCPUは、6月3日にCore i5-3317U(1.7GHz)であることが明らかにされた。Ivy Bridgeの開発コード名で知られる22ナノメートルプロセスルール製造の第3世代Core i5シリーズの超低電圧版で、TDP(熱設計電力)は17ワットと低い(通常は35〜45ワット)。2コア/4スレッドのモデルで動作クロックは1.7GHz、Turbo Boost 2.0により、高負荷時は最大2.6GHz(2コアアクティブ時は2.4GHz)で動作する。
チップセットはIntel HM76 Express、グラフィックス機能は第3世代Core i5内蔵のIntel HD Graphics 4000を利用する。第2世代が内蔵するIntel HD Graphics 3000に比べて3D描画性能が大幅にアップしているのがポイントだ。また、Intel Quick Sync Video 2.0(QSV 2.0)に対応しており、対応ソフトと組み合わせることで、ハードウェアエンコーダを使って動画の変換などが高速に行なえる。
メモリはPC3-12800 SO-DIMM(DDR3-1600 SDRAM)を標準で4Gバイト搭載する。オンボード実装ではなく、SO-DIMMスロットにメモリモジュールを装着しているのだが、底面にメモリスロットのカバーなどはなく、ユーザーによる交換や増設には対応しない。
データストレージは、小型SSDと2.5インチHDDのハイブリッド構成だ。HDD容量は500Gバイト(5400rpm/7ミリ厚)で、32GバイトのSSDを高速処理用のキャッシュとして使っている(SSDの容量はデータ保存用として使えない)。HDDの大容量を重視しつつ、キャッシュ用SSDで高速復帰やレスポンス面にも配慮した仕様といえる。
ちなみにSSDはSanDisk製、キャッシュ技術はCondusiv Technologiesの「Express Cache」がベースだ。富士通とSanDisk、Condusiv Technologiesの3社により、キャッシュ技術の最適化を進めてUH75/Hに実装したという。
通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、IEEE802.16e-2005準拠のWiMAX(受信最大20Mbps/送信最大8Mbps)を標準装備しているほか、1000BASE-T準拠の有線LANも付属の専用アダプタ経由で利用できる。本体の薄さを優先したため、有線LANのポートは省かれたが、専用のアダプタは小型なので携帯してもじゃまにならない。
本体装備の端子類は左右の側面に分けて配置しており、USB 3.0×2(1ポートは電源オフUSB充電機能付き)、USB 2.0、HDMI出力、ヘッドフォン出力、SDXC対応SDメモリーカードスロットを備える。また、液晶ディスプレイ上部に有効100万画素のHD Webカメラ、底面にステレオスピーカー(DTS Boost対応)、パームレストにスライド式の指紋センサーを装備している。Ultrabookとしては充実した内容だ。
プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)を採用。オフィススイートとしてOffice Home and Business 2010も付属する。
直販限定カスタムメイドモデルのUH75/HNでは、よりハイスペックな構成を選択できる。CPUはCore i5-3317U(1.7GHz)のほかにCore i7-3667U(2.0GHz)も搭載が可能だ。Core i5-3317Uと同じく2コア/4スレッドのモデルだが、Turbo Boost 2.0の最高クロックは3.2GHzと高い。なお、Core i7選択時は本体のカラーがサテンシルバーに限られる点には必要だ(後述のBluetooth 4.0やポートリプリケータに対応するのもサテンシルバーのみ)。
メモリ容量は4Gバイトと8Gバイトが用意されている。データストレージは500GバイトHDD+高速処理用SSDのほか、128Gバイトもしくは256GバイトのSSDが選べる。仕様表を見ると、SSDを選んだ場合にも高速処理用SSDは搭載されるようだ。液晶ディスプレイは、店頭モデルと同じ光沢仕上げの「フルフラットファインパネル」のほか、映り込みにくい非光沢の「フルフラットノングレアパネル」が選択できる。
このほか、Bluetooth 4.0の内蔵、レーザーマウス(黒)の添付、ポートリプリケータの追加、HDMIからアナログRGB出力(D-Sub15ピン)への変換コネクタ、さらに本体に付属しているACアダプタやLAN変換コネクタの追加購入などが可能だ。OSは64ビット版のWindows 7(SP1)を採用しており、エディションはHome PremiumとProfessionalから選択できる。
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