バッテリー駆動時間は海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。無線LANで常時接続し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定でテストしている。電源プランはWindows 7標準の「バランス(ディスプレイ輝度40%)」を利用した。
この条件でテストを実行し、バッテリー満充電の状態から残量11%で休止状態に入るまでの駆動時間は、UH75/Hで6時間9分、UH75/HNで5時間57分だった。公称の約9.1時間には及ばないものの、モバイルノートPCとして実用十分といえる駆動時間だ。
静音性も優秀な部類に入る。低負荷時でもファンは回っており、静かな部屋ではサーッという音が聞こえるが、エアコンなどの家電が動作しているような環境では耳を近づけなければ分からない程度だ。システムに負荷をかけても動作音の上昇は控えめだった。
発熱に関しては、高負荷をかけると底面の左パームレストの裏側辺りがかなり熱を持ってきて、左パームレストにもじんわりと熱が伝わってくる。ただし、低負荷状態で使うぶんには長く使っていてもあまり気にならなかった。UH75/HとUH75/HNではやはりハイスペックな直販モデルの後者のほうが、動作音が上がるタイミングは早く、底面の温度も高い傾向にあった。
6月7日に販売が開始される店頭モデルのUH75/Hは、実売価格が13万円前後だ。また、6月3日から富士通直販サイトのWEB MARTで受注が始まったUH75/HNは、最小構成価格が12万9800円からとなり、今回入手した試作機の構成で22万7000円となる。
もっとも、WEB MARTでは随時キャンペーンを行っており、購入後のアンケートへの回答が条件でもらえる15%オフのモニタークーポン(2012年6月13日14時まで有効)のほか、CPUアップグレード割り引き、メモリ増量割り引き、送料無料、3年保証アップグレード無料などのキャンペーンを実施中だ。これらの効果もあって、2012年6月4日現在での見積もり価格は試作機の構成で19万2950円まで下がった。これでもUltrabookのイメージからすれば高価だが、スペックを考慮すれば、十分競争力のある価格といえる。
UH75/HおよびUH75/HMの魅力は、美しいデザインと使い勝手、バッテリー駆動時間などを含めたUltrabookとしての完成度の高さにある。
富士通はインテルがUltrabookを意識するよりもはるか前から、独自開発で魅力的な薄型軽量モバイルノートPCを送り出してきたメーカーの1つだ。そのノウハウを結集して満を持して投入したUltrabookの新シリーズだけに、完成度の高さも当然か。個人的に高解像度液晶のオプションがない点だけは実に惜しいが、それ以外は文句のつけようがない。MADE IN JAPANの底力を改めて感じる1台だ。
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