今回の性能評価で用いたのは、フルハイトモデルのRM88シリーズで容量1.6Tバイトの「ZD4CM88-FH-1.6T」だ。通常のSSDと異なり、専用ドライバのインストールが必要だ。ただ、評価用の機材には、ドライバCDが添付されていなかったため、OCZのWebページからドライバ(1.3.6.17083 )をダウンロードしてインストールしている。対応OSは、Windows 7、Server 2008、Linux Red Hat Enterprise 6.1となっている。Windowsに関しては32ビット、64ビット両方のドライバを用意する。
この「ZD4CM88-FH-1.6T」の性能をベンチマークテストで検証した。ベンチマークテストと評価用システムの構成については、先日掲載した「OCZ Vertex 4」のレビューと共通にした。ただし、OSのセキュリティアップデートなどについては最新のものを適応している。なお、価格もスペックもSerial ATA接続のSSDから飛ぶ抜けてしまっているZ-Drive R4シリーズだが、その飛び抜け加減を知るために、ベンチマークテストの結果では、OCZ Vertex 4のスコアも併載しておく。
テスト環境 | |
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CPU | Core i7-2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.8GHz) |
マザーボード | ASUS P8Z68M-PRO(Intel Z68 Expressチップセット) |
メモリ | Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800(DDR3 1600MHz DDR3 SDRAM 2Gバイト×2枚) |
システムSSD | RealSSD C300(64Gバイト) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1 |
テストファイルのサイズに1000Mバイトと4000Mバイトを選択し、メニューから設定を変更して、デフォルトと「0」連続して書き込む「0Fill」を計測した。テストサイズ1000Mバイトのシーケンシャルリードでは、1184Mバイト/秒、4000Mバイトで1163Mバイト/秒、0fillでも1000Mバイトで1222Mバイト/秒、4000Mバイトで1211Mバイト/秒と、すべて1000Mバイト/秒を超えている。シーケンシャルライトについても、1000Mバイトのランダム以外はほぼ1000Mバイト/秒を超えている。公称値の2800Mバイト/秒には及ばないものの、Z-Drive R4のの飛び抜けた性能が分かる。
512Kバイトや4Kバイトの細かなファイルをランダム読み書きして性能を測るランダムリード・ライトをみると、512Kバイトに関してはシーケンシャルと同様の傾向になる。1000Mバイトのランダムのスコアでは、1131Mバイト/秒、4000Mバイトで936.6Mバイト/秒、0fillでは、1000Mバイトで998.3Mバイト/秒、4000Mバイトで933.7Mバイト/秒とこちらも高い数値を出している。
一方で、4KバイトになるとVertex 4との差はほとんどなくなる。1000Mバイトでリード時34.49Mバイト/秒、ライト時83.88Mバイト/秒、4000Mバイトでリード時33.50Mバイト/秒、ライト時79.01Mバイト/秒、0fillでは1000Mバイトでリード時35.65Mバイト/秒、ライト時79.51Mバイト/秒、4000Mバイトでリード時35.95Mバイト/秒、ライト時79.97Mバイト/秒である。Vertex 4は4Kバイトライトが強い傾向があり、部分的に本製品を上回るところもある。NCQ使用時のランダム4Kバイトの性能を調べる4K QD32の項目では、すべてでVertex 4をリードで2倍、ライトで2.5倍程度上回っている。
基本性能を測定する「Benchmark」テストの結果は、CrystalDiskMarkと極端に変わらない。ただ、64Kバイトのリード時とライト時に広範囲で転送速度のブレが見られる。「FileBenchmark」でも、時折ライトが落ち込む現象を確認した。SandForce製コントローラでも起きる現象だが、複数個コントローラーを搭載しているせいか、ブレ幅が大きく感じられる。「File Benchmark」を見てみると、NCQ使用時のランダム4KBの性能を調べる「4K random multi」の数字はCrystalDiskMarkの時と同様に高い数字となっている。「4K random single」の数字がVertex 4と変わらないのも同じ傾向だ。
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