これぞ新世代のスタンダードノートか?――「HP ENVY6-1000」にUltrabook普及のカギを見た15.6型サイズで厚さ19.8ミリ!(2/3 ページ)

» 2012年07月13日 22時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

ボリュームゾーンを狙いつつ、音質にはこだわり

photo 15.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ドットだ

 15.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ドットと、メインストリーム向けのノートPCとしては標準的だ。画面サイズに対して、解像度が高くないため、アイコンや文字が大きく表示される。階調性は悪くないものの、色味は青が強めだ。輝度は室内で使う分には問題ない水準を確保しているが、表面は光沢仕上げであるため、照明や自分の顔が映り込むことが多いところは少し気になる。視野角については上下方向で狭いが、液晶ディスプレイは約140度まで開くので、見やすくなるように画面の角度を調節しやすい。

 音質面では、ほかのENVYシリーズと同様に、Beats Audioブランドのステレオスピーカーをキーボードの奥に搭載した。底面にサブウーファーも内蔵することで、ノートPCとしては低音が効いた迫力のあるサウンドが楽しめる。ポータブルメディアプレーヤーの普及とともに、PC内に音楽ファイルを保存するユーザーが増え、YouTubeなどの動画共有サイトを視聴するユーザーも増えた今では、PCのスピーカーで音楽を聞くことは多い。比較的安価なボリュームゾーンのPCこそ音質に注力すべきだというHPの姿勢が感じられる。

photophotophoto ディスプレイは約140度まで開く(写真=左)。キーボードの奥にBeats Audioブランドのステレオスピーカーを搭載する(写真=中央)。Beats Audioはソフトウェアで、音楽/映画などコンテンツに合わせてチューニングされたプリセットを選択し、メリハリのあるサウンドでコンテンツを楽しめる(写真=右)

キーボードは6段配列、大きなタッチパッドを装備

 キーボードは6段配列のアイソレーションタイプを採用する。Enterキーの右側にPgUp/PgDnキーなどが並ぶレイアウトは、好みが分かれるところだ。主要キーのキーピッチは縦横19ミリを確保しているが、カーソルキーの上下キーは縦のサイズが約9ミリと小さい。カーソルキーをよく利用するユーザーにとっては気になる点だろう。

 キーストロークは約1.5ミリと浅めだが、キーの戻りがよく、確かな押下感がある。キーを意図的に強く押し込まない限りは、たわみも感じないため、心地よくタイプできる。

 ENVY6-1000は、ホームポジションより少し右にずれた位置にタッチパッドを配置している。左右のクリックボタンが一体となっており、110(横)×70(縦)ミリとマルチタッチジェスチャーを行うには十分なサイズを確保している。ドライバはシナプティクス製で、2本指を使ったスクロール機能のほか、3本指でのタッチ、スワイプ(指定したプログラムの起動など)や4本指でのスワイプ(ウインドウの切り替え)などに対応する。

 タッチパッドは放射線状に光が反射するスピンフィニッシュ加工を施しており、表面に細かな突起があるものの、指の滑りは非常によい。左上をダブルタップすると、タッチパッドの有効/無効を切り替えられる。

photophoto キーボードは6段配列のアイソレーションタイプ。Enterキーの右側にPgUp/PgDnキーなどが並ぶ(写真=左)。タッチパッドはスピンフィニッシュ加工を施している。左上のダブルタップで有効/無効を切り替える。操作を無効にすると、タッチパッド左側にあるLEDが点灯する(写真=右)

ハイブリッドストレージでキビキビとしたレスポンス

 ENVY6-1000のデータストレージは、HDDとキャッシュ用SSDのハイブリッド構成を採用する。評価機のHDD容量は500Gバイト(5400rpm)で、キャッシュ用SSDの容量は32Gバイトだ。ISRT(Intel Smart Response Technology)を利用できるハイブリッドストレージによって、普段使いでのレスポンス向上や休止/スリープからの高速復帰が期待できる。

 起動やスリープからの復帰の早さ、ディスプレイを開けばすぐに使えるという快適さはインテルが提唱するUltrabookの目指すところだ。ハイブリッド構成のストレージでもこのコンセプトは満たされるか。起動時間(電源ボタンを押してから、Windows 7のデスクトップが表示されるまで)、休止/スリープ状態への移行時間と復帰時間(電源ボタンを押して復帰、ログイン画面の表示まで)をそれぞれ計測した。なお、ストレージ構成が同じデル「XPS 15」の結果も併記している。

photo 起動時間、休止/スリープ状態への移行時間と復帰時間、シャットダウンまでの時間を計測した結果

 結果は起動時間(コールドスタート)が約20秒、シャットダウンまでの時間が約13秒、スリープ状態への移行は約6秒、スリープ状態からの復帰は約2秒弱となった。XPS 15とほぼ同様の結果だが、起動時間はENVY6が約10秒早い。すべての動作において待たされる感じは受けず、快適にPCが使える。休止時間からの復帰については20秒を超えており、「ハイバネーション(休止状態)からの復帰時間が7秒以内」というUltrabookの要件には当てはまらないものの「インテルから公認されている」(HP)とのことだ。

photophoto CrystalDiskMark 3.0.1の計測結果。SSDキャッシュが有効になる2回目(写真=右)では1回目(写真=左)と比較してリードのスコアが大きく向上する
photophotophoto デバイスマネージャでHP ENVY6-1000の構成を確認した。ストレージの詳細な情報が表示されなかったので、CrystalDiskInfoで確認したところ、HDDはHGST製のHTS545050A(500Gバイト、5400rpm)、SSDはサムスン製のMZMPC032HBCD(32Gバイト、SATA 6Gbps)だった

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