Ivy Bridge世代の新型「MacBook Air」はどれくらい速い? 乗り換えるべき?LionとWindows 7でベンチマーク(1/2 ページ)

» 2012年07月20日 21時24分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
Ivy Bridge世代に進化した新型MacBook Air

 Retinaディスプレイを採用した新型MacBook Proの影に隠れがちだが、アップルが6月に投入した「MacBook Air」も、基本アーキテクチャを最新の第3世代Coreに刷新し、基本性能を引き上げている。Macを毎日持ち歩いて使いたい人の中には、こちらの強化具合が気になる人もいるだろう。

 ただ、おなじみのアルミユニボディは従来モデルから引き継いでいるため、(細かく観察すればMagSafe 2ポートなどの違いはあるものの)ぱっと見た印象はほとんど変わらない。インタフェース面で、USBポートがUSB 3.0に対応したというトピックはあるが、これまでMacBook Airを使っていたユーザーが乗り換えを検討するポイントは、ほぼ性能面になるはずだ。また、仕事でWindowsを使う必要がある人は、Ivy Bridge世代のUltrabookとの比較で購入を考えていると思われる。そこでOS X LionとWindows 7の両環境下でベンチマークテストによる性能評価を行った。

11インチMacBook Airの本体サイズは300(幅)×192(奥行き)×3〜17(高さ)ミリ、重量は約1.08キロ(写真=左)。13インチMacBook Airは325(幅)×227(奥行き)×3〜17(高さ)ミリ、重量は約1.35キロだ(写真=右)

1366×768ドット表示の11インチモデル(写真=左)と1440×900ドット表示の13インチモデル(写真=右)。可搬性の高い約1.08キロの11インチを選ぶか、扱えるデスクトップ領域の広さで13インチを選ぶか悩む人もいるはず。液晶ディスプレイ上部には、ともに720p対応FaceTime HDカメラを内蔵する

SDメモリーカードスロットの有無も11インチと13インチを差別化するポイントになっている。両側面に1ポートずつ搭載するUSBは、USB 3.0に対応した(写真=左)。今回からMagSafe 2ポートを採用したのも目を引く(写真=右)。そのほかのインタフェースは、Thunderboltポート、ヘッドフォン出力端子などで、有線LANがオプションのUSB Ethernetアダプタで対応するのは従来通り

 今回取り上げたのは、11インチMacBook Airの上位モデル(MD224J/A)と13インチMacBook Airの上位モデル(MD232J/A)だ。また、比較対象として、Sandy Bridge世代(Mid 2011)の11インチモデル(MC968J/A)と13インチモデル(MC965J/A)、Penryn世代(Late 2010)の11インチモデル(MC506J/A)を挙げている。ちょうど、前モデル、前々モデルを並べた形だ(なお、OSやドライバのバージョンは統一していないため参考程度に見てほしい)。

今回比較した機種
型番 新型11インチMacBook Air (MD224J/A) 新型13インチMacBook Air (MD232J/A) 11インチ,Mid 2011 (MC968J/A) 13インチ,Mid 2011 (MC965J/A) 11インチ,Late 2010 (MC506J/A)
CPU Core i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz) Core i5-3427U (1.8GHz/最大2.8GH) Core i5-2467M (1.6GHz/最大2.3GHz) Core i5-2557M (1.7GHz/最大2.7GHz) Core 2 Duo SU9400 (1.4GHz)
アーキテクチャ Ivy Bridge Ivy Bridge Sandy Bridge Sandy Bridge Penryn
メモリ 4GB(1600MHz DDR3) 4GB(1600MHz DDR3) 2GB(1333MHz DDR3) 4GB(1333MHz DDR3) 2GB(1066MHz DDR3)
ストレージ 128GB SSD 256GB SSD 64GB SSD 128GB SSD 64GB SSD
グラフィックス Intel HD Graphics 4000 Intel HD Graphics 4000 Intel HD Graphics 3000 Intel HD Graphics 3000 GeForce 320M
ディスプレイ 11.6型ワイド(1366×768ドット) 13.3型ワイド(1440×900ドット) 11.6型ワイド(1366×768ドット) 13.3型ワイド(1440×900ドット) 11.6型ワイド(1366×768ドット)
発売時の価格 9万4800円 12万8800円 8万4800円 11万800円 10万8800円

 まずはOS X Lionで実施したベンチマークテストの結果を見ていこう。CINEBENCH R10のMultiple CPUのスコアを見ると、新型11インチモデルが8027、新型13インチモデルが8698と、旧モデルを大きく上回った。いずれもデュアルコア(4スレッド)CPUで、クロックで見れば100MHz程度の向上だが、順当に処理性能が強化されているのが見て取れる。また、新型11インチモデルと、Core 2 Duoを搭載する11インチモデル(MC506J/A)では2.7倍以上のスコア差があり、たった2年で大きく差がついているのが分かる。

 一方、CINEBENCH 11.5とGeekbenchの結果はほぼCPUなりといったところで、Turbo Boost 2.0時に最大2.8GHzで動作する新型13インチモデルが新型11インチモデルを全体的に上回った。ただ、実際にLion上でさまざまな操作をしてみたが、この数字で見る11インチと13インチの性能差を体感で意識することはまずないと思われる。

CINEBENCH R10(画面=左)、CINEBENCH 11.5(画面=中央)、Geekbench(画面=右)の結果

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