10.1型で1920×1200ドット――画質を極めたAndroidタブ「ICONIA TAB A700」の美しさに酔うTegra 3でフルHD動画もサクサク(2/3 ページ)

» 2012年07月24日 00時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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“フルHD超え”のIPS液晶ディスプレイを搭載

photo 10.1型ディスプレイの解像度は1920×1200ドット。IPSパネルを使用しており、視野角が広いことも特徴だ。静電容量式のタッチパネルは10点同時認識に対応する

 本製品の大きな特徴である高解像度10.1型液晶ディスプレイは、解像度1920×1200ドット(WUXGA)に対応しており、画素密度は224ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)となる。9.7型のRetinaディスプレイを搭載した第3世代iPadの解像度(2048×1536ドット、264ppi)には及ばないものの、Androidタブレットとして、初めてフルHDを超える高解像度、高画素密度に対応したことは特筆すべきだろう。

 Retinaディスプレイと同様にドットが視認できないくらいに表示は精細だ。発色はよく、階調性も整っている。低解像度のコンテンツは引き延ばされてジャギーが出る。アプリのアイコンがいい例で、エイサー独自のアプリなど、プリインアプリは精細に表示されるものが多いが、後からダウンロードしたサードパーティー製のアプリについては、ジャギーが発生するアイコンが多い。

 画質に注力するタブレットとして、広視野角が特徴のIPSパネルを採用したところも評価できる。明るい部分は少々白飛びが見られるものの、視野角は水平、垂直ともに約178度、コントラストは800:1、輝度は348カンデラ/平方メートルと高い性能を持っている。ディスプレイの表面は光沢(グレア)仕上げで、彩度が高いところはよいのだが、鏡のように自分の姿がはっきりと映りこんでしまうところは惜しい。周囲の風景や照明が映りこんでしまい、画面が見づらくなることもあるので、パネルの低反射処理がもう少ししっかりしているとなお良かった。

 とはいえ、フルHD動画をドットバイドット(等倍表示)で視聴できるのは非常に快適だ。動画ファイルを入れて持ち歩くのもいいが、「Hulu」のようなハイビジョン動画コンテンツサービスと非常に相性がよい。外に持ち出して空き時間にドラマを見るといった使い方もできるし、休日にベッドでごろごろしながらアニメを見るのにもちょうどいい。

 オーディオ面では、日本のタブレットで初めてデジタルサラウンド機能「ドルビーデジタルプラス」も備えた。ドルビーデジタルプラスは、Blu-ray Discなどで採用されている次世代のサラウンド規格で、マルチチャンネルスピーカーなどの外部機器にHDMIで接続すれば最大5.1ch(Blu-ray Discのコンテンツは最大7.1chに対応)のサラウンドを楽しめる。HDMI出力なので映像も一緒に映し出せる。

 内蔵スピーカーの音質も高く、特に低音域がしっかりと再生されるので、臨場感が増す。また、バーチャルサラウンドに対応したヘッドフォンを本製品に接続すれば、外出先でも最大7.1chまでのバーチャルサラウンドが楽しめる。

 解像度の高さによる恩恵は動画だけではない。ICONIA TAB A700は電子書籍ストアアプリ「BookLive」をプリインストールしているが、BookLive配信のコンテンツでは、マンガを見開き表示にしても十分読めるし、Webサイトを見る場合も、情報の一覧性が高くて便利だ。Pinterestのような画像スクラップサービスとも相性がいい。

photophoto PC USERのページを見てみた。文字や画像が精細に表示される。特に縦表示は一覧性が高い
photophotophoto PC USER内のニュース記事を最大まで拡大してみた。解像度が高いので、低解像度の画像はジャギーが出てしまう(写真=左)。YouTubeアプリの一覧表示はとても見やすい(写真=中央)。雑誌ふうのデザインでニュースを一覧できるWebサービス「Antenna」を使ってみたが、文字や画像がきれいに表示されるので見応えがある(写真=右)
photo エイサー製タブレット独自のランチャー機能「Acer Ring」。ショートカットは自由に設定できる

 本機には、音楽/動画のネット配信サービスにアクセスする「ICONIA MEDIA2U」や、ホームネットワークに接続しているPC/映像機器などに保存されている音楽や映像、電子書籍などのコンテンツを視聴できる「clear.fi」といった独自アプリも用意しており、さまざまなコンテンツを楽しめるよう、ソフトウェア面のサポートも充実している。ICONIA MEDIA2Uは、邦画や洋画のコンテンツが充実しており、視聴制限(作品によって異なるが、2日間〜1週間)のあるレンタル版は300円〜400円程度とレンタルビデオショップの感覚でコンテンツを購入できる。

 エイサー製タブレット独自の機能としては、ランチャー機能「Acer Ring」も挙げられる。画面中央下部にある、緑のボタンにタッチすると画面中央に大きなリングが表示され、検索ボタン、アプリへのショートカット、音量調整のスライド、Webページへのショートカットが現れる。

仕事に使えるアプリも用意

 ICONIA TAB A700はプライベートだけではなく、仕事で使うことも可能だ。本機はWord、Excel、PowerPointファイルの閲覧/作成/編集が行えるアプリ「Polaris Office」をプリインストールしている(Office 2010のドキュメントは閲覧のみ)。

 クラウドストレージと組み合わせれば、どこでも資料を閲覧できるし、客先で資料を見せるときにも役立つ。画面の解像度も高いので、図表も精細に表示されるところもいい。

 また、拡張ポート接続の変換アダプタ経由ではあるが、標準サイズのUSB 2.0(Standard-A)を利用でき、ホスト機能に対応するので、USBメモリを接続してデータをやりとりすることも可能だ。ネット接続環境が用意できない場合でも、PCからUSBメモリ経由でデータを持ち出せる。

 Polaris Officeではデータの編集も可能だが、文章や表の編集ならともかく、グラフやプレゼン資料の編集となると、PCと同じようにはいかない。Microsoft Officeに比べれば、グラフはテンプレートの数が少なく、文字挿入などの細かい作業に対応していないし、プレゼン資料は図表のテンプレートはそこそこあるものの、アニメーションには対応していない。取引先で見せるような本格的な資料を作成するのは厳しいが、社内の打ち合わせで使うような簡単な資料ならは作成可能だ。文字入力はATOKを搭載しており、変換精度や推測変換の性能が高く、ショートカット入力も豊富で使いやすい。

 ワイヤレスプリント機能「Acer Print」も用意しており、作成した資料をPCに移さずに、そのまま印刷するといったことも行える。アクセス可能なプリンタを自動で検索してくれるなど、設定も簡単だ。

photophotophoto Polaris Officeにはさまざまなテンプレートを用意する(写真=左)。Excelでは表の編集や(写真=中央)、PowerPointは簡単なスライドの作成も行える(写真=右)

 一覧性の高さを生かして、デスク上でノートPCの横に並べて使うのもアリだ。Webブラウザや社内メールを常に表示しておくだけでも、作業効率は大きく上がる。解像度が高いので、表示は小さくなるものの、ディスプレイが10.1型と大きめなので、見づらいということはない。Webブラウザは文字の大きさを変えることもできるが、表示が崩れることが多いので注意したいところだ。専用スタンドなどのオプションは今のところないが、そういったオプションもぜひ用意してほしい。

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