な、なげーーーー!!!。
Ultrabookといっても、わざわざむりやりモバイルシーンで使わなくてもいい。ふつうの「家ノートPC」として活用してもいい――。そんなよくある一般的なPC利用シーンへのテーマを盛り込んだ、14.4型"超"ワイドサイズの新Ultrabook、それが東芝「dynabook R542」だ。
やはり、これまでこのサイズでは存在しなかった"超ワイド"な液晶ディスプレイとボディ形状に目が行く。奥行きサイズこそよくある13.3型クラスのノートPCと変わらないが、アスペクト比21:9の液晶ディスプレイをUltrabookとして初めて採用した。21:9はシネマスコープサイズと呼ばれる劇場映画のそれと同じ比率である。初めて見ると、普段の見慣れたノートPCがにょにょにょと横へ伸び、疲れ目でぼんやり焦点が合っていないのかなと錯覚する……初体験ならではの妙に変な感覚が得られるPCだ。
超横長の液晶ディスプレイといえば、8型で1600×768ドット表示としたソニー「VAIO P」が記憶に新しいが、R542はそれより横方向の解像度が高く、本体のサイズ感もキーボードも、ひとまず違和感なく使える一般的なノートPCサイズとなっている。
主な仕様は、超低電圧版Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)+Intel HM77 Expressの組み合わせに、4Gバイトのメインメモリ(PC3-12800対応DDR3 SDRAM 2Gバイト×2)、500GバイトHDD+32GバイトSSDのIntel Smart Response Technology(ISRT)対応ストレージ、グラフィックスはCPU統合のIntel HD Graphics 4000を利用する。このあたりは2012年夏モデルにおけるUltrabook(のベーシック志向なモデル)と同等の仕様だ。
通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと100BASE-TX準拠の有線LANを実装する。無線LANモジュールはインテルのCentrino Wireless-N 2230で、2.4GHz帯無線において最大300Mbpsでの通信が可能。Bluetooth 4.0+Low EnergyとWi-Fi Direct(無線LAN機器間で直接接続)、Intel WiDi(ワイヤレスディスプレイ接続)などもサポートする。3GやLTE、WiMAXなどモバイルデータ通信機能は内蔵しないが、積極的にモバイルデータ通信を行うことはさほど想定していない本機の性格を考えると妥当といえる。必要であれば、ポータブルルータ型やUSBスティック型の機器を用意すればよいだろう。
本体サイズは368.5(幅)×200(奥行き)×20.8(高さ)ミリ、重量は約1.69キロ。薄型軽量とビジネスシーンでの利便性を追求した同社の「dynabook R632」とは同じUltrabookカテゴリでもずいぶん方向性が異なり、積極モバイル・ビジネス用というより、自宅内で手軽に利活用する、これまでのベーシックPC/A4オールインワンノートPC的な方向に向けた製品テーマが与えられている。
キーボードはアイソレーションタイプ。キーピッチは左右19ミリ/上下17ミリを確保する。配列は素直で、過度に縮小されたキーはない。BackSpaceキーやEnterキーが大きく、カーソルキーも1段下げて配置してあるので誤入力も起こりにくい。キー押下でキーボードモジュールごとわずかにたわむが、タイプ感はそこそこ硬めで、キーバックライトを内蔵するので暗所でも使いやすいのは好印象だ。
タッチパッドはセンサー面が100×65ミリと幅広く、導入されるSynaptics ClickPad V8.1ドライバにより端/2本指でのスクロールや複数本指でのマルチタッチ操作に対応する。
本機はUltrabookだが、有線LAN端子、USB 3.0×3(左側面×2、右側面×1・パワーオフUSB充電対応)、HDMI出力、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力(3.5ミリステレオミリ)、マイク/オーディオ入力(3.5ミリモノラルミニ)など、薄型・軽量を追求する傾向のUltrabookでは省かれがちなインタフェースも普通に備えている。一応、光学ドライブのほか、アナログRGB出力などが省かれるものの、アナログRGB出力はHDMI出力やIntel WiDiでも代替でき、後述する“超ワイド”ディスプレイによる恩恵とともに、徹底したハイスペックやビジネスシーンでの利用を望む層に向けたモデルでもないため、許容できる範囲である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.