やっぱりあると便利です――光学ドライブ搭載Ultrabook「Inspiron 14z」を試す重さも厚さも増えるが、メリットもある(1/3 ページ)

» 2012年08月06日 15時45分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

薄型重視のUltrabookに光学ドライブ?

photo デルが2012年6月に発表した14型Ultrabook「Inspiron 14z」

 2012年6月に“Ivy Bridge”(開発コード名)世代の超低電圧版(TDP17ワットクラス)CPUが発表されて以降、さまざまなサイズのUltrabookが登場した(Ultrabookの発売自体は5月から)。“Sandy Bridge”(開発コード名)世代のCPUを搭載するUltrabookは、液晶ディスプレイのサイズは13.3型が大多数だったが、2012年夏モデルにおいては、海外メーカーを中心に、14型液晶ディスプレイを搭載するモデルがいくつか登場している。

 デルが2012年6月に発表したUltrabook「Inspiron 14z」も、14型液晶ディスプレイを搭載するUltrabookだが、ほかの製品と大きく異なるところが1つある。それは光学ドライブを内蔵していることだ。

 Ultrabookは薄型のボディを実現するため、光学ドライブを省くモデルがほとんどで、光学ドライブを内蔵する機種は少ない。大手のPCメーカーでは、日本エイサーが投入した「Aspire M3-581T」くらいだ(Aspire M3-581TのCPUはSandy Bridge世代だが)。

 デルは、本製品について「普段は家の中でしかPCを使わないような、メインストリーム層にも受け入れられる製品を目指した」としているが、そういったユーザーに内蔵光学ドライブはどういったメリットをもたらすのか。Inspiron 14zで確かめてみよう。

光学ドライブでどれだけ重くなった?

photo 評価機のカラーはムーンシルバー。光沢が強く、金属質なボディだ

 Inspiron 14zのカラーバリエーションは、「ムーンシルバー」と「ファイアレッド」の2種類だ。ボディの素材はアルミ合金で、天面やパームレストにヘアライン加工を施しており、さらさらとした質感が味わえる。今回評価したムーンシルバーは、光沢感が強いものの、決して安っぽい印象は受けない。なお、ファイアレッドの提供開始日については、未定となっている。

 ボディのサイズは347(幅)×240(奥行き)×20.7〜21(厚さ)ミリで、重量は1.858キロ(実測値)。Ultrabookを名乗る条件ギリギリの厚さだ(ディスプレイサイズが14型以上の場合は21ミリ以下、14型未満の場合は18ミリ以下)。光学ドライブを搭載することで、重量や厚さにどれだけ差が出たのか、ほかの14型Ultrabookとサイズを比較してみた。

14型Ultrabookの重量/厚さの比較
機種 重量 厚さ(最厚部)
デル「Inspiron 14z」 約1.87キロ 21ミリ
日本HP「ENVY4-1000」 約1.77キロ 19.8ミリ
日本HP「ENVY14-3100 SPECTRE」 約1.79キロ 23ミリ
デル「XPS 14」 約2.1キロ 20.7ミリ
富士通「FMV LIFEBOOK UH75/H」 約1.44キロ 15.6ミリ
サードウェーブ「Altair F-11」 約1.68キロ 17.9ミリ
東芝「dynabook R542」 約1.69キロ 20.8ミリ

 確かにFMV LIFEBOOK UH75/Hと比べれば厚いものの、同じ価格帯(6〜7万円)であるENVY4-1000やAltair F-11と近い値となっている。日本HPのENVY4-1000と比較すると、重さは100グラム、厚さは1ミリ強の差しかない。光学ドライブを搭載していながら厚さ21ミリに抑えたのは評価すべき点だろう。

 インタフェースは、USB 3.0を2基(うち1基は電源オフ時に接続した周辺機器への給電に対応)、音声入出力、HDMI出力(ver.1.4)、ギガビットLAN、マルチメモリカードリーダー(SDメモリーカード、MMC、メモリースティックに対応)、100万画素のWebカメラを備える。無線ネットワークは、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を利用できる。インタフェースに関しては、ほかのメインストリーム向けのPCと比べて不足はない。

 左側面には有線LAN、HDMI、USB 3.0が配置されているが、すべてカバーが付いている。確かにカバーがあれば見た目もよく、端子部にホコリが入りにくいといったメリットはあるものの、着脱頻度が高いUSBでは少々面倒と感じた。なお、電源オフ時の給電に対応し、USBケーブルを差したままにするシーンが多いと考えられる右側面のUSBはカバーがない。

photophoto 正面と背面にインタフェースはない。厚さは21ミリ(最厚部)とUltrabookを呼称するギリギリの値となっている。正面の左側には電源ランプやストレージのアクセスランプがある
photophoto 左側面のインタフェースはすべてカバーがついている。盗難防止ロック用コネクタや排気口も配置している(写真=左)。右側面にはDVDスーパーマルチドライブのほか、USB 3.0、音声出力、メディアカードスロットを備える(写真=右)

icon
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー