やっぱりあると便利です――光学ドライブ搭載Ultrabook「Inspiron 14z」を試す重さも厚さも増えるが、メリットもある(2/3 ページ)

» 2012年08月06日 15時45分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

アイソレーションタイプのキーボードを採用

 Inspiron 14zが搭載する14型ワイド液晶ディスプレイは、1366×768ドット表示に対応する。室内で使う分には十分な輝度を備えるものの、パネル表面が光沢仕上げであるため、照明や周囲が映り込む。

 キーボードは、テンキーレスのアイソレーションタイプを採用する。各キートップは四隅にアールを付けた形状で、指がフィットしやすいように中央がわずかにくぼんでいる。上下のカーソルキーはキーが接しており、キートップが盛り上がった形状を採用した。キーストロークは約1.5ミリと浅めで、キーを強く押し込むとキーボード面がたわんでしまう。

 主要キーのキーピッチは19(横)×18ミリ(縦)と普通だが、「XPS 14」や「XPS 15」と同様に、BackSpaceなど右端に配置されたキーの横幅が10ミリ程度と狭いため、慣れないうちはミスタッチが多いかもしれない。

photophotophoto 14型ワイド液晶ディスプレイの解像度は1366×768ドットだ(写真=左)。上下方向の視野角は狭いが、液晶ディスプレイは約135度まで開き、見やすくなるよう画面の角度を調節できる(写真=中央)。キーボードはアイソレーションタイプだ。ほかのデル製ノートPCと同様に、右端に配置されたキーのキーサイズが小さいことに注意したい(写真=右)

 タッチパッドは左右のクリックボタンと別々になっており、大きさは100(幅)×51(奥行き)ミリだ。タッチパッドの設定により、3本指でのタッチ、スワイプ(進む/戻るなど)や4本指でのスワイプ(デスクトップの表示、ウィンドウの切り替え、フリップ3D起動などを設定可能)といったマルチタッチジェスチャーに対応するが、マルチタッチジェスチャーを行うときは、少しタッチパッドの奥行きが狭いと感じる(特に3本/4本指での操作において)。

 キーボードの右上には3つのボタンがある。左のボタンはディスプレイの輝度、バッテリー設定、ワイヤレスネットワークなどの設定を行える、Windowsモビリティセンターの起動ボタンで、中央のボタンはサラウンド機能「Waves MaxxAudio 4」の設定ボタン、右のボタンは指定したプログラムの起動、指定したWebサイトの表示、消音といったさまざまな機能を割り当てられる「Dell Instant Launch」の起動ボタンとなっている。

photophotophoto キーボードの右上には3種類のボタンを配置している(写真=左)。Windowsモビリティでは、輝度やバッテリー設定などのさまざまな設定を確認、変更できる(写真=中央)。Dell Instant Launchは指定したプログラムの起動など、自分の好きな動作を割り当てられる機能だ(写真=右)

スリープからの復帰は約1秒

 Inspiron 14zのデータストレージは、HDDとキャッシュ用SSDのハイブリッド構成を採用する。評価機のHDD容量は500Gバイト(5400rpm)で、キャッシュ用SSDの容量は32Gバイトだ。ISRT(Intel Smart Response Technology)によって、レスポンス向上や休止/スリープからの高速復帰が期待できるが、デルはInspiron 14zの高速復帰について「どのような構成でも1秒以内にスリープ状態から復帰する」としている。

photo Inspiron 14zの起動、休止、スリープへの移行/復帰時間。休止時間からの復帰については15秒を超えており、「ハイバネーション(休止状態)からの復帰時間が7秒以内」というUltrabookの要件には当てはまらないものの「インテルから公認されている」(デル)という

 各種動作の時間を実測したところ(ストレージがHDD+SSDの構成である「XPS 15」の結果を併記)、結果は起動時間(コールドスタート)が約20秒、シャットダウンまでの時間が約13秒、スリープ状態への移行は約5秒、スリープ状態からの復帰は約1秒強となった。起動時間を中心に、XPS 15よりも全体的に時間が短く、待たされる感じは受けない。

photophoto CrystalDiskMark 3.0.1の計測結果。SSDキャッシュが有効になる2回目(写真=右)は、1回目(写真=左)と比較してリードのスコアが2倍以上になった

256GバイトSSD+外付けGPUでも10万円未満

 Inspiron 14zの本体スペックは、ベーシック、プレミアム、プラチナ、プラチナSSDと4種類あるパッケージでそれぞれ異なる。主にCPUの種類やシステムメモリの容量、外付けグラフィックスの有無といった差がある。

 BTOカスタマイズにも対応するが、基本的にはパッケージの構成でほぼ固定されており、カスタマイズで変更できるのは、OSやオフィスソフト、テレビチューナーや外付けHDDといった周辺機器のオプションくらいだ。標準のOSは64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)だが、BTOでProfessional版やUltimate版も選択できる(それぞれ5040円、1万1500円の追加料金がかかる)。各パッケージの主なスペックは以下の通り。

各パッケージのスペック
パッケージ名 ベーシック プレミアム プラチナ プラチナSSD
CPU Core i3-2367M(1.4GHz) Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz) Core i7-3517U(1.9GHz/最大3GHz)
メモリ 4Gバイト(4Gバイト×1) 8Gバイト(4Gバイト×2)
ストレージ 500Gバイト(5400rpm)+32GバイトSSD 256GバイトSSD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 3000 Intel HD Graphics 4000 Radeon HD 7570M(グラフィックスメモリ1Gバイト)
価格 6万5780円 6万5980円 7万9980円 9万9979円

 Ultrabookということもあり、全体的に価格を抑えている。CPUの世代が異なるベーシックとプレミアムの価格差が200円ということを考えると、明らかにプレミアムモデルがお得だ。プラチナ、プラチナSSDモデルもコストパフォーマンスが高い。中でもプラチナSSDモデルについては、第3世代のCore i7と256GバイトSSD、さらに外付けGPUを搭載して10万円未満と非常に魅力的な価格だ。

 評価機は「プレミアムモデル」に相当する構成で、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz、3次キャッシュ3Mバイト)、チップセットはIntel HM77 Express、メモリは4Gバイト(DDR3 1600MHz)、ストレージは500Gバイト(5400rpm)+キャッシュ用32GバイトSSD、CPU統合グラフィックス(Intel HD Graphics 4000)、プリインストールOSが64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)となる。

photophotophoto デバイスマネージャでInspiron 14zの構成を確認した。ストレージのスペックをCristalDiskInfoで確認したところ、HDDはHGST製のHTS545050A(500Gバイト、5400rpm)、SSDはサムスン製PM830(32Gバイト、SATA 6Gbps)だった

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