ターガス・ジャパンは、USB 3.0で接続するノートPC向けドッキングステーション「ACP71APZ」「ACP70APZ」を日本国内で出荷する。登場するのは2モデルで、実売予想価格は、上位モデルのACP71APZが2万9800円、下位モデルのACP70APZが2万6500円となる見込みだ。下位モデルはすでにターガス・ジャパンの通販Webページで取り扱いが始まっており、上位モデルも9月初旬から出荷を開始する予定だ。
ドッキングステーションには、本体搭載インタフェースとして、USB 3.0が2基(背面と右側面に1基ずつ)、USB 2.0が4基(背面に3基、左側面に1基)、1000BASE-Tまで対応する有線LANのほか、映像出力インタフェースとしてHDMIとDVI-Iを備える。PCとの接続は、USB 3.0と接続する1本のケーブルだけで、上記のUSBと映像出力インタフェースを利用できる。
また、上位モデルのACP71APZは、電源入力として19.5ボルト6.15アンペア対応コネクタと、電源出力として19.5ボルト90ワット対応コネクタも用意して、ノートPCへの電源供給も行えるが、本体内部に設けたケースには、8種類の電源コネクタを収納して、14メーカーのノートPCに対応する。ノートPCのモデルごとに必要とする供給電圧と電流は、接続したノートPCのモデルをドッキングステーションが認識することで自動で設定できる。この自動設定機能は新しいノートPCが登場してもオンラインでアップデートが可能だ。なお、現在の対応OSはWindows 7のみだが、Windows 8、そして、MacOSにもオンラインアップデートで今後対応するという。
ターガスは、このドッキングステーションの対象としてUltrabookユーザーの需要を特に重視している。今後、ユーザーの増加が期待できるUltrabookは、薄型のボディをそのコンセプトとして最優先しているが、それゆえに、本体に搭載するインタフェースの種類と数が限られる。また、デザイン上の理由から露出するインタフェースを必要最小限に抑えているのに加えて、ボディ内部のスペースが限られるため、専用コネクタが搭載できず、ドッキングステーションを用意できないケースが多い。そのため、サードパーティがUSB 3.0で接続するドッキングステーションを用意することで、Ultrabookで不足するUSBや映像出力インタフェースを拡張し、Ultrabookユーザーの使い勝手を向上することが可能になると、ターガスは説明する。ターガスのドッキングステーションでも、キーボードやマウスはUSB 2.0に、外部データストレージなどはUSB 3.0にそれぞれ接続し、DVI-IとHDMIは同時に利用できるため、Ultrabookでも3画面のマルチディスプレイ環境が構築できる。
ターガスというと、日本ではノートPC用カバンのベンダーとして知られている。ノートPC用カバンは今でもターガスの主力事業で、売り上げの80%近くを構成する。そのターガスのドッキングステーションということで、意外と思うユーザーは多いかもしれないが、海外では、ノートPC用電源アダプタや周辺機器のベンダーとしても実績がある。
また、従来は北米市場と欧州市場が多かった売り上げも、この数年で中国とインドをはじめとするアジア太平洋州が急速成長していて、3年後には、北米と欧州の売り上げ規模を超えると、ターガスは予測している。日本市場でも、従来店頭販売がヨドバシカメラの店舗に限られていたのを、2011年からそれ以外の量販店でも扱うようになり、売り上げを伸ばしているという。
ターガスジャパンによると、日本のノートPC向け市場は、価格帯が1万円以上と2000円以下に分かれているが、ターガスの製品はその間の6000円前後の価格帯で製品を投入しているのが、日本で成功している理由の1つと説明する。さらに、次の目標としては、地方の市場でノートPC向け製品の主流となっている2000円前後の実売価格帯を、高い品質とトータルのコスト(安いカバンは、すぐに壊れてユーザーは買いなおすことになる)のメリットで、まずは、実売価格3000円台に誘導し、将来的には、5000〜6000円台のターガス製品を地方のユーザーにも選んでもらえるようにするという。
ターガス・ジャパンでは、そのために、地方における量販店でも、自社製品を訴求するショーケースやPOP展開を中心としたプロモーションを行っていく予定だ。
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