Lenovoブースでは、テーブルのようにディスプレイを倒せる液晶一体型PC「ThinkCentre A720」を大量に展示したほか、日本でも正式に発表した「ThinkPad X1 Carbon」、そして、2012 International CESでWindows 8対応PCとして紹介している「IdeaPad Yoga」などをそろえた一方で、IFA 2012で新たに登場した展示はなく、“IFA 2012で登場”となるはずだったClover Trail搭載の新型タブレットデバイスは、正常に動作せず展示から外されていた。
ちなみに、IFA 2012では、Windows RT対応デバイスの展示で期待されたほどの数がなかったが、Clover Trailを搭載するタブレットPCをLenovo、HP、Acerで確認できるなど、Atomプラットフォームの復活が目立っている。Atomを搭載したタブレットPCやノートPCは「従来のWindowsで使ってきたデスクトップPC向けアプリケーションがそのまま使える」ことが、Windows 8専用アプリしか利用できないWindows RTの制約に対する優位性として認識されており、今後の展開に注目したい。
Hewlett-Packard(HP)は、IFA 2012で自社ブースを用意せず、IFA 2012に併催の「ShowStoppers」「DigitalFocus」といった“場外”イベントでの展示にとどまっていた。この2つの場外イベントで展示していたのがClover Trail採用のタブレットPC「Envy x2」で、コンパクトな本体に着脱可能なキーボードを採用するなど、持ち運びに適した形状となっていた。
Dellは、IFA 2012に合わせて、Ultrabookを1機種、Windows RTタブレットデバイスを1機種発表している。ブースでもこの展示が中心となっていた。Ultrabookとして登場したのが「XPS Duo 12」で、以前にも公開していたディスプレイを回転するギミックを採用して、クラムシェルのノートPCとスレートタイプのタブレットPCへ変形できる。Windows RTデバイスとして登場するのは「XPS 10」で、タブレットデバイス単体で利用できるほか、着脱可能なキーボード搭載ドッキングステーションに搭載するバッテリーを利用して駆動時間の延長が可能だ。
Acerのラインアップは、液晶一体型PCを除くと、ノートPCとタブレットデバイスに集中する。実売価格帯や搭載する液晶ディスプレイのサイズに合わせて幅広い製品を用意するが、IFA 2012で注目したいのは、タブレットPCに着脱可能なキーボードを付属したClover Trail採用モデルで、Coreプロセッサー・ファミリー採用のUltrabookとともに主力のラインアップになるとAcerは説明している。
なお、Acerは、MicrosoftがSurfaceでPCハードウェアビジネスに参入することを強く批判して、Windows RT採用デバイスの参入を見送ったメーカーの1社だ。一部には2013年初頭にWindows RT採用デバイスを出荷するのではないかといううわさもあるが、その動向は不明だ。
IFA 2012では、Intel製品を集めた共同出展ブースがあり、ここでは、自社専用ブースを持たないASUS、HP、そして、富士通の製品を展示している。ASUSとHPの展示コーナーでは最新製品が確認できず(HPの「Envy x2」は“場外展示エリア”にあった)、ASUSの展示製品は、すべてWindows 7搭載モデルだった。一方で、富士通はタブレットデバイスからノートPC、液晶一体型PCまでWindows 8対応製品を訴求していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.