Marvell「88SS9187」でどこまで速く?──PLEXTOR「M5 Pro」を試すファームウェアでも性能が変わるというが(2/3 ページ)

» 2012年09月07日 11時30分 公開
[長畑利博,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

新旧ファームウェアの性能を検証する

 SSDは、ファームウェア次第で性能や信頼性が大きく変わることから、バージョンアップを繰り返し行う。特に、新しいコントローラを搭載したモデルでは、こうした傾向が著しい。M5 Proシリーズも、8月13日にファームウェアが1.01にバージョンアップしている。新ファームウェアでの変更点は、特に公開しておらず、どのような変更を施したのかは不明だ。ファームウェアのアップデート作業は、メーカーが配布するisoファイルをCD-Rに焼き、CD-ROMブートから書き換える。作業自体は、数十秒で終了する。

 今回は「PX-256M5P」でファームウェアを更新し、新旧で性能の違いがどの程度あるのかもチェックしている。実施したベンチマークテストと、評価作業で用意したシステムの構成テストは、これまでのSSDレビューから変更したので、過去に掲載したレビュー記事のベンチマークテストの結果とは直接比較できないが、参考としてM3 Proのレビューで測定したベンチマークテストの結果とも比較した。実施したベンチマークテストは、「CrystalDiskMark v3.0.1C」「HD Tune Pro 5.00」、「AS SSD Benchmark」だ。接続設定はすべてAHCIモードで、Serial ATA 6Gbps用インタフェースを使用している。

テストに用いたシステム構成
CPU Core i7-3770K(3.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)
マザーボード ASUS P8Z77-V(Intel Z77 Express チップセット)
メモリ Corsair Memory CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800(DDR3 1600MHz DDR3 SDRAM 2Gバイト×2枚)
システムSSD Intel SSD 330(容量128Gバイト)
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate SP1

CrystalDiskMark v3.0.1C

1000MB All 0x00, 0Fill

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

1000MB

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

4000MB All 0x00, 0Fill

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

4000MB

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

 CrystalDiskMark v3.0.1Cのテスト項目は、デフォルトの「ランダムデータ」と「0」連続して書き込む「0Fill」、書き込みデータは1000Mバイトと4000Mバイトの2種類を計測している。新旧ファームウェアの違いでは、新ファームウェアでシーケンシャルリードの性能がわずかながら向上しているほか、4K QD32でも性能の向上が確認できる。新ファームウェアとM3 Proとの参考比較では、M5 Proでシーケンシャル性能、512Kバイトの書き込み性能、そして、NCQ使用時のランダム4Kバイトの性能を調べる4K QD32性能のそれぞれで改善がみられた。特に、4K QD32(1000Mバイト デフォルト)については、「PX-256M3P」がリード306.4Mバイト/秒、ライト264.1Mバイト/秒であるのに対して、「PX-256M5P」ではリード376.7Mバイト/秒、ライト341.2Mバイト/秒と性能差が出ている。PLEXTORが示す仕様通りにランダムアクセス関連の性能が向上していることが確認できる。

HD Tune Pro 5.00

64KB Read

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

64KB Write

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

8MB Read

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

8MB Write

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

ファイルベンチ0Fill

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

ファイルベンチMixed

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

ランダムアクセスRead

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

ランダムアクセスWrite

M5 Pro(新ファームウェア)
M5 Pro(旧ファームウェア)
M3 Pro(参考データ)

 HD Tune Proで気になったのは新旧ファームウェアにおける性能の違いだ。新しいファームウェアに更新すると、Benchmarkテストの64Kバイトリードの転送速度に大きなバラツキが出るようになった。更新前のファームウェア1.00では最大335.5Mバイト/秒、最小356.2Mバイト/秒、平均343.3Mバイト/秒であったのに対して、更新後では最大378.1Mバイト/秒、最小148.02Mバイト/秒、平均342.1Mバイト/秒と最大と最小の差が大きくなっている。新しいファームウェアとM3ProでIOPSの結果を比較すると、NCQ使用時のランダム4Kバイトの性能を調べる「4K random multi」とシーケンシャル時の数字は、M5 Proの新ファームウェアが上回る。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー