キーボードは、これまでのThinkPad X1シリーズと同様に、アイソレーションタイプの6列配置レイアウトを採用する。キーピッチは、標準サイズのキーで横方向縦方向ともに実測で約19ミリ、右下に配置している一部の狭小サイズのキーで横方向が約14ミリだった。キートップのサイズは標準サイズで約16ミリ、狭小サイズで約14ミリだ。縦方向は下辺の中央部が膨らんでいるので左右両端が約13ミリ、中央部が約15ミリとなる。
スペック表で示されたキーストロークは、1.8ミリと従来のThinkPad X1シリーズの2ミリから短くなった。また、これまでは、最上段のファンクションキー列がその下の列より高くなっていた(実測で1ミリほど)が、ThinkPad X1 Carbonでは、すべて同じ高さにそろえている。
レノボ・ジャパンの説明では、キーボードのパンタグラフ機構で軸部のがたつきを従来の50パーセントに抑えることで、入力ミスを低減したほか、キーボードユニットのベースパネルに、キートップの両端に合わせて“穴”を設けることで、キートップの端を押して発生する「不快な底突き感」の発生を抑えるなど、キーボードを快適に使う工夫を訴求している。
実際に、文章入力など長時間連続のキーボード操作を行っていても、キーピッチを十分確保しているおかげで、指がすれるようなストレスはない。ただ、がたつきや底突き感を減らしたことによる変化を明確に感じることはなかった。これは、評価担当者が、以前レビューしたThinkPad X1、および、ThinkPad X1 Hybridのキーボードで、がたつきや底突き感をほとんど意識することなく、不快と思わなかったためかもしれない。従来のモデルでこのあたりに不満を感じていたユーザーには、その変化がはっきりと認識できるかもしれない。
キーストロークは、わずか0.2ミリ違いに過ぎないが、実際にキーボードを押してみると意外と感触が違ってくる。ただし、“違う”ことが分かるだけで、“不快”とはならない。キーをぐぐぃと押していることは十分認識できるし、キーボードのベースパネルは、押した指の力をぐっと受け止めてくれる。通常の強さでキーを押している分には、ボディやキーボードにたわみは発生しない。
なお、使い始めの慣れないうちに限るが、キーを押してから想定より前にキーが“ぐっ”と押した力をキーボードのベースパネルが受け止めるので、それが、微妙な疲労となって指にたまるのを感じた。客観的なデータでなく主体的な感想なので、これが一般的な傾向かどうかは言い切れないところだが、参考までに記しておきたい。
ACアダプタは、サイズが実測で約124(幅)×48(奥行き)×29(高さ)ミリで、重さはコード込みで実測が約407グラムとなる。そのサイズと重さは従来のThinkPad X1シリーズと同じで、ThinkPad Xシリーズに付属するACアダプタより大きくて重い。これは、ThinkPad X1シリーズが、「充電開始30分で容量の80パーセントまで充電」できる急速充電機能に対応するのにACアダプタの出力で90ワット(20ボルト、4.5アンペア)を必要としているため、その結果、ACアダプタがThinkPad Xシリーズと比べて大きくなるからだ。
なお、Ultrabookのカテゴリーに入るThinkPad X1 Carbonでは、本体に内蔵したバッテリーに外からアクセスできない。スペック表には、4セルのリチウムポリマーと説明があるが、容量については説明がない。オンラインソフトの「YbInfo version 1.0」で確認したところ、出力電圧が16.8ボルトで、容量は46ワットアワー(2738ミリアンペアアワー)となった。スペック表におけるバッテリー駆動時間は、Core i7搭載モデルが7.8時間、Core i5搭載モデルが7.7時間としている。評価した機材は、Core i7-3667Uを搭載したモデルで、システムメモリの容量はDDR3 1333MHzが4Gバイト、データストレージは容量256GバイトのSSDを搭載する。OSはWindows 7 Home Premiumを導入していた。この構成で、電源プランをバランスに設定し、液晶ディスプレイの輝度を15段階中のレベル8にした状態で、BBench 1.01(海人氏・作)で条件「60秒間隔でのWeb巡回」「10秒間隔でのキーストローク」で測定したところ、バッテリー残量5パーセントまで6時間59分という結果だった。
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