ソニーは10月1日、2012年PC秋冬モデルとして「VAIO」ブランドの6シリーズを発表した。概要や各モデルの詳細は、以下の記事に譲り、ここでは同日行われた製品発表会の模様をリポートしよう。
新製品発表会では、ソニーVAIO&Mobile事業部本部長の赤羽良介氏が、VAIOに関する商品戦略について説明した。同社の予測によれば、今後タブレットの市場が拡大する一方で、ノートPC市場も同様に継続して成長が見込まれるという。これをけん引すると期待されているのが、タブレットとノートPCの両方の使い勝手をWindows 8で実現した“ハイブリッド”な製品だ。
そこで同社は、Windows 8の操作感を最大限に生かすタッチインタフェースに注力し、2012年秋冬モデルでタッチパネル搭載モデルを大幅に拡充。新シリーズとなる「VAIO Duo 11」と「VAIO Tap 20」で「(PCの)まったく新しい使い方を提案していく」(赤羽氏)という。
VAIO Duo 11は、同社が「スライダーハイブリッドPC」と呼ぶ11.6型モバイルノートPCで、独自の「Surf Slider」デザインにより、タブレットモードとキーボードモードを「一瞬で」(赤羽氏)使い分けられるのが特徴だ(関連記事:Windows 8に最適化したタブレット/ノートのハイブリッドPC――「VAIO Duo 11」)。
赤羽氏は「こだわったのはandかorかという点。(VAIO Duo 11では)PC or タブレットではなく、PC and タブレットとして、常にどちらでも使えることを追求した」と製品コンセプトを解説。続けて、付属のデジタイザスタイラス(ペン)による入力について触れ「ペンは自由な発想に最適な道具だ。本当の紙のように使えるユーザー体験をPC上で実現しつつ、紙ではできない編集や整理、検索といった紙以上の使い勝手も提供している」と述べ、その例として独自ソフトの「Active Clip」を使ったデモを披露した。
もう1つの注目製品であるVAIO Tap 20は、液晶ディスプレイを水平に寝かせた“テーブルトップスタイル”により、1つの画面を複数人で操作する利用シーンを想定した「まったく新しいコンセプト」(同社)のデスクトップPCだ。同社はこれを「テーブルトップPC」という新カテゴリーのPCに位置付けている。
ディスプレイは20型ワイド(1600×900ドット)で視野角の広いIPS液晶を採用、10点マルチタッチに対応した静電容量式のタッチパネルを備える。複数人で使うコンセプトから、2人用のお絵かきソフト「Family Paint」などの独自ソフトをプリインストールしているのも目を引く。また、公称約3.5時間のバッテリーを内蔵し、好きな部屋に持ち運んで利用できるのもポイントだ。「自由なスタイルで使うことができ、小さな子どもがいるファミリーに向いている。特に母親に喜んでほしい」(ソニーマーケティングITマーケティング部統括部長の下野裕氏)。
このほか、周辺機器やサービスと連携も強化していく。具体的には、同社のネットワークレコーダー「nasne」と、「VAIO TV with nasne」により、「家のどこからでもテレビが見られる。すべてのVAIOがテレビになる」(赤羽氏)といった提案や、NFC(Near Field Communication)で煩雑な認証過程なしにスマートフォン(Xperia)とVAIOとのデータ同期が行えるような、新しいユーザー体験も提供していくという。
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