KDDI、auスマホ・タブレットの2012年冬モデル10機種を発表――全機種LTEに対応しテザリングも提供「スマートパス」もサービス拡充

» 2012年10月17日 12時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 KDDIは10月17日、auの2012年冬モデルを発表した。Androidスマートフォン9機種に、Androidタブレット1機種を加えた合計10機種をラインアップ。すべて、下り最大75Mbpsの高速通信が可能な「4G LTE」に対応する。

photo 上段左から、HTC J butterfly、Xperia VL、GALAXY S III progre、AQUOS PHONE SERIE。下段左から、ARROWS ef、Optimus G、DIGNO S、VEGA、G'zOne TYPE-L

※初出時に秋冬モデルとしておりましたが、発売時期などから表記を“冬モデル”に変更・統一いたしました(10月17日22時30分)

 スマートフォンはすべてワンセグとおサイフケータイをサポートし、うち8機種が防水ボディと赤外線通信機能を備えた。また7機種がFeliCaに加えてNFCも利用できる。新モデルは10月18日から、KDDIデザイニングスタジオ、au NAGOYAで展示される。

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photo 「HTC J butterfly HTL21」を手にするKDDIの田中社長

 HTC製の「HTC J butterfly HTL21」は、5インチのフルHD液晶、クアッドコアプロセッサー、最新のAndroid 4.1を搭載した意欲的なモデル。ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia VL SOL21」は、グローバルモデル「Xperia V」の日本市場向け製品。モバイルブラビアエンジン2やWALKMANアプリなどを備え、エンターテインメント機能を強化した。Samsung電子製の「GALAXY S III progre SCL21」とLGエレクトロニクス製の「Optimus G LGL21」は、それぞれNTTドコモ向けの「SC-06D」「L-01E」とほぼ同じ仕様の兄弟モデルで、人気のグローバルモデルをauでも選択できるようになった。

 シャープ製の「AQUOS PHONE SERIE SHL21」は、光学手ブレ補正に対応した1312万画素CMOS搭載のカメラ重視モデル。ディスプレイには、高輝度・高画質と省エネ性を兼ね備えた独自のS-CG Silicon液晶システムを採用した。富士通モバイルコミュニケーションズ製の「ARROWS ef FJL21」は、フィーチャーフォンからの乗り換え組を意識した製品で、持ちやすいボディと高いパフォーマンスを誇る。また京セラ製の「DIGNO S KYL21」は、auスマホで最大という2520mAhの大容量バッテリーを搭載。タッチパネル全体が音を伝える技術や、声で文章を入力する機能を採用した。そしてPantechが久しぶりにAndroid端末をauに供給する。「VEGA PTL21」はモーションセンサーを駆使した“タッチしない”インタフェースが特徴。端末に触れず、手のジェスチャーでさまざまな操作が行える。

 さらにauで人気の“G'zOne”にも新モデルが登場した。「G'zOne TYPE-L CAL21」は同ブランド2機種目のAndroidスマートフォンで、もちろんLTEに対応。搭載センサーは従来の温度/方位/加速度/ジャイロに加え、新たに気圧計が追加された。端末ユーザー限定のクラウドサービスも用意している。

photo AQUOS PAD

 唯一のAndroidタブレット「AQUOS PAD SHT21」は、“AQUOS”ブランドを冠した初のAndroidタブレット。またauのタブレットとして初めて、3Gや4Gなどの移動体通信規格に対応した。なお音声通話は行えず、パケット通信のみの利用となる。ディスプレイは7インチ1280×800ピクセルのIGZO液晶で、付属のペンを使った手書き入力も可能。バッテリーも3460mAhと大容量のものを採用した。

 冬モデルのLTEサービスは800MHz帯を使っており、iPhone 5向けの2.1GHz帯とは別の帯域を用いる。また2013年以降に、LTEの通信速度を112.5Mbpsに高速化する計画も明らかになった。そのほか、基地局間に生まれる電波の弱いエリアをカバーするピコセル基地局や、LTEから3Gの切り替えを基地局側で高速化する「Optimize Handover」の導入も発表された。

photophotophoto KDDIもLTEの高速化を表明した(写真=左)。AndroidでのLTEは800MHz帯を用いる(写真=中央)。LTEエリアの穴をカバーするピコセル(写真=右)

photophotophoto 基地局でのLTEと3Gの切り替えを高速化するOptimize Handover(写真=左、中央)。端末側ではCSフォールバックにより、3Gと4Gのどちらの電波を探すべきかを判断。電池の消費を抑制する(写真=右)

photophotophoto もちろん、全機種でテザリングに対応する(写真=左)。無線LANもIEEE802.11nの「HT40」モードに対応し、HOME SUPOT cubeなどと最大150Mbpsの通信が行える(写真=中央、右)

 10機種とも、冬モデルとして11月2日から順次発売する。また発売に合わせて、LTEプランの基本使用料(月額980円)が最大1年間半額になり、さらにテザリングオプション(月額525円)が最大2年間無料になる「スマホ基本使用料半額キャンペーン」を11月2日から実施する。期間は12月31日まで。

スマートパスもサービス拡充 「ブックパス」がスタート

 KDDIは冬モデルの発表に合わせて、auスマートパスのサービス拡充も発表した。提供するアプリ・サービスのラインアップが拡大したほか、限定クーポンの提供先企業も追加。またクラウドサービスの「データお預かり」は容量を10Gバイトから50Gバイトに増強する。楽曲聞き放題のうたパスでは、ユーザーの好みに応じて選曲するマイミックス機能を新たに実装する。ビデオパスは端末のLTE対応に合わせ、コンテンツの再生解像度に360pモードを追加。3G環境では240p、Wi-Fi環境では480pとなっており、その中間品質を用意することで、モバイル環境でもより高精細な映像を楽しめるようになった。

 そしてスマートパスポート構想の新サービスとして、電子書籍サービスの「ブックパス」を開始する。従来の「LISMO Book Store」をリニューアルし、新たにマルチデバイスでの読み放題プランをスマートパス会員向けに先行で提供する(Androidのみ)。料金は月額590円を予定しているが、2013年3月末までは0円で提供する。

 また各サービスをセットで加入した場合の割り引きキャンペーンも行う。年度内に限り、スマートパス+うたパス+ブックパスにセットで加入すると月額390円、さらにスマートパス+うたパス+ブックパス+ビデオパスにまとめて加入すると月額780円で提供する。

photophotophoto 発表会にはゲストとして、auのCMに出演している井川遥さん(写真=左)、伊勢谷友介さん(写真=中央)、剛力彩芽さん(写真=右)が登場

photophoto 田中社長とトークセッションを行った
KDDI auの2012年冬モデルの主な特徴
機種名 特徴 詳細記事 写真記事
HTC J butterfly HTL21 5インチのフルHD液晶を採用したAndroid 4.1搭載モデル。1.5GHz駆動のクアッドコアプロセッサー(APQ8064)を搭載した。アウトカメラは800万画素でインカメラは210万画素。F値2.0と明るく、画角が88°と広角のレンズを採用した。ボディは防水仕様で、FeliCa/NFC、赤外線、ワンセグに対応する。 詳細記事 写真記事
Xperia VL SOL21 4.3インチのHD液晶「Reality Display」を搭載した製品。OSはAndroid 4.0で、1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を搭載した。アウトカメラは1300万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を採用した。映像高画質化エンジン「モバイルブラビアエンジン 2」や「WALKMAN」アプリなどソニーグループの技術を盛り込んでいる。弧を描くような薄型ボディは防水・防塵仕様。FeliCa/NFC、赤外線に対応する。ワンセグも視聴できるが、付属のアンテナアダプターが必要 詳細記事 写真記事
GALAXY S III Progre SCL21 4.8インチのHD SUPER AMOLED(有機EL)を採用したAndroid 4.0搭載スマートフォン。1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を採用している。アウトカメラは810万画素CMOSで、インカメラには190万画素CMOSを用いている。ユーザーの視線を検知してディスプレイのバックライトを消灯しない「Smart stay」など、Samsung独自の機能を内蔵した。ワンセグとFeliCaに対応する。NFCには非対応だ。 詳細記事 写真記事
AQUOS PHONE SERIE SHL21 4.7インチのHD液晶(S-CG Silicon液晶システム)を搭載したシャープ製のAndroid 4.0スマートフォン。1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を採用した。アウトカメラは1312万画素CMOSで光学手ブレ補正に対応。またカメラの高速起動にも対応。HD動画撮影時のステレオ録音も行える。ボディは防水防塵仕様、おサイフケータイのほか、NFC、赤外線、ワンセグに対応した。 詳細記事 写真記事
ARROWS ef FJL21 4.3インチ液晶を搭載し、同時発表の冬モデルの中では比較的扱いやすいサイズのスマートフォン。ディスプレイはHD表示で、OSにはAndroid 4.0を採用した。1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を搭載する。アウトカメラは810万画素CMOSで撮影モードも多彩。ボディは防水防塵仕様で、スマート指紋センサーも搭載する。またウルトラタフガードplusでキズも付きにくい。おサイフやNFC、赤外線、ワンセグをサポートする。ほかプライバシーモードも用意した。 詳細記事 写真記事
Optimus G LGL21 IPS方式の高輝度4.7インチHD液晶ディスプレイを搭載したモデル。OSはAndroid 4.0を採用した。1.5GHz駆動のクアッドコアプロセッサー(APQ8064)でハイパフォーマンスを誇る。アウトカメラも1300万画素CMOSとハイスペック。クアッドコアのパワーを生かしたQスライドやQメモなどの新UIも用意した。ボディは防水仕様で、FeliCa/NFC、赤外線、ワンセグが利用できる。 詳細記事 写真記事
DIGNO S KYL21 4.7インチのHD液晶を採用したAndroid 4.0搭載スマートフォン。プロセッサーはデュアルコア1.5GHz駆動のMSM8960。スマホとしては最大級の容量2500mAhバッテリーのほか、急速充電に対応した卓上ホルダを備える。アウトカメラは808万画素の裏面照射CMOS。FeliCaとNFCのほか、赤外線、ワンセグに対応した。ボディは防水防塵仕様。 詳細記事 写真記事
VEGA PTL21 Pantech製のAndroid 4.0搭載スマートフォン。ディスプレイには4.3インチのHD液晶を採用した。プロセッサーは1.5GHz駆動のデュアルコアMSM8960。防水・防塵ボディにFeliCa/NFC、赤外線、ワンセグなどの機能を備えた。端末に手をかざして操作するモーション認識機能にも対応している。 詳細記事 写真記事
G'zOne TYPE-L CAL21 人気のG'zOneシリーズの最新作。ディスプレイは前モデルと同じ4インチのワイドVGA液晶を搭載する。おサイフケータイと赤外線のほか、新たにワンセグに対応した。またセンサーには気圧計が新搭載された。ユーザー向けのクラウドサービス「G'zWORLD」が利用できる。ボディはもちろん、防水・防塵・耐衝撃仕様。OSはAndroid 4.0で1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を搭載する。アウトカメラは808万画素。 詳細記事 写真記事
AQUOS PAD SHT21 7インチのワイドXGA表示IGZO液晶を搭載したAndroidタブレット。付属のスタイラスペンと手書きアプリを使い、メモ帳のような使い勝手を実現した。OSはAndroid 4.0。1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサー(MSM8960)を採用している。カメラは800万画素のCMOS。ボディは防水防塵仕様で、NFCやワンセグなどに対応している。バッテリーは大容量の3460mAh。音声通話はできずデータ通信のみをサポートする 詳細記事 写真記事

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