液晶ディスプレイのサイズは12.5型ワイドで、表示画素数は1366×768ドットとなる。Windows 8の要件には、Windowsストアアプリを利用するには1024×768ドット以上、Windowsストアアプリのスナップ機能を利用するには1366×768ドット以上という指針があるが、もちろんそれを満たしている。
IPSパネルを採用しているため視野角が広く、見る角度を気にせずとも画面全体を美しく見渡せる。輝度は十分に明るく、色味も正常に近い印象だ。表面は光沢仕上げされているため、周囲の映り込みはしやすいが、写真や映像の表示はとても鮮やかに表示できる。
ただし昨今のモバイルPCユーザーには、この画素数では物足りないという人も少なくはないだろう。前述したVAIO DuoやLet'snote AXよりひと回り大きい12.5型サイズの液晶ディスプレイを搭載しているのだから、もう少し高画素の表示に対応してほしかったというのも正直なところだ。
もちろんマルチタッチ対応の静電タッチセンサーも内蔵する。タッチ操作の指の滑りは非常に良好で、爪の横でそっと触れる程度タッチしてもしっかり反応する。位置検出の精度も上々で、デスクトップ画面でも十分指だけで無理なく操作できる印象だ。
なお、タッチ操作を行う本機のディスプレイ面は、強度を確保するための強化ガラスとともに指紋が拭き取りやすい「耐指紋コーティング」が施される。一般的に光沢仕上げなガラス面へのタッチ操作は指紋や皮脂の付着が目立つが、なるほど、確かにこれまで使っていたタッチ機器のそれと比べると、ハンカチなどでも拭き取りやすいことが実感できた。
総合的にWindows 8のシームレスで軽快なUI体験を存分に楽しめる仕上がりだ。さらにオプションでペン操作用のスタイラスペンも用意され、手書きメモやお絵かき用途、Adobe Photoshop Elements 10など画像処理ソフトにおける切り抜きといった作業も快適にできるようになっている。
さて、表面のラバー調加工によりタブレットスタイルでもグリップはしやすい。ただ、さすがに1.5キロ近い重量となると、しばらく使うまでもなく、持ち上げた段階でずっしりと感じるレベルだ。立ったまま片手で持って活用するにはかなりの腕力が必要だろう。ただ、手だけで持とうとせず、腕に乗せて抱えるように使うとかなり重さの負担はかなり楽になる。
キーボードは標準的な6段配列を採用している。キーピッチは約19(横)×約17(縦)ミリで統一してあり、[Enter]キーや[BackSpace]キーは広めに確保されている。変な配列も見られず、ミスタイプを防ぐためカーソルキーを半段下げる工夫もみられる。
なお、キートップに指を置きやすくする“浅いすり鉢状の加工”などがない点は好みが分かれそうだが、すっと軽い力で押せ、適度な力で戻ってくるタイプ感はなかなか良好だ。キーボード下の剛性もしっかり確保されており、強めにタイプしてもたわみ、ゆがみなどの不快さは感じない。
キーボードの手前には、タッチパッドとクリックボタンを一体化したクリックパッドが備わる。マルチタッチでのジェスチャー操作に対応しており、2本指でのスクロールやつまみズームが標準で有効に、さらに「3本指で弾く」「4本指で弾く」といった動作にも機能を割り当てられる。
このほか、Webカメラを利用した「東芝ジェスチャコントローラ」や音声認識を利用した「てぶらナビ」といった入力方法も用意されている。こちら、Siriやしゃべってコンシェルなどスマートフォンでも利用者が増えている音声認識を利用した機能だ。
音声認識の精度は高く、天気予報など一部の機能はかなり実用的に使えると感じた。ただ、Webページの読み上げ時にURLも文字列からポップアップした広告まで全部読み上げてしまうなど、まだまだ実用に足りないと思える部分もあった。もう少しこなれてくれば「寝モバ用途」としておもしろいかもしれない。
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