では、それぞれのサウンドをチェックしよう。今回は2モデルともデジタルアンプということで、以前紹介した「DN-68360」や、Carot One「GILDOLO」とも比較する。なお、ORBのオーディオ機器用高性能マルチセレクター「MC-SW3」を用い、即座に機器を切り替えられる環境で試聴した。
まずDN-82621は、ドライブ感の強いパワフルなサウンドである。試聴スピーカーとしているELAC「BS52.2」は決して鳴りやすい性格ではなく、モノを意外と選ぶのだが、そんなBS52.2でもメリハリのあるサウンドを奏でてくれたのは驚きだ。
解像度感はそこそこのレベルだが、抑揚表現がダイナミックなのであまり気にならない。想像以上に聞き応えのあるサウンドだ。比較対象として同時に聞いたGILDOLOに勝るとも劣らない、駆動力の高いアンプである。
対するDNSB-23792は、DN-82621と正反対ともいえるキャラクターだ。ていねいで緻密な表現を得意とし、繊細なニュアンスもしっかりと伝えてくれる。解像度感の高さについても、デジタルアンプであることを失念してしまうくらいの好ましさ。ピークやディップをほとんど感じない、プレーンで、優等生的なサウンドが魅力的だ。
しかし、同時に聞いたDN-82621とGILDOLOがかなりパワフルなサウンドであることもあり、聞き続けているともう少し抑揚感が欲しいと思うようになってくる。これはBS52.2との相性と言えるのだが、あと少し駆動力が高まるだけで完ぺきと思えるバランスになりそう……なのだ。そこがかなり惜しい。こちらDNSB-23792に、DN-82621のACアダプタ(24ボルト/4アンペア)ほどの出力のものが付属していれば……意外とイケるかもねと妄想してみたりする。
音質評価 | 上海問屋「DN-82621」 | 上海問屋「DNSB-23792」 |
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解像度感 | (粗い−○−−−きめ細かい) | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−○−−−ワイド) | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−○−フラット) | (低域強調−−−○−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) | (迫力重視−−−○−質感重視) |
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