BenQ台湾本社 IT Display Products Business Unit Product Managerのスクリード・リャオ氏は、BenQが、ゲーミングディスプレイという側面を訴求する理由について、PCゲームに限らず、コンシューマーゲームユーザーにとってもディスプレイは最も主要なデバイスで、その機能やスペックを重視して選択するためと説明する。
ゲームイベントなどでは、スペック的な利点とゲームプレイにおけるスムーズな表示などで、液晶ディスプレイよりすぐれて“いた”CRTディスプレイを採用していたものの、現在では、液晶ディスプレイのスペックも向上し、高いリフレッシュレートにも対応してスムーズな表示が可能になるなど、ゲーマーが求める高い機能と性能を液晶ディスプレイでも実現できるようになったという。
リャオ氏は、ゲーミングディスプレイに必要でBenQの製品に反映した条件の1つとしても、垂直同期クロックが120Hzまで対応することを「Smooth Feeling」として紹介している。垂直同期クロックが60Hzまでのディスプレイでは、FPSのプレイで、フリッカーの発生や表示するオブジェクトの輪郭がはっきりしないために敵の視認が困難であること、そして、銃の動きが“カクカク”とジャンプするようになってしまい照準が定まらないのに比べ、垂直同期クロックが120Hzのモデルでは、表示がスムーズになることで、それまで問題となっていた表示や動きが解決する。
リャオ氏が、ゲーミングディスプレイの条件として次に挙げたのは「Precise in Visual」だ。ここに含まれる条件の1つに、操作するマウスの移動量と画面で動くキャラクタの移動量が等しくなる「Smart Scaling」がある。実例として紹介したFPSでは、銃の照準を定めるときに、マウスの移動量と画面の中で動く銃身の移動量を等しくすることで、自然な動きで直感的に照準しやすくなる。
FPSやRTSなどで勝負を分ける「敵ユニットのいち早い発見」のためには、「Clear Vision」という条件も必要になる。暗い場面が多くなるファンタジー系のRTSなどでは、暗闇から敵ユニットが出現してくる場合も多い。このとき、描画するラインが黒の中につぶれることなく“クリア”に表示することで早期に発見することが可能になる。
BenQの液晶ディスプレイでは、暗い描画領域における表示を調整する“Black eQualizer”(EQ)をXL2420TやRL2450H、RL2240Hで導入したが、これも、Clear Visoinの条件を満たすために実装した。これは、硝煙けむる戦場や霧で覆われた野外を再現した“白い”画面でも敵ユニットの描画をはっきりさせる補正をすることで、発見しやすくすることにも応用できる。
このような、ゲームプレイを有利にする機能を特に重視したラインアップを擁するBenQの液晶ディスプレイは、世界中でメジャーなゲームイベントが公式液晶ディスプレイとして採用するだけでなく、有名なeSportsチームやプロフェッショナルのゲームユーザー、そして、ゲームサークルなどもBenQの液晶ディスプレイのユーザーとなっている。その実績の1つが、Intelが行っている世界的なゲームイベント「Intel Extreme Masters」における公式液晶ディスプレイ採用といえるだろう。
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