BenQでは、DLPプロジェクタでもゲーム利用の特性を訴求する。説明会では、すでに出荷している「W1070」「GP10」に加えて、2013年第1四半期に出荷を予定している「W1080ST」を展示した。
W1080STは、解像度が1920×1080ドットに対応しながら、投影距離と投影サイズの比率が、0.69〜0.83、投影距離1メートルで投影サイズが65.7型相当になる短焦点モデルで、狭いリビングやベッドルームでもフルHDが投影できることを目的としたモデルだ。日本の住宅事情でも大画面投影ができることから、BenQは、日本市場における普及も期待している。
W1080STの主な仕様は、解像度が1920×1080ドットで輝度は2000ルーメン、コントラスト比は10000:1で、映像入力は2基のHDMIに、アナログRGB、Sビデオ、コンポジットビデオ入力を用意する。ステレオスピーカーも内蔵するので、セッティングが簡単であることもBenQはメリットとして掲げている。本体サイズは312(幅)×109(奥行き)×244(高さ)ミリで、重さは2.85キロだ。
W1070は、投影距離と投影サイズの比率が1.15〜1.5、投影距離2メートルで投影サイズが79型となるほかは、仕様はW1080STと共通する。W1080STもW1070も、解像度1280×800ドットの条件で垂直同期クロック120Hzの表示に対応する。
GP10は、軽量小型のGPシリーズ最新モデルで、本体サイズは220(幅)×177(奥行き)×61.8(高さ)ミリ、重さは1.5キロになる。なお、本体に光学ドライブを接続可能で、この場合、高さは90.0ミリになる。解像度は1280×800ドットで、投影距離と投影サイズの比率は1.2:1、投影距離1メートルで投影サイズは40型相当と、こちらも短焦点の利用が可能だ。輝度は550ルーメンでコントラスト比は10000:1、ステレオ立体視の表示にも対応する。
このように、ゲーミングディスプレイとしての立場を訴求するBenQだが、より一般的な液晶ディスプレイの発展としては、どのような考えを持っているだろうか。Windows 8の登場からユーザーが注目するようになったタッチパネル機能について、リャオ氏は、検討はしているが、価格が高くなることと、価格が高くなってでもタッチパネルを必要とするユーザーはまだ多くないと判断している。
また、Intel WiDiが代表するようなワイヤレス接続モジュールを内蔵したモデルなど、ワイヤレス接続機能の必要性についても、BenQがPCやゲームデバイスの接続用として考えているラインアップでは、ユーザーとディスプレイの距離が近いので必要性はなく、また、スマートフォンやタブレットデバイスの接続についても、ユーザーの需要は多くないと分析している。
BenQがゲーミングディスプレイを訴求する一方で、日本市場ではIntel Extreme Mastersなどの大規模なイベントが行われないなど、特にPCゲームユーザーの数が、欧州や日本以外のアジア諸国とくらべて少ない。この点について、日本はゲームの国で、ゲーマーの知識も高いので、地道な普及活動を続けていく考えを示した。
なお、今後主流になるディスプレイサイズについては、大型にシフトするのではなく、コンシューマーユーザーでは22〜24型が主流であり続けるとともに、ビジネス利用では、依然として17〜19型でアスペクト比が4:3のモデルが最も多いと述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.