キーボードが着脱できるWindows RTタブレット――「VivoTab RT TF600」はどう使う?Surface RTが待ちきれない人へ(2/4 ページ)

» 2012年12月03日 19時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

Androidタブレットと似たハードウェアスペック

 ハードウェアの基本スペックは下表にまとめた。CPUのTegra 3(1.4GHz/クアッドコア動作時1.3GHz)、ストレージの32GバイトeMMCなど、最近のAndroidタブレットでは見慣れた内容だが、メモリは2Gバイトと多めだ。ストレージの空き容量は初期状態で約13.2Gバイトと少ないため、microSDメモリーカードやSkyDrive、標準添付のクラウドサービス(32Gバイト/36カ月間無料体験版)を活用したほうがいいだろう。

VivoTab RT TF600Tの主な仕様(ASUS Padとの比較)
製品名 VivoTab RT TF600T(TF600-GY32) ASUS Pad TF700FT(TF700T-GD64D) ASUS Pad TF300T(TF300-BL32D)
OS Windows RT Android 4.0.3 Android 4.0.3
液晶ディスプレイ 10.1型 Super IPS+ 10.1型 Super IPS+ 10.1型 IPS
表示解像度 1366×768ドット 1920×1200ドット 1280×800ドット
CPU Tegra 3 (1.4GHz/クアッドコア時最大1.3GHz) Tegra 3 (1.7GHz/クアッドコア時最大1.6GHz) Tegra 3 (1.3GHz/クアッドコア時最大1.2GHz)
メモリ 2Gバイト(DDR3L) 1Gバイト(DDR3L) 1Gバイト(DDR3L)
ストレージ eMMC 32Gバイト eMMC 64Gバイト eMMC 32Gバイト
通信機能 IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0 IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0 IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0
カメラ インカメラ:200万画素、アウトカメラ:800万画素 (裏面照射型、F2.2) インカメラ:200万画素、アウトカメラ:800万画素 (裏面照射型、F2.2) インカメラ:200万画素、アウトカメラ:800万画素 (裏面照射型、F2.2)
搭載センサー GPS、デジタルコンパス、照度、加速度、ジャイロ、NFC GPS、デジタルコンパス、照度、加速度、ジャイロ GPS、デジタルコンパス、照度、加速度、ジャイロ
インターフェイス microSDカードリーダー(SDXC対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、microHDMI出力×1、USB 2.0(付属アダプタ経由で接続)×1 microSDカードリーダー(SDXC対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、microHDMI出力×1 microSDカードリーダー(SDXC対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、microHDMI出力×1
スピーカー ステレオ ステレオ ステレオ
バッテリー容量 25ワットアワー 25ワットアワー 22ワットアワー
バッテリー駆動時間 約9時間 約9.5時間 約10時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 262.5×170.9×8.3ミリ 263×180.8×8.5ミリ 263×180.8×9.9ミリ
重量 525グラム 598グラム 635グラム

 インタフェースの内容はASUS Pad TF700FTと同じで、microSDカードスロットとmicroHDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子を備える。このほかにACアダプタ/モバイルキーボードドック接続用の独自端子につなぐUSBアダプタが付属しており、これを装着するとUSB 2.0ポートを利用することも可能だ。

 通信機能は、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を標準装備。タブレットには欠かせないセンサー類は、GPS、コンパス、照度、加速度、ジャイロといったおなじみのものに加えて、裏面にNFCも内蔵している。

 また、高感度に強い裏面照射型CMOSセンサーを搭載した800万画素のアウトカメラはF2.2という明るいレンズを装備している。ビデオチャットなどに便利なインカメラも200万画素と比較的高画質だ。

横位置での上面に電源ボタンを用意(写真=左)。下面にはACアダプタやキーボードドックと接続するための専用端子があり、キーボードドックのフックを引っかけて固定する穴も設けられている(写真=右)

左側面にカバー付きのmicroHDMI出力、microSDカードスロット、キーボードドックの接続解除レバーを配置(写真=左)。右側面にヘッドフォン/マイク兼用端子、音量調整ボタンを備えている(写真=右)

背面の左上にNFCを内蔵している(写真=左)。NFCのロゴもシールとなっている。下面のACアダプタ/モバイルキーボードドック用コネクタに装着することでUSBメモリなどを接続できるUSBアダプタも付属する(写真=右)

Android版と少々異なるオプションのモバイルキーボードドック

 ASUS Padでおなじみの合体式専用キーボード「モバイルキーボードドック」も別売もしくはセットモデルとして用意されている。これを装着すると、ノートPCと同じようにクラムシェルスタイルでの利用が可能だ。

モバイルキーボードドックを接続すれば、クラムシェル型ノートPCと同じ感覚で利用できる。厚さと重さは増すが、バッテリー駆動時間の大幅な延長や拡張性の強化といった恩恵が得られる

 モバイルキーボードドックの仕様もASUS Pad TF700Tとは少し異なり、SDメモリーカードスロットが省かれてインタフェースがUSB 2.0のみになった一方、バッテリー容量が2.5ワットアワー増えながら、より薄型軽量になった。これを装着した状態でのサイズは262.5(幅)×170.9(奥行き)×18.7(高さ)ミリ、重量は約1036グラムと、(一部例外はあるが)一般的なモバイルノートPC/Ultrabookより軽量だ。

VivoTab RT TF600T用モバイルキーボードドックの主な仕様(ASUS Padとの比較)
製品名 VivoTab RT TF600T(TF600-GY32) ASUS Pad TF700FT(TF700T-GD64D) ASUS Pad TF300T(TF300-BL32D)
装着時のサイズ(幅×奥行き×高さ) 262.5×170.9×18.7ミリ 263×180.8×19.4ミリ 263×180.8×19.4ミリ
装着時の重量 1036グラム 1100グラム 1181グラム
インターフェイス USB 2.0×1 USB 2.0×1、SDメモリーカード(SDHC対応) USB 2.0×1、SDメモリーカード(SDHC対応)
バッテリー容量 22ワットアワー 19.5ワットアワー 16.5ワットアワー
装着時のバッテリー駆動時間 約16時間 約14時間 約15時間

モバイルキーボードドックを装着した状態の側面。モバイルキーボードドックの前面にインタフェースはなく、先端を絞り込むことで薄く見せるデザインとなっている(写真=左)。背面は本体を装着するヒンジ部が盛り上がっている(写真=右)

モバイルキーボードドックの左側面にはACアダプタ用の接続端子を備える(写真=左)。右側面にはUSB 2.0が用意されている(写真=右)

キーボードとタッチパッドの使い勝手は?

 モバイルキーボードドックのキー配列は標準的な日本語の6列仕様で、実測のキーピッチは約17.5(横)×約15(縦)ミリだ。フルサイズのキーボードに慣れていると少し窮屈に感じるが、慣れで対応できるだろう。ストロークは浅めだが、クリック感はしっかりしており、たわみなども気にならない。

 キーボードの手前にはタッチパッドを搭載しているが、独自ドライバは用意されていないため、利用できるのは2ボタンマウスに相当する機能のみだ。ジェスチャー操作でスクロールしたり、チャームを呼び出したり、といったことはできない。この辺りは、OSがWindows 8とデバイスドライバの互換性がないWindows RTである事情が大きいのだろう。

 ボディの作りはASUS Padと同様にしっかりしており、重量バランスも良好だ。ディスプレイのヒンジも固めに調整されていて、グラつきなどを感じることもない。ドッキングした状態ではノートPCと変わらない使用感といえる。

 なお、画面を開くとボディの奥が持ち上がって傾斜がつくようになっており、膝の上など設置面が不安定な場所での使用には若干不安がある。ヒンジの角度は水平に対して約135度まで開く。

6列仕様の日本語キーボードは標準的なキー配列を採用し、長文の入力も問題ない(写真=左)。背面はシンプルですっきりしたデザインだ(写真=右)

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