ソニーが挑んだ家庭用PCの再創造――「VAIO Tap 20」特大レビューいよいよ12月8日発売(6/7 ページ)

» 2012年12月05日 11時00分 公開
[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の騒音は?

 先に紹介したように、VAIO Tap 20は3つの店頭モデルに加えて、直販サイトのソニーストアに、基本スペックなどの構成を細かくカスタマイズできるVAIOオーナーメードモデルも用意されている。

 今回はこのVAIOオーナーメードモデル(SVJ2021AJ)から、CPUを最高のCore i7-3667U(2.0GHz/3.2GHz)に強化しつつも、メモリは4Gバイト(4Gバイト×1)、ストレージデバイスは500GバイトのHDDに限定することにより、性能と価格のバランスを図った構成(直販価格は11万4800円)で各種ベンチマークテストを行なった。

※記事初出時、メモリを8Gバイトに強化したとありましたが、以下のテスト結果は4Gバイトメモリ構成のものでした。おわびして訂正いたします(2013年1月25日22時/PC USER編集部)

今回入手したVAIO Tap 20のデバイスマネージャ画面。500Gバイトの9.5ミリ厚HDDは「TOSHIBA MQ01ABD050」とある

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアについては、Core i7-3667U(2.0GHz/3.2GHz)を搭載した構成のため、プロセッサの7.2が突出して高い。最も低いスコアはグラフィックスの4.6だが、Windows 8を軽快に操作できる十分な性能が確保されている。さらにレスポンスを高速化したいならば、ストレージにSSDを搭載するのも手だ。

 各ベンチマークテストのスコアを見ると、同様のスペックを持つモバイルノートPCに比べて若干譲る結果となったが、一般的な利用でパワー不足を感じる場面はほとんどなかった。3Dグラフィックス性能は、第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)のCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を搭載する標準的なノートPCと同程度といったところだ。

 なお、今回テストした試作機では、恒例のベンチマークテストのうち、PCMark 7およびPCMark Vantageが正常に動作しなかったことから、スコアを割愛している。

VAIO Tap 20のベンチマークテスト結果
ベンチマークテスト 設定 スコア
3DMark Vantage Entry 3DMark 11272
GPU 11794
CPU 9950
3DMark Vantage Performance 3DMark 2838
GPU 2293
CPU 9904
3DMark06 1024×768 3DMarks 4700
SM2.0 1429
HDR/SM3.0 2024
CPU 3792
MHFベンチマーク【絆】 標準設定 1883
ストリートファイターIVベンチマーク 標準設定 8430(41.69fps)
ストリートファイターIVベンチマーク 高負荷設定 6227(27.97fps)
※ストリートファイターIVベンチマークの設定。「標準設定」は解像度:1280×720ドット、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:低、モーションブラー:低、パーティクル:中、エクストラタッチ:OFF。「高負荷設定」は解像度:1600×900ドット、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:最高、モーションブラー:高、パーティクル:高、エクストラタッチ:OFF

 続いてBBench 1.01(海人氏・作)でバッテリー駆動時間の検証も行なった。BBench 1.01は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定、PCは無線LANに常時接続、電源プランは「バランス」、液晶ディスプレイの明るさは40%という条件でテストを行なったところ、バッテリー残量5%で休止状態へ移行するまで、2時間55分だった。

 試作機に搭載されていたバッテリーはVAIOの他機種でも採用の多いVGP-BPS21(10.8ボルト/3500ミリアンペアアワー)で大容量タイプへの交換はできないが、3時間近い実利用が可能なら、まずまず合格点だろう。オプションとして同型のバッテリーも用意されている。なお、ACアダプタは本体サイズから考えれば小型で、設置や収納のじゃまになることはないだろう。

容量10.8ボルト/3500ミリアンペアアワーのリチウムイオンバッテリーを備えている(写真=左)。「VAIOの設定」からは、満充電時に対して約80%もしくは約50%しか充電しないことで、充電能力の低下を遅らせる「いたわり充電モード」も選択できる(写真=中央)。モバイルノートPC向けのプラットフォームを採用していることもあり、ACアダプタは本体サイズの割にコンパクトだ(写真=右)

「VAIOの設定」では、本体の冷却とパフォーマンスのバランスを3種類(パフォーマンス優先/標準/静かさ優先)から選べる

 動作音については、大柄な本体に低消費電力のモバイルプラットフォームを採用していることもあってか、基本的には非常に静かだ。

 デスクトップスタイル時の背面上部にスリットがあいており、ここから排気熱と風切り音が出てくる構造だが、ベンチマークテストや動画のエンコードなど特に高い負荷のかかった状態でなければ、通常の使用中でも、耳を近づけてもほとんど聞こえないほどだ。家人が寝静まった深夜に起動しても十分満足できる範囲で、総じて満足度は高かった。

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