新iMacを買う前にチェックしておきたい10の疑問広田稔のMacでいくぽ(12)(2/2 ページ)

» 2012年12月05日 17時34分 公開
[広田稔,ITmedia]
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5、スピーカーとマイクの位置は?

 iMacは液晶ディスプレイの真下にいくつか穴があいている。このうち左端と右端がスピーカーで、音を出すと机に反射して広がる感じだ。

 マイクは液晶上部の中央、FaceTime HDカメラの上と、その背面側に2つ用意している(デュアルマイク)。2つあるのは音声通話の際、バックグラウンドノイズから声を際立たせて聞き取りやすくするためで、すでに15型MacBook Pro Retinaディスプレイモデルなどで導入している技術だ。

液晶ディスプレイの下部にあるスリットは、左右両端から音が聞こえる。マイクは液晶ディスプレイ上部と、背面側に2つある

6、ファン音はうるさい?

これファン回ってるか……?

 この点については、あまりに静かで驚いてしまった。21.5型iMacは、本体下部から吸気して、背後のスリットから排気しているようだ。あまりに動作音が静かなので、ちょっと意地悪をするために、フルHD動画をQuickTime Xで開き、「1080p」で書き出しながら、さらにベンチマークソフトの「CINEBENCH」(CPU)を実行して、CPUに最大限の負荷を5分ほどかけてみたのだが、iMacの前に座っている状態ではファンの回転音はほとんど聞こえない。

 静音ファンが優秀なのか、本体の放熱性能がいいのか、CPUが2.7GHz Core i5だからか、いろいろ原因は推測できるが、最初の印象ではかなり静かなマシンだった。ちなみに旧モデルは、本体上部、リンゴマークの上に横長の排気スリットがあって、耳を近づけるとサーという音が聞こえていた。

CPU使用率100%をしばらく維持したうえで排気口に耳を近づけても、かすかにファンの回転が聞こえるレベル。静音性は優秀だ

7、Thunderboltでディスプレイ入力できるの?

Thunderbolt出力を搭載したMacBook Airから新iMacに画面を出してみた

 21.5型モデルに一世代前のMacBook Air(Mid 2011)で試したところ、ばっちり出力できた。ただし、その条件が厳しくて、出力側もThunderbolt端子である必要がある。2、3年以上前のMini DisplayPortを備えているがMacからは映像が出せないので注意しよう。

 対応機種が少ないので、この機能の使いどころは難しいかもしれない。Mini DisplayPortを備えていたiMac(Late 2009、Mid 2010)の場合、サードパーティ製のHDMI/Mini DisplayPortアダプタをかますことでBlu-rayレコーダーやゲーム機からの映像を出力できていたが、Thunderboltに変わってから同種の製品はまだ出ていない。ノート型Macでやっていた作業の続きを、データをコピーすることなく大画面で続けたい……というシチュエーションなら役立つかも?

接続は写真のような感じ。ただ、そもそもiMacを常時起動しているのなら、使いどころはちょっと微妙かも

8、VESAマウントって使える?

 今のところ対応アダプタは出ていない。オンラインのApple Storeで売っている「VESA Mount Adapter Kit for iMac and LED Cinema or Apple Thunderbolt Display」には、「ご注意:iMac(late 2012)には対応していません」と記載されているので注意。

9、CTOモデルはどこで入手できる?

 オンラインのApple Storeのほか、アップル広報によれば量販店によってはCTO注文ができるとのこと。ちなみに筆者は発売日にCTOモデルを求めて直営店の「Apple Store Ginza」に行ったのだが、CTOモデルは今後も店頭で在庫を持たないという案内だった。

追記)記事初出時、「量販店でもCTO注文できる」と記述しておりましたが、すべての量販店でできるわけではありません。おわびして訂正いたします

10、ずばり、新iMacの弱点は何?

これで10万8800円は安いな……

 拡張性に乏しく、内蔵ストレージやメモリが壊れたときに自力で交換しにくいほか、今回から光学式ドライブを内蔵しなくなった点は人によってはデメリットかもしれない。SDメモリーカードスロットや、USB 3.0などの端子類が背面にあるため、機器をつなぐときに背面を見る必要があるというのも面倒だ(ただ、その分本体が軽いので机上にスペースがあればくるっと回すのはたやすいが)。ライン入力やFireWire 800の端子が省かれたのも、手持ちの機器が使えなくなる可能性がある。

 個人的には、そうしたデメリットより、メリットの方が上回ると感じた。所有欲を満たしてくれる新しいデザイン、写真や動画の編集もそつなくこなしてくれる広い画面と処理性能、動作音の静かさなどを兼ね備えたうえで、10万8800円からという価格を実現しているのはかなり魅力的。出先ではiPhoneやiPadを使っていて、その「母艦」が欲しいと考えているなら、見た目もカッコイイこの新しいiMacが有力な選択肢になるはずだ。

著者紹介:広田稔

 Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとインターネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」、ニコニコ動画史上最大のイベント「ニコニコ超会議」などをがっつり取材した。

 近著は「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)など。個人のTwitterアカウントは「kawauso3」です。


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