新iMacでは、Ivy Bridge世代のクアッドコアCPUを採用するなど、処理性能の向上も期待できる。そこで27型と21.5型の両モデルで簡単なベンチマークテストを実行してみた。評価機は、27インチiMacの上位モデル(MD096J/A)と21.5インチiMacの下位モデル(MD093J/A)だ。下の表を見れば分かるように、画面サイズの違いだけでなく、CPUとグラフィックスも異なる。価格差は6万円と大きいが、実際の性能差はどれくらいだろうか。
製品名 | 27インチiMac(MD096J/A) | 21.5インチiMac(MD093J/A) |
---|---|---|
CPU | 3.2GHz Intel Core i5(最大3.6GHz) | 2.7GHz Intel Core i5(最大3.2GHz) |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | 1TB | 1TB |
グラフィックス | GeForce GTX 675MX(1GB GDDR5) | GeForce GT 640M(512MB GDDR5) |
液晶ディスプレイ | 27インチ | 21.5インチ |
解像度 | 2560×1440ドット | 1920×1080ドット |
価格 | 16万8800円 | 10万8800円 |
実施したのは、GeekbenchとCINEBENCH、Blackmagic Disk Speed Test、Xbench(Disk Test)だ。まずCPUやメモリ性能を測るGeekbenchの結果から見ていこう。総合スコアのGeekbench Scoreは、27型(MD096J/A)の10701に対して、21.5型(MD093J/A)が9133となり、個別のスコアもすべて27型モデルが上回った。とはいえ、いずれも5〜20%の範囲に収まっており、それほど大きな差があるわけではない。CINEBENCHの結果も同様に、GeForce GTX 675Mを搭載する27型モデルがOpenGLで13%ほど高い数値を出している。
なお、27インチiMacのCTOメニューには、8スレッドの同時処理が可能な3.4GHz Intel Core i7(Turbo Boost時最大3.9GHz)や、GeForce GTX 680MX(2GバイトGDDR5)が用意されているので、より高い処理性能を望むならこちらも検討したい。
一方、ストレージ性能を測るBlackmagic Disk Speed Testと、XbenchのDisk Testでは大きく差がついた。これは27インチiMacが7200回転の3.5型ドライブを、21.5インチiMacが5400回転の2.5型ドライブを搭載しているためで、下の結果を見ると分かるように、シーケンシャルリードとシーケンシャルライトで2倍近い開きがある。大容量ファイルの読み書きが発生するビデオ編集などの用途に21.5インチiMacを検討している人は、ThunderboltやUSB 3.0接続の外付けストレージを利用するか、思い切って27型モデルを選ぶほうがいいかもしれない。
なお、新型iMacでは、ストレージの選択肢としてSSDとHDDを組み合わせたFusion DriveがCTOオプションに加わっている。このオプションは標準でストレージ性能が劣る21.5インチiMacでも選べるため性能が気になるところだ。Fusion Driveを搭載した21.5インチiMacの評価は、改めて別記事で紹介していこう。
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