Aspire S7-191の基本スペックは、Aspire S7-391と同様で、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)、メモリは4Gバイト、ストレージは64GバイトSSD×2のRAID 0構成(計128Gバイト)、グラフィックス機能はCPU統合のIntel HD Graphics 4000を利用する。OSは64ビット版Windows 8となる。それではベンチマークテストを行っていこう。
まずは、Windowsエクスペリエンスインデックスをチェックする。グラフィックスのサブスコアが5.4と最も低く、プライマリハードディスクの8.3が最も高くなったのはS7-391と同じだ。SSDのRAID 0構成ということもあり、データの読み書きは高速で、CrystalDiskMark 3.0.1で測定したところ、シーケンシャルリードが822Mバイト/秒と非常に速かった。SSDはS7-391と同じくLITE-ON製の「CMT-64L3M」を使用している。
ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、3D系ベンチマークテストの3DMark06、3DMark Vantage、ストリートファイターIV ベンチマーク、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】を行った。13.3型のS7-391とあまりスコアは変わらず、Windows 8搭載Ultrabook「dynabook R822」や「VAIO Duo 11」(ともに店頭モデル)とも同等のスコアとなった。
S7-191のバッテリー容量は3790ミリアンペア/3.7ボルトだ。最長動作時間は約5時間とUltrabookとしては、かなり短い部類に入る。実動作時間の測定をBBench 1.01(海人氏・作)で行ったところ(60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)+10秒間隔でのキーストローク、PCは無線LANに常時接続で電源プランは「バランス」)バッテリー残量5%で休止状態へ移行するまで、約3時間27分だった。
カタログ値よりも1時間半ほど短く、3時間台ということで、モバイル環境で使うにはバッテリー切れの不安がある。自宅や屋内での持ち運びであれば対応できるが、外出時に仕事などで長時間作業する場合は、ACアダプタを持ち歩く必要がありそうだ。専用の拡張バッテリーが2012年12月中旬以降に発売される予定なので、こちらも検討するといいだろう。装着時のバッテリー動作時間は約9.5時間としている。
動作時の発熱と騒音については、13.3型モデルのS7-391とあまり変わらない。ベンチマークテストなど高負荷な処理が続くと、46デシベル程度(暗静音時33デシベル)まで上がり、キーボード面の奥側がやや熱くなった(約37度、室温は23度)。パームレストまで熱が伝わることはなかったが、YouTubeやニコニコ動画で動画を見るようなときでも、時々ファンが回って大きな音がするところは気になった。
Aspire S7-191の想定実売価格は13万円前後となる。洗練されたデザイン、タッチ対応のフルHD対応ディスプレイ、第3世代Core i7、RAID 0構成のSSDを備え、14万円前後となるS7-391とともに、同社Ultrabookカテゴリのハイエンドモデルとして、文句のないスペックとなっている。価格もスペック相応だ。
11型クラスの液晶ディスプレイを搭載したUltrabookは少ないが、作業領域やキーピッチの広さよりも、コンパクトで軽量なマシンを好むユーザーは少なくない。変則配列のキーボードや、短めのバッテリーといった一癖ある仕様に納得ができるならば、薄型軽量でハイスペックな本機は、あらゆるシーンでユーザーを十分に満足させる力を持ったマシンと言えるだろう。
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